不動産投資コラム

買ってはいけない!築古の「限界マンション」

買ってはいけない!築古の「限界マンション」

新築マンション価格が高騰するなか、手頃に購入できて利回りもよい中古マンションに飛びつく不動産投資家の方も少なくありません。
しかし、中古、特に築古マンションはさまざまなリスクを抱えているケースが多いため、購入する際には徹底した下調べをすることが重要です。

そこで今回は、築古の限界マンションについて詳しく解説したいと思います。

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築古マンション市場について

木造アパートについては、築30年以上経過すれば建て替えなども視野に入ってきますが、鉄筋コンクリートの区分マンションについては、築40年以上経過してもそのまま使用し続けるケースが一般的です。

そのため、中古物件の流通市場にも築40年以上経過した区分マンションが低価格で出てきます。

マンションも高齢化が進んでいる

2017年に国土交通省がまとめた下記資料によると、築年代別の区分マンションストック総数は以下の通りです。

このデータだけ見ても、1990年以前に建てられた区分マンションがまだ多く残っていることがわかります。

また、1991年以降に建てられている区分マンションのストックが多いことから、今後年数が経過するにしたがって、築古マンションの占める割合も増えてくると見込まれます。

国土交通省/建築年代別の住宅ストック総数より作成

築年数よりも立地が重要

築古マンションが、不動産投資において活発に売買が行われる背景には、築年数よりも立地優先のユーザー志向が大きく影響しています。

特に賃貸需要については、都心に近い駅近物件であれば、築50年以上経過しても入居者が決まるため、建て替える必要がなくそのまま残り続けるのです。

実際、賃貸物件検索サイトで検索すると、都内23区で築70年を超えるマンションも出てきます。

中古・築古マンションの落とし穴

築古マンションは価格が手頃で、ワンルームの区分マンションであれば都内でも1,000万円以下で購入できるので、サラリーマン投資家でも頑張ればキャッシュで購入できる場合もあります。

価格が安いということは、当然利回りも高くなるため、初心者投資家の中には築古マンションを狙っている方も多くいるようです。

ただし、築古マンションには次のような落とし穴があることに注意しなければなりません。

修繕積立金が足りない限界マンション

築年数が40年以上経過している区分マンションの場合、建物の至るところに老朽化が見られ、維持していくことに多額の修繕費用がかかるようになります。

区分マンションの修繕費用は、所有者がお金を出し合って毎月貯蓄している「修繕積立金」から捻出することになるのですが、困ったことに十分な修繕積立金のストックがないマンションが多いのです。

形だけの長期修繕計画

国土交通省の2018年度マンション総合調査結果によると、次のようなデータがわかりました。

長期修繕計画を作成している管理組合の割合:90.9%
長期修繕計画に基づいた修繕積立金額を設定している管理組合の割合:53.6%

長期修繕計画とは、マンションの今後10年~30年の期間に必要となる修繕計画のことで、将来必要となる修繕費用を試算することで、適正な修繕積立金を設定するという目的があります。

長期修繕計画の作成については、2003年以降は作成する管理組合が増え続けており、9割以上の管理組合で作成がされているようですが、実際に長期修繕計画通りに修繕積立金を設定できている管理組合は半分程度しかないのです。

大半の人がマンションの将来に興味がない


国土交通省/平成 30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状より加工

修繕積立金が適正額へ値上げが進まない大きな要因は、所有者の無関心にあります。

同じく国土交通省の調査結果によると、「マンションの老朽化問題について対策の議論を行っていない管理組合」が全体の56.3%と過半数を上回っているのです。

議論をしても具体的な検討にまで至らないケースも加味して見てみると、まともに議論をしている管理組合は全体の3割にも満たないのです。

また、「マンション購入の際に考慮した項目」に関する調査でも、駅からの距離(72.6%)や間取り(63.7%)を重視する人が多い一方で、共用部分の維持管理状況を考慮したという人は、11.5%しかいませんでした。

このように、マンション購入者の大半はもともと維持管理状況に無関心なことから、形だけ長期修繕計画を作成して議論はまったく行われないのです。

長期保有者と短期保有者の対立

議論が行われる管理組合が少ないなか、活発な議論をしている管理組合もあります。

ところが、議論をしたからといって、修繕積立金が適正額に修正されるとは限りません。

長期修繕計画に基づいて毎月の修繕積立金を値上げする場合、所有者の一定以上の賛成が必要となりますが、長期保有希望者と短期保有希望者との間で意見が決裂して議決できないというケースがあります。

長期運用を目的として保有している人は、将来のことも考えて修繕積立金の値上げに積極的ですが、短期で売却してキャピタルゲインなどを狙っている人の場合は、修繕積立金が値上がりしてしまうと、実質利回りが下がってしまい、売却価格が下がってしまうため反対するのです。

このように、所有者の事情によって意見が割れてしまうことも、修繕積立金が値上げできない1つの要因となっています。

まとめ

ここまでは中古マンションに内在する修繕積立金のリスクについて解説してきました。

次回は、中古マンションで発生する高額な修繕例や、買ってはいけない限界マンションの見分け方について解説します。

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棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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