不動産投資コラム

不動産鑑定士の戸建て投資/リモートワーク部屋へ大改造編

不動産鑑定士堀田 直紀
不動産鑑定士の戸建て投資/リモートワーク部屋へ大改造編

「戸建て投資」シリーズ、第6話。
前回 は、リフォームの工程表と工事の経過、そして、玄関塀の塗装などDIYについてお話しました。

DIYの続きになりますが、今回は目玉である2階和室のリフォームについて紹介したいと思います。
2階和室

【1分で分かる!新築一棟投資の魅力とは?】東京圏・駅徒歩10分圏内の物件紹介はこちら

1.リフォームの内容

第2話(物件紹介編) でお話しました通り、この物件には和室が2部屋ありました。
個人的には和室は1部屋あれば十分と思っていたので、ここは洋室に変更しようと決めていました。
さらに、この部屋は、他の部屋と壁が接していない独立した部屋になっています。
仕事など作業をするには、音が気にならなくてちょうど良さそうです。

今回、畳や押入れの中段の撤去、天井や木枠の塗装、扉の設置については、他の部屋と同様、リフォーム会社の方にお願いしました。

ただ、この部屋だけ、がらっとテイストを変えてみようと思います。
「最も近い仕事場」をコンセプトとしつつ、生活と仕事の気分の切り替えができるように
リモートワークがあたり前になった昨今において、入居者へのアピールポイントになるのではとの思いつきです。

以前から面識のあった、DIYクリエーターの方にデザインプロデュースを相談して、引き受けていただけることになりました。
このクリエーターさんのアンティーク調の作品がとても素敵だと思っていましたので。

テーマは漆喰の素材を活かした「ナチュラル・アンティーク」。
リモートワークだけでなく、ワークスペースやアトリエなど多用途に対応できる、人気の白色を基調としたプランをご提案いただきました。
壁は白い漆喰、天井と木枠は白の塗装、床は木目調の厚手のクッションフロア貼りにします。

さらには押入れを改造して、ちょっとした小部屋にしていくというのも見どころです。
ここからは作業の模様と仕上がりをお伝えしていきます。

2.下塗り

今回、壁は全面を漆喰で塗っていきます。
ここで大事なのは、漆喰を塗る前のシーラー(下塗り)です。
もともとが砂壁なので、その上から直接、漆喰を塗ってしまうとアクが出てしまいます。
アクは元の壁が吸い込んでいた汚れが染み出てくるものです。
せっかく、白い壁を期待していたのに、黄色い染みが出てきてしまっては台無しです。

今回はシーラーを念入りに2回塗ることにしました。
使用したのは、その名も「アクドメール」
アク止め効果のほかに、下地補強の意味もあるようです。

「アクドメール」公式サイト

まず、木枠など漆喰を塗らないところは、マスキングテープで養生します。
1回目は、2倍に薄めた塗材をたっぷりとローラーに染み込ませて塗っていきます。
ぽたぽたと塗材が落ちてしまうので、床にも養生シートなど敷いたほうが良さそうです。
作業自体はすぐにできるようになったのですが、1人で全面を上から下まで塗るとなると結構な重労働でした。

説明書きには最低24時間の乾燥が必要とあったので、作業は2日に分けて行いました。
2回目は、原液を薄めずにムラなく丁寧に塗っていきます。あとで漆喰を塗って分かったことですが、結構、真剣に塗らないとアクは止められないということです。

3.漆喰塗り

漆喰シーラーの後はいよいよ漆喰です。
今回使用したのは、「漆喰うま~くヌレール」という商品です。
これもネーミングが分かりやすいですね。


「漆喰うま~くヌレール 公式サイト」

漆喰の作業は、クリエーターの方、2名の協力者の方、私の計4人で行いました。
はじめての作業だったので、教えてもらいながら、徐々に慣れていきました。
最初は全面に薄く塗って、乾いてきたらもう1度上から重ねていきます。
漆喰を均一に塗るのは難しいですが、真っ平にならなくても、それはそれで趣きがあって面白さを感じます。
この作業は下塗りとちがって、壁に変化があらわれてくるので楽しかったです。

①漆喰は左官コテで、滑らかになるまでよく混ぜる。
②漆喰をコテにのせて、弧を描くように塗っていく。
③木枠との境はコテを垂直に壁に押し当ててから、ズラしていくと隅の方まで漆喰が入る。

作業は3~4時間くらいかかりましたが、部屋が見違えるように白く明るくなりました。
(実際には、部分的にアクが出ている箇所があったので、別日にもう一度、漆喰の重ね塗りをしました。)

4.ワークスペースと家具の製作

ワークスペース(旧押入れ)の壁は、アクセントとなるように薄い水色のクロス貼り。
机や稼働棚はクリエーターの方に製作いただきました。
塗装及び加工して仕上げられた机と棚は、部屋の色合いと相性抜群です。
このスペースは小物を並べたり、PCを置いて仕事をしたり、いろいろなシーンに使えそうです。

他の賃貸物件と差別化できるインパクトのある部屋に仕上がりました。
入居者募集の掲載をするときの心強いアピールポイントなりそうです。
こちらがアフターの写真になります。

和室リフォームアフター

今回は、和室→リモートワーク部屋への大改造をお伝えしました。
そろそろ全体のリフォームも大詰めです。引き続き、次回もご覧いただければ幸いです。

【今回の登場人物】
<DIYクリエーター>ワゴンクリエイティブワークス chikoさん

東京に仕事を求めてやってくる単身者増加中…不動産投資は、立地で決まる

堀田 直紀

不動産鑑定士・宅地建物取引士

堀田 直紀

不動産鑑定士・宅地建物取引士

不動産鑑定士試験合格後、民間最大手の大和不動産鑑定株式会社にて約11年間、収益物件をはじめとした鑑定評価業務に従事。平成29年10月、ミッドポイント不動産鑑定株式会社を設立。

記事一覧