不動産投資コラム

アパート経営で失敗…3つの原因とよくある失敗事例

2018/10/17
アパート経営で失敗…3つの原因とよくある失敗事例

不動産投資のなかでも「アパート経営」は最もオーソドックスな投資法と言っても過言ではないでしょう。

ただ、アパート経営を始めた人のなかには、事前の準備や知識が足りなかったばっかりに、投資に失敗してしまう人もいます。

今回は、アパート経営に失敗する人に共通している特徴と、それでも初心者投資家にもアパート経営をおすすめできる理由についてお伝えしたいと思います。

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アパート経営での失敗とは…

株式投資やFX、仮想通貨(ビットコイン)などの投資については、投資する前にどんなに綿密にシミュレーションしたとしても、株価や為替などの値動きを確実に予測することはできません
過去に発生したバブル崩壊やリーマンショックなどによる暴落をほとんどの投資家が予測できなかったことからもわかるとおり、株式やFXについては非常に高度な投資判断が求められます

しかし、不動産の場合はよほどのことがなければ家賃や不動産価格が急激に変動することはありません。アパート経営の失敗は、知識不足が原因のことが多く、正しい知識をつければ初心者の投資家でも失敗を防ぐことができるのです

原因①:空室と滞納のリスクを知らずに失敗

アパート経営で空室と滞納の2つのリスクを知らずに失敗

アパート経営は購入時よりも高く売却して利益を出すことが難しいため、基本的には毎月の家賃収入で利益を出していく「インカム・ゲイン」 がメインの投資となります。

それだけに、毎月の家賃がきちんと入金になることが重要なのですが、ここで忘れてはならないのが「空室リスク」と「家賃滞納リスク」 です。

例えば1棟10戸のアパートで1部屋あたり5万円だとします。
満室であれば10戸×5万円=50万円が家賃収入の収益物件だと考えいます。

アパート経営に失敗する人は、上記の満室経営が当たり前だと考えている特徴があります。
ところが、アパート経営はそんなに甘くはありません。

空室リスクについて

賃貸物件は年間を通して常に入退室が発生するため、その都度空室で家賃が入ってこない無収入の期間が発生します。

ひと昔前までは、入居者の居住年数が長かったため、一度入居すれば4~8年くらいはずっと家賃が保証されていました。
ところが最近は賃貸物件の供給過多によって、空室が目立つようになり、その結果敷金や礼金がゼロゼロといった初期費用格安物件が増えてきました。

これによって、賃借人が気軽に引っ越しできる環境ができてしまったため、平均的な居住年数が昔よりも短くなりつつあり、早ければ1年以内に退去してしまうケースもあります。
コンスタントに入退室が発生すると、その都度原状回復工事も発生するため、経費もかさむことになります。

家賃滞納リスクについて

家賃は賃借人がいれば必ず入金になるとは限りません。

なかには家賃を滞納する部屋が発生することもあります。
昔に比べ、終身雇用制度が崩壊している現代においては、入居時に一流企業に勤めていて入居審査を通過したような人でも、1年もしないうちに会社を辞めてしまいニートになってしまうケースも少なくありません。

家賃滞納が発生すると、家賃が入ってこないばかりか、賃借人や連帯保証人に対して家賃を督促する手間もかかることになります。
基本的には管理会社が家賃の督促をしますが、強制退去など裁判沙汰 となると大家の負荷はおおきくなります。

MEMO
「空室と滞納」に対する対応策

空室や滞納については、いつ発生するのかについて予測ができないため、先ほどの経費と同じように一定割合を空室率として見積もっておくことが対応策となります。

賃貸需要があるかどうか、地域にもよりますが、目安としては、家賃収入の「5~15%程度」は空室率(滞納)リスクとして考えて、収支シミュレーションを立てておくといいでしょう。

原因②:経費、修繕費に対する知識不足で失敗

アパート経営にかかる「経費」

アパート経営における最低限の知識が不足していると、賃貸経営を始めてすぐに「こんなはずじゃなかった」という壁に直面することになります。

アパート経営というと、一般には「不労所得」などともいわれるとおり、何もしなくても家賃という収入が発生する非常にメリットの大きな投資だと考えられています。
たしかに間違いではない知識ですが、アパート経営についてまわるのは決して収入だけではありません。

