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レオパレス、建築基準法違反の疑いで全アパート調査

2018/06/27
インベストオンライン編集部
レオパレス、建築基準法違反の疑いで全アパート調査

賃貸アパート大手の株式会社レオパレス21は、同社が1996年~2009年に施工したアパートの一部で建築基準法違反の疑いがある界壁工事の不備が見つかったとして、施工したアパートの全棟調査を行うことを発表しました。

6月20日更新:国土交通省は19日、レオパレス21のアパートがある自治体に対して、建築基準法に違反している物件がないか調査を依頼しており、先週末時点で全国9自治体のあわせて17棟で建築基準法違反が確認されたということです。調査は現在も進行中です。

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建築基準法違反の疑いの界壁工事不備とは

今回確認されたアパートは、工法的に小屋裏の界壁※ が必要な物件であったが、界壁を施工していないか、または施工が不十分であったとのことです。
その場合、建築基準法第30条及び建築基準法施行令第114条第1項に違反となる可能性があります。

全棟調査の途中経過として、調査が完了した290件中38件に施工不備が見つかったと報告しました。

※界壁とは、共同住宅の各住戸間の壁をいい、遮音性能を有するもので、かつ、延焼防止のための準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならないもの。

▼レオパレス21が作成した該当物件の構造断面図
レオパレスの建築基準法違反の施工について
株式会社レオパレス21 プレスリリース

施工不備が発生した原因と再発防止について

同社は今回の原因として、物件のバージョンアップが頻繁に行われており、建物の仕様がわかりにくくなっていたこと、施工工事者に渡している施工マニュアルに小屋裏界壁が記載されていなかったためとしています。

また、規格商品であることから図面等と現場との照合確認が不十分であり、検査内容も自主検査に留まっており、社内検査体制も足りていなかったと報告しました。

再発防止策として、組織及び現場人員体制の見直しを行い、ISO 9001の認証を取得し、現在では9回の社内検査に加え、第三者による検査を4回行い、品質管理に努めているとのことです。

調査及び補修工事のスケジュール

株式会社レオパレス21は施工した全アパート37,853棟について、外部機関の協力も受けながら随時調査をすすめ、2019年6月迄に全棟調査の完了を目指し、調査により問題が確認されたアパートは補修工事を行い、2019年10月の工事完了を目指すとのことです。

調査及び補修工事開始の案内については、オーナーには事前に調査内容とスケジュールを個別連絡し、入居者に対しては物件の掲示板やポスティング投函による告知を行うということです。
株式会社レオパレス21 プレスリリース

今後について

全国に多数のアパートを抱え、テレビCMでもおなじみの「レオパレス」ブランド。
同社は今回の建築基準法違反の疑いによる全アパート調査について、業績への影響は軽微であるとしていますが、調査や補修工事となると、入居者やアパートオーナーにかかる負担は大きいと思われます。

迅速かつ正確な調査と適切な補修工事が、信頼回復の重要なステップとなりそうです。

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