コラム

地方と都心でアパート経営…収入の差はどれくらい?

2018/07/30
地方と都心でアパート経営…収入の差はどれくらい?

アパート経営オーナーの収入とその内訳は、物件の種類や地域によって変わります。

そこで今回は、地方と都心のシミュレーションを比較しながら、どのような要素がアパート収入や税金、確定申告などに影響してくるのかについて見ていきたいと思います。

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1.地方と東京、アパート経営のシミュレーション比較

地方と東京、アパート経営のシミュレーション比較

地方と東京では、アパートからの収入やその仕組みに大きな違いがあります。
まずは地方のアパートのシミュレーションについて見ていきましょう。

1-1.地方のアパート経営シミュレーション

地方のアパートは、土地を安く仕入れることができるため、不動産会社の提示してくるシミュレーション上では比較的利回りが良くなる傾向があります。

【地方・新築アパート】
土地代 3,000万円
建築費 4,600万円
35年フルローン金額 7,600万円
金利 2.05%
総戸数8 戸ワンルーム
家賃 54,000円/戸

上記の新築アパートでシミュレーションを開始します。

満室時の月間家賃収入は54,000円×8戸=432,000円
年間の家賃収入は432,000円×12ヵ月=約518万円

これが単純計算した年間の収入で、ここから賃貸経営にかかる各種の経費が差し引かれることとなります。
ただ、シミュレーション上で細かな経費を予測しても、結局は現実とは一致しないため、今回は経費率を12%と見積もって59万円を計上します。
経費率はおおむね10%前後で見積もっておけば十分です。

あとはローンの返済額である返済利息と元金でおよそ306万円が手元から出ていくことになります。
したがって、簡易計算による年間キャッシュフローは以下のようになります。

518万円—59万円—306万円=153万円

では、同じ条件で都内のアパートでシミュレーションしてみましょう。

1-2.都内のアパート経営シミュレーション

【都内・新築アパート】
土地代 1億円
建築費 4,600万円
35年フルローン金額 1億4,600万円
金利 2.05%
総戸数8 戸ワンルーム
家賃75,000円/戸

満室時の家賃収入は以下のとおりです。

75,000円×8=600,000円
600,000円×12ヵ月=約720万円

このように、家賃収入だけで考えると、都内のアパートのほうが同じワンルームアパートだとしても高い家賃が取れるため、高収入を得ることができます。

次に支出について見ていきましょう。
こちらも同じように経費率12%で計算して86万円とします。
またローン返済額については、地方に比べて金額が高いため年間でおよそ584万円です。
したがって簡易計算によるキャッシュフローは次のようになります。

720万円—86万円—584万円=50万円

単純計算をすると購入金額が低いぶん、地方のアパートのほうが収入が多く見えますが、だからと言って一概に地方のアパート投資が良いとは言えません
なぜなら上記シミュレーションには「稼働率」が考慮されていないからです。

2.アパートの稼働率を考慮する

アパート経営の稼働率を考慮する

2-1.駅近くのメリット

稼働率とは、アパートの総戸数のうち、何部屋入居し稼働しているかを表しています。稼働率が高い物件として代表的なのが、駅近くの物件です。
駅から徒歩5分圏内のアパートは、空室になってもすぐに次の入居者が決まりやすいため、稼働率については、常に100%に近い数値を保つことができます。

ただ、地方の物件の場合は、主要な交通手段が電車ではなく車であるケースもあるため、一概に駅前の立地なら稼働率が高いとは言えなくなります。
その地域のなかで、とくに利便性の高い立地にアパートを建築することで高い稼働率を維持しやすくなるのです。

2-2.地方と都心の稼働率の違い

先ほどのシミュレーションでは、アパートは常に満室であることを前提として計算をしていました。
ですが、昨今では地方を中心に人口減少が始まっており、賃貸物件が供給過多の状況のため、総戸数8戸が常に満室である可能性は低くなります。

満室時を稼働率100%とすると、地方のアパートであれば新築だとしても95%くらいを想定しておくべきでしょう。
つまりは、年間収入を492万円とすることが適切です。
都心の場合は賃貸需要が地方よりは高いため、駅から近ければ新築時に稼働率100%で想定しても、そこまで大きなズレはないでしょう。

ただ、稼働率のポイントはここからです。

稼働率は新築時こそ比較的安定していますが、5年目、10年目と徐々に落ちていきます。
そして稼働率が下がる速度は、都心よりも地方のほうが早いのです。

もともと賃貸需要が限られている地方の場合、築15年以上が経過してくると稼働率は80%くらいに落ち込むことも少なくありません。
金額にすると414万円ほどの収入にまで下がるということです。
さらに、古くなればそれだけ家賃も下落していくため、実際はもっと家賃収入が減ることが予想されます。

このようにアパートの稼働率は、アパートの収入に非常に大きな影響を与えます。

3.サラリーマン大家ならではの節税メリット

アパートを経営するサラリーマン大家ならではの節税メリット

さて、ここまでは単純計算によるキャッシュフローで考えてきましたが、サラリーマン大家の場合はさらに考慮すべきポイントがあります。

それは「節税」です。

3-1.帳簿上の赤字を活かす

先ほどのシミュレーションでは、経費率とローン返済額による単純キャッシュフローだけで比較していましたが、税金計算上経費として計上できる項目は、次のとおりです。

・経費率
・減価償却費
・返済利息

一棟アパートの場合、価格が高額であることとと、木造の場合耐用年数が22年と鉄筋コンクリートマンションの47年に比べ約半分であるため、減価償却のスピードが速くなります。
つまり、減価償却費の金額が高額になるため、実際のキャッシュフローがプラスでも、帳簿上は赤字にすることができるのです。

そしてサラリーマンの場合は、この赤字分を自身の給与所得から相殺することができるのです。

3-2.サラリーマン大家の確定申告

アパート経営における赤字を給与所得から相殺することを「損益通算」といいます。
これにより、サラリーマンとしての所得を引き下げることができるため、会社で源泉徴収されていた税金が、確定申告をすることによって還付されるのです。
また、所得をもとに決定する住民税についても同じく節税になります。

このように、サラリーマンは給与所得という不動産所得とは別の所得があるため、アパート経営における帳簿上の赤字を給与所得と損益通算することで、効率的に節税することができるのです。

まとめ

アパート投資のシミュレーションをする際には、目先の収入やローン返済だけに注目しがちですが、アパート経営にかかる経費や、稼働率も考慮しておきましょう。

また、サラリーマンの場合は、損益通算による所得税や住民税の節税額もあわせて、ある程度キャッシュフローのシミュレーションに入れておくとよいでしょう。

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棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。行政書士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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