アパート経営を始めるうえで重要なことは、収入よりもむしろ「支出」です。
アパート経営に失敗する人の多くは、支出である経費に対する認識が甘いという特徴があります。
アパート経営を維持していくためには、大きく分けて次の3種類の経費が定期的に発生することになります。

賃貸管理にかかる経費

アパート経営の経費

アパート経営で定期的にかかる経費が「賃貸管理にかかる経費」です。

家賃の集金や、入居者の問い合わせなどは管理会社と呼ばれる不動産会社に物件管理を委託することが多いです。
その場合、その管理会社に毎月の管理委託費用として、家賃の3~5%程度を払うのが一般的です。家賃が100%収入として入ってくるわけではありません。

また、アパートの賃借人は何もせずに勝手に決まっていくわけではありません。
基本的には、その管理会社に募集を依頼して客付けをしてもらうことになります。

管理会社に客付けを依頼すると、成約した場合におおむね家賃の1ヵ月分を募集広告費などの名目で支払うことになります。

アパートの室内部分の設備にかかる経費

アパートという資産を物理的に維持していくためにさまざまなお金がかかります。
室内部分については、賃借人が退去した際に、原状回復のための工事として次のような経費が発生します。

アパート経営の室内設備 補修・修繕
  • ルームクリーニング費用
  • クロス張り替え費用
  • 水道のパッキン交換費用
  • エアコン洗浄費用

エアコン、給湯器、ガスコンロなどの室内設備が故障していれば修理や交換が必要となりさらに費用が発生します。
また、特に使用上の問題がなかったとしても、これらの室内設備については、おおむね10年ほどで買い替え時期と言われています。

最近では、インターネット設備関係を後から導入することにより、予想外の出費となるケースもあります。

MEMO
「経費」に対する対応策

アパート経営に失敗しないためには、少なくとも上記でご紹介した経費については前もって資金計画に盛り込んでおくことが重要です。

とはいえ、初心者投資家の方が最初からこれらの項目の金額をすべて調べてシミュレーションすることはとても大変です。

そこで、ひとつの目安として家賃収入に対しておおむね20%程度を経費として見積もって収支計画を立てておくと、少々のことでは破綻しない余裕を持ったアパート経営ができるでしょう。

建物部分にかかる修繕費

アパート自体も一定の周期でさまざまな修繕が必要になってきます。
建物部分の修繕費用で代表的なものは以下の2点です。

外壁塗装工事
アパート経営の塗装

アパートの外壁は、塗装の種類に応じて一定年数を経過すると徐々に劣化していきます。
塗装の種類に応じた耐用年数の目安は以下のとおりです。

  • アクリル:5年
  • ウレタン:10年
  • シリコン:15年
  • フッ素:20年

耐用年数が長い素材であるほど、施工費用は高額になります。

また、アパートの構造や日当たりなどによっても劣化の進行速度に差が生じますが、おおむね10年程度経過した段階で外壁に異常がないかチェックする必要があるでしょう。
費用の目安としては、2階建てのアパートで150~300万円程度、3階建てのアパートで200~400万円程度と非常に高額な費用がかかります。

屋上防水工事
FRP防水塗装

外壁と同様に重要な修繕箇所が「屋上」です。

屋上は雨を直接受け止めるため、屋上防水が劣化したまま放置をすると、雨漏りの原因となります。
屋上防水工事についても、使用している塗装材に応じて耐用年数が次のように異なります。

  • ウレタン塗膜防水:10~15年
  • シート防水:12~15年
  • FRP防水:10~15年

屋上防水は建物の外壁よりも劣化速度が速いケースが多いため忘れずに工事をする必要があります。
1㎡あたり5,000円~8,000円程度が相場ですので、外壁塗装工事と同様に大きな費用が一度にかかることとなります。

このように、アパートを維持していくためにはコンスタントにかかる室内部分の経費と、中長期的に大きな出費となる建物部分の経費の両方をあらかじめ予測し、そのうえで無理のない資金計画を開始当初から立てる必要があるのです。

MEMO
「修繕費」に対する対応策

建物の修繕費はどれくらいかかるか、初心者の方には判断が難しく、中古アパートを買う際は、そのアパートの修繕履歴を事前に確認する必要 があります。
管理の状態によって、修繕費用が大きく変わります。必要によっては専門家に建物を調査してもらうのも一つです。

