不動産投資コラム

ファミリータイプ物件が不動産投資に向かない理由

2020/03/12
行政書士棚田 健大郎
ファミリータイプ物件が不動産投資に向かない理由

不動産投資にも様々な選択肢がありますが、ファミリータイプの資物件にはどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。

今回は、単身者向けの物件とファミリータイプを比較しながら、違いや特徴について全2回に分けてご紹介します。

自分に向いているのはどういう物件なのか、考えてみましょう。

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ファミリータイプの物件とは

ファミリータイプの物件とは、単身者向けの物件の対義語として使われていますが、具体的にいうと概ね家族3人以上で暮らせる仕様の賃貸住宅のことをいいます。

ワンルームが主体の単身者向けとは違い、ファミリータイプの場合は家族の共有スペースであるリビング、寝室、子供部屋などが必要になるため、間取りにすると2〜3LDK、広さにすると50㎡以上くらいが目安です。

設備の特徴

ファミリータイプは単身者向けと比較すると床面積が広くなることと、複数人で居住することから、設備についても次のような特徴があります。

キッチン

キッチングリル
単身者向けのキッチンは、コンロ1口か多くて2口で、シンクも狭くシンクとコンロの間にまな板を設置するスペースがないほど小さいケースもよくあります。

ファミリータイプのキッチンは、家族の人数分の食事を調理するスペースが必要になるため、コンロも2~4口のグリル付きでシンクサイズも大きく、調理台のスペースも広くなる点が特徴です。

また、リビングの床面積が広ければ、対面式のカウンターキッチンやアイランドキッチンになっている物件もあり、女性を中心に人気があります。

バスルーム

バスルーム

単身者向けのバスルームの多くは、1216サイズ(120cm×160cm)または、1317(130cm×170cm)サイズの小さめなタイプが採用されているケースが一般的です。

また、床面積が20㎡を下回るワンルームですと、バスルームとトイレが一体となった3点式ユニットバスの場合もあります。

ファミリータイプのバスルームは、子供と一緒にお風呂に入ることも想定しているため、1416サイズ(140cm×160cm)〜1620(160cm×200cm)サイズくらいの大き目なバスルームが特徴です。1坪〜1.25坪ほどの広さになるため、洗い場も広くなります。

さらに、足し湯や追焚き、浴室換気乾燥機、ミストサウナなど多機能を兼ね備えたバスルームが採用されているケースも多い傾向です。

立地の違い

単身者向けの物件については、基本的に駅近を中心に物件を企画建築するため、必然的に駅から徒歩5~10分圏内の物件が多くなります。

一方で、ファミリータイプの物件については、駅前に建てようとするとかなりの敷地面積が必要になり、用地が確保できなかったり、採算が合わなくなったりするケースが多いため、駅から徒歩10分以上の遠い物件が多い傾向です。駐車場のニーズもあります。

単身者のターゲットは学生や会社員のため、駅からの距離だけに需要がフォーカスされやすいのに対し、ファミリータイプの場合は子供のニーズも重要になってくるため、駅からの距離が遠かったとしても、幼稚園や保育園、小学校、中学校、高校、公園といった施設への距離も踏まえて、総合的に判断される傾向があります。

ファミリータイプ投資のメリット・デメリット

ファミリータイプ投資をした場合、具体的にどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

メリット:入居期間が長い

入居期間が長い

不動産投資で安定した収益を上げていくためには、賃借人の入居期間がとても大きく影響します。

賃貸物件については、入退室の度に最低限の原状回復工事と、仲介業者に支払う広告料等が発生するため、入居期間が短くなればなるほど経費が嵩み、利回りを圧迫してしまうのです。

かつては、引越しというと単身者でも数十万円単位の初期費用がかかっていたため、2年以内に引越すケースは少なかったのですが、賃貸物件が供給過多である昨今では、「敷金礼金ゼロゼロ物件」が出てきたこともあり、1年も住まないうちに退去してしまうケースも増えてきています。

そんな中、ファミリータイプの物件については、単身者よりも慎重に部屋探しをする傾向が強く、また子供の進学などの問題もあり、入居期間が長くなる傾向にあります。

入居期間が長くなればなるほど、賃貸経営にかかる経費は少なくなり、また空室リスクも回避できるため、不動産投資において非常に大きなメリットといえるでしょう。

後編 では、ファミリータイプのデメリットや、単身者向けとファミリータイプどちらが不動産投資に向いているのかについて解説します。

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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