不動産投資コラム

民泊代行サービスの種類と費用対効果について

2019/05/09
行政書士棚田 健大郎
民泊代行サービスの種類と費用対効果について

民泊はサイドビジネス(副業)としても注目されているため、本業が別にある人でも支障なく営業ができるよう、さまざまな代行サービスがあります。

手間をかけずに安定的に民泊を運営していくためには、代行サービスを上手に活用していくことがとても重要です。

ここでは、民泊運営に利用できる代行サービスの種類と、メリット、デメリットなどについて解説したいと思います。

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全てお任せのフル代行サービス

手っ取り早く民泊投資をしてみたいという方は、民泊に関するほぼ全ての業務を委託できるフル代行サービスがあります。

フル代行サービスとは
サービス内容については、会社によって異なりますが、主に次のような幅広い代行サービスを利用できます。

  • 民泊営業の許認可・届出代行
  • 家具家電の設置
  • ハウスマニュアルの作成(複数言語に対応)
  • 宿泊者募集(リスティング用写真撮影およびページ作成)
  • 予約対応
  • チェックイン、チェックアウトなど鍵の受け渡し
  • 室内清掃
  • トラブル対応窓口

フル代行サービスを利用すると、投資家としてすることはほとんどなく、一定の費用を負担するだけで、後の運営はすべてプロである代行会社に任せることができます。

ただし、費用については部分的に代行サービスを利用する場合に比べると、割高になる点には注意が必要です。相場としては、概ね売り上げの20~30%程度となるため、ある程度の稼働率が見込めて、利回りに余裕がある物件でなければ、利益率が悪くなってしまう可能性があります。

そこで、経費を削減して収益を上げるためには、民泊の運営業務の中でも、比較的手間がかかりやすい以下の業務の中から、部分的に代行サービスを利用することもおすすめです。

メール代行サービス

日本でも民泊が徐々に浸透してきていますが、それでも民泊利用者の大半は外国人旅行者のため、Airbnbなどの民泊仲介サイトを通しての問い合わせ対応については、原則として外国語が必須となります。

簡単な内容であれば、グーグル翻訳などでもなんとかなりますが、微妙なニュアンスなどについては、間違って伝わってしまうとトラブルの原因となりますので、英語などに自信がない人は、メール代行サービスを利用するとよいでしょう。

メール代行会社の選び方

メール代行会社を選ぶ際には、次の3点を基準に選定するとよいでしょう。

対応時間

メール代行会社によって、メールの返信対応ができる対応時間に違いがあります。
海外からの問い合わせに対して、素早く回答することが、稼働率をよくするポイントなので、できれば24時間対応している会社を選ぶとよいでしょう。

対応言語

対応している言語(英語、中国語、韓国語、イタリア語、フランス語など)についても、会社によって違いがあります。

できる限り多い方がよいですが、その分費用も高くなるので、地域的な客層も考えて、ターゲットとする旅行者の多い言語をある程度絞り込むとよいでしょう。

手数料

メール代行手数料については、毎月固定料金か、成果報酬型に分かれます。
固定料金の場合は、毎月1~2万円程度、成果報酬型の場合は、売り上げの5~10%くらいが相場なので、ある程度の稼働率を見込んでいる場合は固定料金を選んだ方がよいでしょう。

鍵受け渡し代行サービス

民泊代行 鍵の受け渡し
民泊運営において最も注意しなければならないタイミングが、鍵の受け渡しです。
ホテルや旅館とは違い、民泊にはフロントがないため、鍵の受け渡し方法が一番の課題となります。

鍵の受け渡し代行サービスを利用すれば、チェックインのタイミングに合わせて現地に鍵を持参して受け渡してくれるため、とても安心です。

鍵受け渡し代行サービスのメリット

鍵受け渡し代行サービスを利用すれば、本人確認をした上で鍵の受け渡しができるため、他人に勝手に使用されるリスクを回避できます。
また、現地に鍵を設置して写真などで本人確認をすることもできますが、直接の受け渡しの方がやはり確実です。

また、チェックイン時は鍵の紛失などによるトラブルが多いので、立ち会って鍵を渡してもらうことで、不要な問い合わせなども回避することができます

スマートロックとの比較

最近では、鍵ではなくドアに暗証番号で開閉する電子錠であるスマートロックを設置するケースも増えています。
スマートロックであれば、暗証番号を教えるだけで入室できるので、鍵の受け渡しという作業自体が不要です。

鍵受け渡し代行サービスの相場は、月額1,000~3,000円、1回500円程度と比較的割安なので、双方を比較して検討するとよいでしょう。

清掃代行サービス

民泊の清掃代行サービス
民泊を運営していく上で、自力ではどうしても難しい部分がチェックアウト後の清掃業務です。

賃貸物件のように、年単位で居住してくれれば、ある程度自分自身で掃除することも可能ですが、民泊の場合は毎月何回も清掃業務が発生するため、基本的には代行会社に依頼することを念頭に置くことをおすすめします。

清掃代行サービスについては、民泊のポイントでありとても重要なので、詳しくは別記事で解説したいと思います。

自分にとって必要な代行サービスとは?

以上が、民泊代行サービスの主な種類と特徴です。
どのサービスを利用するかによって、収益にも影響が出てきますので、自分にとって必要なサービスを見極めることがとても重要でしょう。

次回は、自分で民泊営業する際の注意点や一部代行するメリット、デメリットについて解説したいと思います。

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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