不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

会社に対して土地を相続させることはできる?相続税はかかる?

相続税対策として、土地を会社に相続することはできるのでしょうか?
その際の税金はどのようになるのでしょうか?
メリットとデメリットについて教えてください。

下記にて説明します。

1.法人に相続させることが可能か?

まず個人の財産を法人に対して相続させることは可能です。
正確には、遺言書で遺贈する(相続人以外に財産を渡す)ことができます。

2.法人に遺贈した場合の課税関係

この場合の課税関係ですが、法人に遺贈した財産は相続税が課税されません。
次の税金がかかります。

(1)遺贈した被相続人

法人に時価で譲渡したものとみなして譲渡所得税が課税されます。
先祖代々の土地であるなど取得費がない場合には15.315%の所得税・復興税が課税されます。
準確定申告での申告が必要です。
課税される譲渡所得税は債務控除として相続財産から控除できます。
なお、住民税は課税されません。

(2)遺贈を受けた法人

法人が時価でもらったとして受贈益が計上されて、法人税等が課税されます。
中小法人の場合には、課税所得800万円以下は約24%、800万円を超える部分には超えた金額に対して約36%が課税されます。

(3)遺贈した被相続人以外に法人の株主がいる場合

遺贈することによって(受贈益が計上されることで)法人の株価が上がった場合に、上昇した価格分を被相続人から株主に対して相続や贈与があったものとして、相続税や贈与税が課税されます。

3.メリットとデメリット

(1)メリット

個人の相続税率が高い場合(例えば55%)には、法人税や譲渡所得税で課税を受けた方が得になる場合があります。

また、法人に多額の欠損金がある場合には、欠損金と受贈益を相殺して、法人税を抑えることが可能です。

(2)デメリット

個人相続税率が低い場合には、法人税や譲渡所得税の課税の方が多額になって損になる可能性があります。

また時価での課税になるため、相続税評価(路線価)よりも多額になる可能性があります。

さらに、法人に遺贈した場合には、譲渡所得税が少なくできる特例(相続税の取得費加算)が使えません。
(個人が相続した後に法人に売却した場合には、相続税の取得費加算の特例が適用できます。)

実際に法人に遺贈した方がよいかはシミュレーションしてみないとわかりませんが、メリットが出る場合は限定的な場合であることが多いと考えます。

2024/04/19

不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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