不動産投資コラム

民泊の物件探しから立ち上げ、運営のはじめ方

2019/05/10
行政書士棚田 健大郎
民泊の物件探しから立ち上げ、運営のはじめ方

民泊の運営は、①すべて代行に任せる、②運用の一部は代行会社に任せる、③代行サービスを使わずすべて自分で運用するというように、大きく分けて3つの選択肢があります。

この連載では、これから民泊投資を始めてみたいという方のために、民泊の立ち上げ方から、各種代行サービス費用の目安やメリット・デメリットについてご紹介します。

どの方法がご自身に合っているか、これを読んで考えてみてはいかがでしょうか。

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民泊の立ち上げ・運営の業務とは

民泊を立ち上げるためには、まず民泊投資の対象となる物件を調達する必要があります。民泊物件の調達方法には、大きく分けて2通りの方法があります。

購入方式

民泊用の賃貸物件を自ら購入する方式です。
初期コストはかかりますが、区分マンションであれば会社員の方でもローンで購入できるため、そこまでハードルは高くありません。

また、室内の模様替えや改装工事も、原則として自由にできることから、自分の理想とする民泊物件を作り上げることが可能です。

賃貸方式

一般の賃貸物件を大家さんから借りて、その部屋を転貸(又貸し)することで民泊運営をします。いつでも解約できるため、採算が合わなければすぐに撤退することができますが、そもそも民泊目的で貸してくれる大家さんが少ない点が難点です。

また、元に戻せないような模様替えや改装工事も原則としてできないので、自由度としては低くなります。

物件探しのポイント

民泊ができる物件を調達する際には、必ず民泊営業が禁止されていない物件かどうかを事前に確認することが最大のポイントです。

というのも、現状のところ民泊新法など民泊に関する法整備はどんどん進んでいるものの、不動産市場においては「民泊=問題が起こる」というイメージが強いため、民泊営業が禁止されている物件が多いのです。

特に、民泊営業に適している都心部の区分マンションについては、民泊新法の施行に間に合わせるように、マンションの管理規約で民泊を禁止する規約改正を行っているケースが多いので、十分注意しましょう。

民泊の届出

民泊の届出

物件を調達したら、合法的に民泊営業を行うためにも、自治体への届出を行います。
民泊を合法的に営業するためには、次の3つの方法があり、それぞれ手続きが異なります。

旅館業法による簡易宿所

一番基準が厳しく、許可制のため、申請をしても許可が下りるかどうかはやってみなければわかりません。
営業日数制限がない点はメリットですが、基準を満たすことが難しいため、区分マンションなどで初めて民泊をする方にはハードルが高いと言えます。

特区民泊

経済特区で条例が制定されている場合に利用できる民泊制度です。
要件などは自治体の条例によって異なります。旅館業法よりも要件は緩和されていますが、利用できる地域が限定される点に注意が必要です。

民泊新法

昨年の2018年に施行された、住宅宿泊事業法による民泊です。
民泊全面解禁などと言われただけあって、要件は非常に緩やかで、しかも許可制ではなく届出制なので、原則として要件を満たしていれば受理されます。

ただし、年間180日という営業日数制限があることが最大の課題です。

インテリアコーディネート

民泊の手続きが無事終わったら、室内の家具などインテリアを整えていきます。

どのようなインテリアにするのかが、民泊営業の重要なポイントです。
最近の民泊物件の場合、インテリアの傾向は次の二極化しつつあるように感じます。

友人同士の旅行向け

友人同士の旅行向け 民泊のインテリア
多人数で民泊を借りて、宿泊費を安くあげることを目的としている客層を取り込む場合、インテリアのポイントは「ベッド数」です。

通常の賃貸物件の場合は、部屋探しにおいて間取りがとても重要視されますが、民泊の場合は間取りよりもベッド数の方が重要だったりします。

「ベッド数=宿泊可能人数」となるため、二段ベッドやソファーベッド、敷布団などを配置して、できる限り多くの人数が宿泊できるようにすることで、予約が入りやすくなるのです。

ただし、民泊新法では宿泊者1人当たり3.3㎡以上の床面積が必要になりますので注意しましょう。

家族旅行向け

家族旅行向け 民泊インテリア
家族旅行の客層を取り込みたい場合は、ベッド数よりも室内の機能性が重要視されます。

例えば、小さな子供連れを想定して、折りたたみ式のベビーベッドを備え付けたり、子供用の布団や食器、椅子などがあるととても喜ばれます。

ベッドをたくさん設置してしまうと、狭く感じるため、できる限り広く見える空間を演出することが重要になります。

このように、どちらの客層を意識するのかによって、室内のインテリアは大きく異なってきます。自分自身のこだわりもとても大切ですが、その前に客層を予想して、それにあったインテリアを配置することが最も重要です。

リースの相場

民泊物件に設置する家具家電などのインテリアについては、外国人旅行者を意識した民泊専門のレンタル会社からリースすることも可能です。
リースを利用すれば、ランニングコストはかかるものの、初期投資としてかかる費用を抑えることができます。

外国人向けの家具が一通りセットになっているため、コーディネートが苦手な方にとってはとても便利です。
また、リース会社が家具のセッティングについても行ってくれるため、簡単に民泊営業が開始できる状態を整えることができます。

ここまでが、民泊を立ち上げるまでの基本的な流れです。
ポイントをまとめてみました。

ポイント1:民泊投資は「購入方式」と「賃貸方式」どちらでも可能
ポイント2:旅館業法、特区民泊、民泊新法の3つの方法がある
ポイント3:インテリアはターゲットに合わせたコーディネートが重要
ポイント4:民泊専門の家具家電レンタルも可能

次回 は、実際に民泊を運営していく際に利用できる、代行サービスの種類やメリット、デメリットについて解説していきたいと思います。

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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