不動産投資コラム

ローンが通らない!建築基準法違反の中古一棟

ローンが通らない!建築基準法違反の中古一棟

前回 は、中古の区分マンションを購入する際に、築年数や修繕積立金が担保評価に及ぼす影響について触れてきましたが、今回は、中古一棟もののマンションやアパートを投資目的で購入する際、ローン審査に影響するポイントについて触れていきたいと思います。

ズバリ、今回クローズアップしたいのは、「建築基準法に違反している物件」についてです。

実は、建築基準法に違反している一棟もの中古マンションやアパートは意外に多く、そのことが原因でローンが通らなかったり、通ったとしても多額の改修費用がかかったりする可能性があります。
投資目的で購入を検討する際には、今回ご紹介する内容をぜひ参考にしてください。

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容積率オーバーの物件

敷地面積に対する延べ床面積の割合のことを「容積率」といい、容積率が高いほどたくさんの部屋が作れるということになります。

容積率は都市計画における用途地域ごとに定められているため、地域によって同じ敷地面積でも建築できる建物の規模が大きく変わってくるのです。

容積率を超える規模の建物を建築することは建築基準法違反となるのですが、古い物件になってくると、新築時は容積率をクリアしていたのに、その後に発生した事情によって、今現在は容積率オーバーになっているケースがあります。

1階事務所は要確認

容積率

今現在において、1階部分が事務所として使用されている物件は注意が必要です。
1階が事務所の物件のなかには、新築時に駐車場として届け出ていることがあり、容積率の計算に含まれていない場合があります。

当初は駐車場として使用していたものの、その後に事務所として改装して使用しているような場合については、容積率をオーバーしている可能性があるのです。

容積率をオーバーしている物件については、建築基準法違反の状態なので、ローンの審査が通りにくくなります

建ぺい率オーバーの物件

敷地面積に対する建築面積の割合のことを「建ぺい率(けんぺいりつ)」といい、建物が密集して住環境が悪化しないよう、都市計画で定められています

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建ぺい率がオーバーしている物件は、大きく分けると次の2つのケースがあります。

設計図面に問題がある

建物を建築する際には、事前に建築確認を受けなければ工事に着手することができません。

ところが、建築確認申請の際に提出している設計図面と、実際に工事する際に用いている設計図面を、建築コストなどの事情から意図的に変えてしまうケースがあり、結果として建ぺい率に違反する物件になってしまうのです。

建ぺい率違反はベランダをチェック

建ぺい率違反をチェックするためには、物件のベランダを確認することが重要です。

通常、独立した柱で支えられているベランダについては、建築面積に含まれますが、片側だけを固定した「キャンティレバー構造」といわれるベランダについては、建築面積に含まれません

キャンティレバー構造

ただ、キャンティレバー構造は片側だけでベランダを支えるため、重量鉄骨などそれなりの強度がある壁が必要になり、建築コストが高くつくというデメリットがあります。

そのため、建ぺい率をおさえるために、建築確認申請時にはキャンティレバー構造で申請して、実際の施工は独立柱のベランダにしてしまうケースがあるのです。

建ぺい率、容積率違反の物件は、万が一ローンが通ったとしても、のちに違反を改善するために高額な費用が掛かる可能性がありますので、特別な事情がない限り買わないことをおすすめします。

界壁違反の物件

レオパレス問題に端を発した界壁違反問題ですが、今後中古アパートのローン審査に大きな影響を与える可能性があるのでここで触れておきたいと思います。

界壁とは、アパートの部屋の境界にある小屋裏もしくは天井裏まで達する壁のことで、隣の部屋からの音漏れに対する遮音性や、火災に対する防火性を保つという重要な役割があります。
界壁

界壁違反の物件によくある傾向は、主に次の4パターンです。

  • 界壁が存在していない
  • 界壁に使われている素材が基準を満たしていない
  • 界壁の厚さが薄い
  • 界壁に隙間が多い

界壁違反はなぜ起きた?

界壁違反の問題がここまで大きくなった一番の要因は、一言でいうとバレにくかったからでしょう。
界壁は建物自体が完成すると目視できないため、天井裏を確認しない限りバレないのです。

ただ、レオパレス問題でここまで界壁について大きく取り上げられたわけですので、今後は中古アパートのローン審査にも影響が出てくる可能性が高いでしょう。

高額な界壁の改修工事費用

界壁

今後、界壁違反の物件は安く市場に出てくる可能性がありますので、ローンを使わず現金一括で購入しよう、と考える人もいるかと思います。

しかし、界壁違反物件については、違反状態を改善するための改修工事費用が高額になるため注意が必要です。

界壁の改修工事は、天井の一部を解体して施工することになるため、賃借人がいる場合はいったん退去してもらうか、ホテルに一時的に退避してもらわなければなりません

改修工事費用に加え、立退費用や宿泊費用も負担しなければならないため、どうしても界壁違反の物件を購入するのであれば、それらの費用もすべて見積もったうえで、売買代金にプラスして考えて利回り計算することを忘れないでください

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界壁違反物件を間違って購入しない方法

界壁

界壁違反は物件を内見した際に、バスルームの点検口から目で見て確認することが可能です。
ユニットバスの天井には点検口がついているケースが多いので、点検口を押し上げて、天井裏を確認してください。

当時の設計図に界壁が書かれていても、実際に天井裏を見てみると界壁がないというケースが多々ありますので注意しましょう。

まとめ

今回は一棟ものの中古マンションやアパートのローン審査に影響するポイントのうち、建築基準法違反を中心に解説してみました。

募集価格が安い物件ほど、これらのポイントに該当する可能性が高いので、相場よりも安い物件を見つけたら、建築基準法に違反していないか仲介業者に確認しましょう。

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棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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