「既存不適格」物件で気を付けるべきポイント
インターネットで不動産情報を見ていると、物件概要や注意事項の欄に「既存不適格」と書いてある物件に出会うことがあります。
「既存不適格」とはどういった物件なのでしょうか。
また、「既存不適格」物件を取引する際に気を付けるべきポイントはどこなのでしょうか。
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「既存不適格」ってなに?
よく耳にする「既存不適格」という言葉は、意外かもしれませんが、建築基準法の中に出てくる言葉ではありません。
とはいうものの、国語辞典の意味をご紹介しても意味がございませんので…、
参考になりそうな条文等を探してみるとちょうど良いものがありました。
建築基準法 第3条第2項
少しわかりづらいでしょうか。言葉の表現を変えてみましょう。
要するに、「既存不適格」建築物は、「(建築時の規定には適合していたものの)新たな規定が適用となってしまった為、今は規定に不適合となってしまった」建築物というものがシンプルな表現でしょうか。
このように説明すると、次の言葉が返ってきそうです。
「要するに、違法(違反)建築物ですよね?」 → 違います!
「違法(違反)」建築物というのは、「そもそも建築時の規定に適合していない」建築物です。
私たち建築士からすると、この差は非常に大きいのです。
余談ですが…この表現については建築士、施工業者は非常に敏感です。
施主様へ責任をもって設計・施工をしている為、誤って使用されているケースをみると少し悲しくなります。
ただ誤用される方の気持ちもわかります。現行法に適合していないことには変わらないのも事実ですから。
「既存不適格」となる場合
少し脱線致しましたが…ではどのようなときに「既存不適格」となるのでしょう。
今回は建物の用途、規模、外形に関わる例を挙げてみます。
- 用途地域の変更
- 高さに関する制限の変更
- 建ぺい率、容積率、隣地間距離に関する制限の変更 ※地区計画、風致地区の指定を受ける場合もあります。
- 接道距離に関する規定の変更 ※条例等により路地上敷地、特殊建築物等の接道条件が変更となる場合もあります。
- 日影規制の適用 etc
建築基準法等の規定はほぼ毎年のように改正されます。だとすれば、世の中の大半の建築物はもしかしたら既存不適格であるという認識を持っても間違いではないかもしれません。
ちなみに「違法(違反)」建築物は以下の原因により、発生する場合があります。
※そもそも建築時に許可を受けていない建築物は論外です。
- 違法増改築により、建ぺい率、容積率、高さ制限を超過する。
- ロフトの天井を外し、天井高を高くする。
- 既存建築物のある敷地に、住宅・アパート等新築を計画。
敷地の分割時に、既存建築物が建ぺい率、容積率、高さ制限を超過する。
※既存建築物の敷地が減少することとなります。自宅の敷地にアパートを建てる際はご注意ください。
「再建築不可」
ここまで「既存不適格」、「違法(違反)」建築物とご説明してきましたが、中には「再建築不可」と呼ばれている物件もあります。
「再建築不可」の大半は接道条件を満たさないことが原因です。これにより解体後の建築ができません。
すべてが違法によるものではなく、建築基準法施行前の建物等、物件により違います。
※接道の条件のみならば、建築基準法第43条第2項第2号許可(改正前は法43条の但し書き/2m未満の接道でも許可が出る可能性のある自治体も有)の申請で解決する場合もあります。担当者に聞いてみても損はありません。
※参考資料:全国的には約2%も接道していない住戸があるといった統計があります。
「既存不適格」建築物で気を付けるべきポイント
再建築をする際、同用途・同規模が建築できないのは困ってしまいます。
以下の項目は購入前に気を付けて確認する必要があります。
- 高さ制限
- 用途地域(建ぺい率、容積率等)
- 地区計画・風致地区(建ぺい率、容積率、隣地間距離等)
- 条例(接道条件等)
- 建築基準法等の自治体の解釈 ※意外かもしれませんが、規定の解釈は変わっていきます。
販売図面(マイソク)片手に役所に直接聞いてみるのもいいでしょう。
「これと同じものは建ちますか?」
こんな聞き方をされたら役所の方も適当には答えられません。
ちなみに「既存不適格」建築物をリフォームするとどうなるのでしょうか。
増改築・大規模修繕・大規模模様替えの時は原則として現行規定に適合させなければいけません。
実は意外と大変なんです。
まとめ
東京都では、2018年10月に建物等に関する条例(東京都建築安全条例)が改正になりました。
今まで建築が比較的容易であった「長屋」の規制が変更となり、再建築時には同規模の長屋が建たなくなるかもしれません。
※全国的にも条例等にて、重層長屋の規制を強化することができるようになりました(2018年9月25日施行)。
変わりゆく規制の中で、悩んだ際にはまずは専門家へのご相談をおすすめします。
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