また、新築のアパートであれば当面は修繕費用はかかりません。また、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で全ての新築住宅に対する10年の瑕疵担保期間が義務化されているので、その間に見つかった欠陥については原則、売主や施工会社が補修することとなっているので安心できます。

初心者の方は、新築アパートを選択するというのもリスク対策になります。

原因③:ローンが返済できずに失敗

収益物件の購入を、銀行などの金融機関からアパートローンなどの不動産投資ローン を利用して購入する方が多いかと思います。

その際、上記の経費や空室率を加味しない投資計画で物件を購入してしまうと、思わぬ空室が続いたときにローンの返済額が家賃収入を上回りキャッシュフローが赤字となってしまうことがあります。

利回りの高さで中古物件を買ったが、購入後すぐに大規模修繕が必要となり、出費がかさみ破綻…という失敗事例もききます。

MEMO
「ローン返済破綻」に対する対応策

アパートローンを利用する際には、事前に綿密な資金計画を立てておくことが重要です。
身の丈にあった投資額のローンであれば、すぐに返済不履行によるローン破綻となることはありません。

できるならば最初に自己資金をある程度投入して、家賃収入におけるローン返済比率をさげておくことができれば安心です。

ただ、予想外の出費等によって返済が厳しくなることもあります。

そういった時に備えて、半年程度はローン支払いができる程度の現金を手元に残しておくこと、また空室をうめるために、入居募集を広げる、設備をよくする、家賃を下げる といった大家ができる対処もあります。

返済がすすんでいる物件であれば、売却も有効な手段 となるでしょう。

それでもアパート経営がよい理由とは

アパート経営がよい理由

このようにアパート経営にはある程度の専門知識が必要であるとともに、知っておかなければならないリスク もあるため、ここまでの話を聞くとちょっと敬遠したくなる人もいることでしょう。
ただ、アパート経営はこれらの話を考慮した上でも、ほかの投資と比べて サラリーマンや初心者投資家におすすめな投資であることに変わりはありません。

それはなぜなのでしょうか。

ワンルームマンション投資のメリットデメリット

そもそもマンション経営とは、一般的には分譲マンションの1部屋を投資目的で購入して、それを賃貸物件として運用する経営手法でワンルームマンション投資 のことをいいます。
1棟を購入するアパート経営に比べて以下のような特徴があります。

メリット

  • 1部屋ごとに投資できるため、分散投資をしてリスク回避ができる
  • アパートに比べて設備が充実している
  • 頭金がなくてもフルローンが組みやすい

デメリット

  • 分散投資をすると、管理するのが大変
  • 建物の維持管理の方針は、管理組合の決定に従わなければならない
  • 修繕積立金や管理費などのランニングコストが高い

アパート経営は初心者投資家に向いている

ワンルームマンション投資の場合は、さまざまな分譲マンションを次々に購入していかなければならないため、1度にまとまった戸数が確保できるアパート経営に比べてその都度物件の選定をしなければならないため、それなりの知識や経験、そして時間が必要となります。

また、マンションの共用部分についてはほかの部屋の所有者と共有しているため、自分だけの一存で修繕することができませんが、アパートであれば自分の資金に余裕があるときに、好きなタイミングで施工することができるなど、維持管理面での自由度も非常に高くなります。
さらに、確定申告 をする際についても、アパート1棟であれば不動産所得の収支内訳書に記載する減価償却の計算が統一できるため、戸数が多くてもそこまで手間ではありません。

対してワンルームマンション投資の場合は、一部屋ごとに減価償却費を計算していかなければならないため、戸数が多くなってくると税理士などに依頼しないと厳しくなってくるでしょう。

まとめ

アパート経営はほかの株やFX投資のように、投資テクニックや高度な投資知識や経験は必要ありません。

ある程度のリスクはすでに洗い出されており、対策方法もさまざま議論されています。
それらを知らずに、アパートを購入をしてしまうと、リスク対策がとれていないため、失敗してしまうのです。

アパート経営のリスクをよく理解して、事前に対策が取れていれば失敗も回避しやすくなります。
これからアパートを購入する人や、すでに購入している人も、今回お話ししたような知識と、それをもとにした適切な対策を事前におこなっておくことができれば、投資初心者でも失敗しにくい投資となるでしょう。

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棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。行政書士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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