不動産投資コラム

賃貸経営を子どもに引き継がせるべきか?売却か?

税理士・司法書士渡邊 浩滋
賃貸経営を子どもに引き継がせるべきか?売却か?

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1.引き継いでもらえるという期待と現実

不動産投資で賃貸物件を増やしていった後、どうするべきかを考えている人は少ないと感じています。

物件を買い進めることに全精力を注いでいるためか、先のことを考えている余裕がないということが本音でしょう。

自分の子どもだから、きっと賃貸経営を引き継いでやってくれるだろう。
そんな期待を抱いているかもしれません。

しかし、現実には賃貸経営を上手く引き継げない人も多くいらっしゃいます。
親が「子どもに適性がない」と判断するケースもあれば、子が「賃貸経営には興味がない」と言うケースもあります。

引き継がせるべきかどうか?どう判断していけばよいかを解説していきます。

2.〈STEP1〉資産分析

賃貸物件は、所有しているだけでは価値が100%発揮されないと思っています。

賃貸物件には、不動産という資産と賃貸経営という運用を合わせて始めて価値があるのです。
不動産という資産だけ引き継がせても、運用が上手くいかなければ価値はないのです。
まずは、この事実を認識することです。

次に、資産と運用の割合を数値化することです。

不動産の資産性は立地やエリア、将来性などの土地そのものの価値。
賃貸経営の運用は、稼働率を上げるため、管理会社などの関係業者のやりとりにどのくらい労力をかけているか。部屋造りや外構、外壁などに独自のノウハウがあるかなど。資産性を運用でどのくらいカバーしているかです。

この割合を出してみるのです。
資産50:運用50なのか
資産30:運用70なのか

資産分析

資産は誰が所有者でも変わらないです。
しかし、運用は誰が所有者かによって変わるのです。

この運用を引き継がなければ不動産としての価値が失われていくのです。

3.〈STEP2〉子どもと話し合ってみる

運用の数値が出たら、子どもと話し合ってみることが大事です。

「子どもには運用は無理だ」と決めつけていませんか?
賃貸経営はどうやってやるのか、どうすれば上手くいくのか、話しましたか?
事業承継に悩んでいる大家さんのほとんどが、お子さんとコミュニケーションをとっていないのです。
まずは、きちんとお子さんと向き合って頂きたいのです。

親の気持ちをぶつけてみてください。
本気で引き継いでもらいたいのかどうか。

そして子どもの気持ちに耳を傾けてください。
賃貸経営を引き継ぎたい気持ちがあるのかどうか。

お互いの気持ちを確認した上で、運用ができるかどうかを話し合ってみましょう。

能力的な部分はいくらでも時間をかければ補えると思います。
しかし、物理的に賃貸経営にかけれられる時間がないという部分は難しいのです。

別にやりたいことがある。優先するべき仕事がある。
仕方がないことだと思います。

運用が足りるか足りないかも数値で出してみることをおすすめしています。
必要な運用:50
子ができる運用:40
どのくらい足りないかを測ってみるのです。

4.〈STEP3〉運用を補う方法を考える

数値が出たら、足りない運用を補える方法はないかを考えてみましょう。

例えば、自主管理をしているから運用の比率が高まっているのであれば、管理会社に委託するなど外注できないかを考えることです。

ここで大事なのは、現状で足りない部分は、さほど問題ではないということです。
実際に相続があったときに、足りている状態になっていればよいということです。

そのために今できる対策は何かを考えるということです。
時間がなければ外注する。
知識が足りなければ勉強する。

諦めることは簡単です。
子どもと一緒に課題を乗り越えることこそ真の事業承継と言えます。

5.〈STEP4〉資産の組み換え、売却を検討する

運用の足りない部分がどうしても埋まらないこともあるでしょう。
その場合には、資産を組み替えるという方法があります。

不動産には、資産と運用の割合があると言いましたが、今ある不動産を売却し資産性が高い、つまり運用の割合が小さいものに買い換えるということです。
好立地な不動産や築年数が新しくて手間がかからない不動産、運用を任せられる不動産です。

ご所有の不動産にこだわらなければ、選択肢はあるのです。
運用が足りないまま無理にお子さんに引き継がせてしまっては、結局上手くいかずに場売却してしまうことになりかねません。
せっぱつまった売却は、安く買い叩かれる可能性が高いのです。

どうせ売却することになるのであれば、高く売却できる時期を狙って売却する方がよいでしょう。

売却は、仕方なく売却するのと、狙って売却するのでは結果が大きく違ってくることがあるのです。

もちろん不動産を買い換えずに、売却して現金で残してあげるというのも選択肢としてありでしょう。
お子さんとしっかりと話し合ってみてください。

適正な不動産を選定して残してあげることが、事業承継では必要なのだと思います。
まずはご自身の不動産を分析して、お子さんを話し合う機会を持つこと
いずれと思っていたら、その機会を失います。思い立ったら行動することです。

画像提供:PIXTA

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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