コラム

税理士が解説!不動産投資の消費税還付の仕組み

税理士が解説!不動産投資の消費税還付の仕組み

前回までは、法人で収益物件を購入するメリットを主に所得税の面からお話しました。

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今回は、もう1つの大きなメリットである「建物の建築費又は購入費用にかかる消費税還付」についてお話ししたいと思います。

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建物の完成後に建築費の消費税が戻ってくる

例えば、土地を購入し、その上に賃貸アパート建築した場合、建物の建築費が8,000万円、消費税640万円(税率8%)だとすると、通常は、この消費税は還付されることなく建物の建築費の一部として取得価格に含められ、減価償却費として毎年建物の耐用年数の期間に応じて、法人税の所得の計算において費用計上されていきます。

消費税還付に精通していない通常の税理士にこの会社の申告を依頼した場合は、上記の処理をして消費税が還付されることはありません。
この場合申告をした税理士が間違った税務処理をしている訳でも決してありません。むしろ正しい申告をしていると言えます。 

しかし、もし、この支払った消費税640万円が建物の完成後半年以内に還付されたらどうでしょう。しかも、還付された消費税分は収入とならずに法人税上課税されないとしたら、不動産投資上も資金的に大きなメリットがあります。
この賃貸アパートの建物にかかる消費税の還付を受けるためには、所定の手続きや対策を施さないといけません。

消費税還付で利回りがアップし、自己資金回収期間が早くなる

では、具体的に、消費税の還付を受けるメリットを説明します。
上記の例で、土地・建物合計17,640万円(土地9,000万円・建物8,640万円<消費税8%込み>)、年間家賃収入1,150万円とすると、
表面利回りは1,150万円÷17,640万円=6.5%
となります。
土地・建物合計17,640万円を、自己資金1,800万円と銀行借入金15,840万円の資金総合計17,640万円で、毎年の税引後の手取り額が仮に230万円であるとした場合、
自己資本投資利回りは、230万円÷1,800万円≒12.8%
になります。

しかし、消費税還付を受けた場合、消費税還付金640万円は実質的には建物の建築費の値引きがあったと同じ経済的効果があるといえるので、
1,150万円÷(17,640万円―640万円)≒6.8%となり、
表面利回りは6.5%から6.8%へと0.3%アップします。

実質的な自己資本投資額は、1,800万円-640万円=1,160万円となり、
自己資本投資利回りは230万円÷1,160万円≒19.8%となり、約7%アップします。

また資金回収期間の面から考えると、消費税還付を受けない場合は、自己資金回収期間が100%÷12.8%≒7.8年であるのに対し、消費税還付を受けた場合は、100%÷19.8%≒5年となり、2.8年自己資金の回収期間が早まります。
投資においては投下資金をいかに早く回収できるかがポイントとなりますので、このメリットは大きいと思います。

還付金は予期せぬ出費にあてることができる

さらに、私自身の投資物件を例にあげます。
購入後1年後に一度に5部屋の退去があり、単月の家賃収入では銀行への借入金の返済ができない状況になった月がありましたが、消費税の還付を受けていたために、家賃収入以外の自己資金を充当する必要がありませんでした。
また、ある中古の賃貸マンションを購入したケースでは、購入の1年半後に約20年間住んでいた部屋の退去があり、ほぼフルリフォームをして多額の費用がかかりましたが、消費税の還付金の蓄えがあったので、リフォーム資金の一部に充当することができました。
収益物件の購入直後は、まだ家賃収入から得られる預金の蓄積金額が少ないものです。
消費税の還付による早期の資金増加は、賃貸経営上の予想外の家賃減少や経費の出費に対処できると、自らの経験からも感じました。

【消費税還付を受けるメリットのまとめ】
1.投資利回りがアップする。
2.実質的に消費税分の自己資金が少なくて済む。
3.自己投下資金の回収が早くなる。
4.資金的余裕がもてる。

次回は、不動産の消費税還付を受けるためにはどうすればいいのか、具体的な方法をご紹介します。

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沖田 豊明
沖田 豊明

沖田 豊明

不動産鑑定士・税理士

沖田 豊明

不動産鑑定士・税理士

平成11年に沖田不動産鑑定士・税理士事務所を開設。不動産鑑定士・税理士として、不動産オーナー様の相続・不動産賃貸業に関する税務を専門としている。 また、自らも不動産投資を行っており、実体験に基づいた税務アドバイスに定評がある。

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