軽量鉄骨 [けいりょうてっこつ]

建物の造りは一般的に4つに分けられます。
(1)木造(2)鉄骨造(3)鉄筋コンクリート造(4)鉄骨・鉄筋コンクリート造、の4つです。

軽量鉄骨とは、この中の(2)鉄骨造に含まれる造りです。
英語のsteel(スチール)の頭文字を取ってS造と呼ばれることもあります。
建物の骨組みに鉄骨を入れるもので、鋼材の厚さが6mm未満のものを軽量鉄骨、6mm以上のものを重量鉄骨といいます。
コストや耐震性では、木造と鉄筋コンクリート造の間に位置するといえるでしょう。

軽量鉄骨造の賃貸物件については、ハイツやアパートと表現されることが一般的です。

軽量鉄骨の工事の仕方

軽量鉄骨の工法は、柱と梁に加え、「ブレース」と呼ばれる筋交いを用いる方法です。
このブレースを使った造りは耐震性が高く、阪神・淡路大震災でもこの工法の建物は倒壊しなかったようです。

軽量鉄骨の工事の仕方では、工場で部品をパッケージングし、それを現場で組み立てるので、建てる費用を安く抑えることが可能で、工期も短縮できます。
工場で大量生産された部品は、木造に比べ材料の質が良く、職人による品質のばらつきがなく、安定しているのも大きなメリットです。

軽量鉄骨の工法は、主に、製品を現場で組み立てるプレハブ工法か、壁や床などを工場で組み立てておき、現場で取り付けるユニット工法になります。
どちらにせよ効率的で、コストも工期も抑えることができるのです。

軽量鉄骨

軽量鉄骨の坪あたりの相場

建てる場所によって大きく差はありますが、一般的にいって1坪あたりの軽量鉄骨の単価は50~70万円です。
木造は40~60万円、鉄筋コンクリート造は70~100万円くらいしますし、重量鉄骨と比べると2~3割安いです。

遮音性について

壁面にコンクリートを敷きつめるコンクリート造と違い、軽量鉄骨造では音が漏れやすいのが残念な点です。
木造よりはましですが、騒音によるトラブルが起きないとも限らないので、購入や建築する場合は、防音対策を講じることをおすすめします。

軽量鉄骨造の住み心地

木造に比べ、寒暖の差の影響をもろに受けるため、住み心地は劣ります。
エアコン完備は必須と考えたほうがよいでしょう。

軽量鉄骨造が向いている建物

一戸建てであれば、遮音性の低さを気にする必要がない上に耐震性が高いので、軽量鉄骨が向いているかもしれません。
木造にありがちなシロアリの心配がないのもメリットです。

また、3~4階建てまでなら軽量鉄骨が適しているといえるでしょう。
耐震、耐久性に優れ、工期やコストも抑えられるからです。
防音対策さえしておけば、入居者を遠ざけることもないでしょう。

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監修:棚田 健大郎