不動産投資コラム

民泊の清掃は代行を利用?内容と費用の相場とは

行政書士棚田 健大郎
民泊の清掃は代行を利用?内容と費用の相場とは

この連載で民泊の運用代行サービスについてお話ししましたが、その中でも非常に需要が高いといわれているのが、清掃代行サービスです。

清掃代行会社の料金設定は、通常の賃貸物件とはちょっと違うため、相場についてあらかじめ知っておく必要があります。

民泊投資における清掃代行の詳細と料金相場、その他清掃代行会社を利用する際のポイントなどについて、2回に分けて解説します。

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民泊の清掃代行とは

民泊投資をするにあたり、とても重要な要素となるのが「室内清掃(ハウスクリーニング)」です。

通常の賃貸経営をしている大家さんであれば、掃除に入るタイミングは数年に1度というペースですが、民泊投資になると毎週のように利用者が入れ替わるため、その都度掃除をしなければなりません。

また、民泊新法に基づいて民泊投資をする場合については、自宅の一部を民泊として運用しているようなホームステイ型でなければ、民泊管理会社の清掃代行を利用する必要があります。

清掃は民泊投資の要

民泊投資で稼働率を上げて利益を増やしていくためには、Airbnbなど民泊仲介サイトのレビュー(クチコミ)がとても重要になります。

レビュー

民泊レビューの中で、室内の清掃状態、清潔感はユーザーに与える印象がとても強く、清掃が行き届いていないと評価されると、稼働率が落ちてしまうのです。

みなさんもホテルや旅館に宿泊したことがあると思いますが、ホコリが溜まっていたり、水垢がきちんと拭き取れていないようなところには、二度と宿泊したくないと思うでしょう。
民泊も全く同じです。
ホテルや旅館の場合は、スタッフ教育の問題となりますが、民泊の場合はどこの会社に清掃代行を依頼するのかによって、利益に直結して影響してくるので慎重に選定しましょう。

対応サービスとそれぞれの相場について

民泊の清掃代行については、会社によってサービス内容や料金体系が異なりますが、ここではよくある料金パターンについてご紹介します。

清掃代行の基本的なサービス内容

清掃代行を依頼すると、概ね以下のような業務がサービス内容に含まれています。

  • クリーニング業務(リビング、キッチン、寝室、トイレ、洗面所、バスルーム)
  • 清掃完了報告
  • 忘れ物チェックおよび保管サービス
  • 消耗品のチェックなど

このように、クリーニングについては全体について対応してくれます。

清掃代行の料金相場

上記のようなサービス内容だった場合、清掃代行の料金については、1回の掃除あたり3,000円~5,000円が相場です。

料金体系については、宿泊するゲストの人数に比例して金額が上がるタイプと、室内の床面積に応じて金額が上がるタイプがあります。

【ゲスト人数の場合の相場】
~2名:3,000円程度
3~4名:4,000円程度
4~8名:5,000円程度
8~13名以上:7,000円程度

【床面積の場合の相場】
~25㎡:4,000円程度
25~40㎡:6,000円程度
40~60㎡:8,000円程度

追加料金がかかるサービスについて

基本的なクリーニング業務だけであれば、基本サービス料金のみで対応してもらえますが、以下のようなサービスについては、別料金となる可能性があります。

リネン類について

リネン

清掃代行の中には、ベッドシーツや枕カバーの交換などが含まれている場合と別料金の場合があるため確認が必要です。ベッド数が多くなると追加で料金がかかる清掃代行会社もあります。

多人数のゲストを想定して民泊投資をする場合については、ベッド数に応じて清掃代行料金が上がる可能性がありますので注意しましょう。

そのほかにもタオルやバスタオル、毛布、タオルケットなどの洗濯を依頼する場合は、別途料金がかかるため、室内の備品として設置するかどうかも含め検討が必要です。

基本料金の20~30%前後が、リネン関係の洗濯などにかかる費用の相場となります

リネンのリース

リネン関係については、清掃代行会社とリース契約することも可能です。自ら設置して洗濯を依頼するタイプよりも少し金額が上がり、30~40%程度が相場となります。

ゴミ処理費用

民泊で発生したゴミについては、そのまま公共のゴミ捨て場に捨てることができないため、別途回収を業者に依頼する必要があります。清掃代行会社に依頼した場合は、通常料金に10~20%程度金額が上乗せされるようです。

消耗品補充

室内に設置する以下のような消耗品について、無くなり次第随時補充する場合、別途料金が必要となります。

  • ティッシュボックス
  • トイレットペーパー
  • 洗濯用洗剤
  • 食器洗用洗剤
  • 食器スポンジ
  • 洗顔剤
  • シャンプー
  • リンス
  • ボディーソープ
  • 歯ブラシ
  • ボディスポンジ

対象となる消耗品は清掃代行会社によって異なりますが、月額1万円程度で消耗品の随時交換を依頼できます。

特別清掃料金

民泊の清掃は、賃貸物件の原状回復として行う清掃業務とは違い、日常生活で行うレベルの簡易的な掃除にとどまるため、室内の汚れが激しい場合については、別途料金を請求される可能性があります。

例えば、以下のようなケースでは、別途料金がかかる可能性が高いでしょう。

  • 室内で嘔吐した痕跡がある場合
  • トイレをつまらせた場合
  • その他排泄物等の汚れが激しい場合
  • ゲストが一切ゴミの片付けをしていない場合

このようなことがあると、民泊運営の経費がかさんでしまうので、室内に据え置くマニュアルなどに、注意事項として記載しておくことをおすすめします。

すべてのオプションをつけると、基本料金を大きく超えてきますが、ほとんどの項目がオプション契約したほうがいいサービスです。事前にキャッシュフローをシミュレーションする際には、オプション料金も含めて計算したほうがよいでしょう。

まとめ

前半は民泊清掃代行のサービス内容と料金設定を中心に解説してきました。
ポイントは以下のとおりです。

  • 清掃状態は「レビュー(評価)」に与える影響が大きいため重要である
  • 清掃代行は「ゲスト数」または「床面積」「ベッド数」などに比例して料金が上がる
  • 便利な「オプションサービス」が多い

次回は、清掃代行を利用する際の注意点や、利益向上に繋がるアイディアなどについて解説したいと思います。

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棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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