不動産投資コラム

団体信用生命保険は不動産投資ローンで入るべき?

2018/11/09
団体信用生命保険は不動産投資ローンで入るべき?

前回は団体信用生命保険の基本についてお話ししました。
後編となる今回は不動産投資ローンを借りるときの団信について、詳しく解説いたします。

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不動産投資ローンでは必須?任意?

団信への加入は、金融機関から強制されることもあれば、任意の場合もあるため、ローンを組む際に担当者に確認したほうがよいでしょう。
これは、住宅ローンでも不動産投資ローンでも考え方は同じになります。

ただ、万が一の時に債務者がローンを返済できなくなって一番困るのは「金融機関」のため、金融機関としてはできる限り団信に加入して欲しいと考えるのが通常です。

そのため一般的には、団信の保険料を金融機関が負担する代わりに、団信への加入を借り入れの条件とするケースが多いようです。

ちなみに、団信に加入しなかった場合については、団信分の金利が控除されて、ローン金利が下がる形となります。

不動産投資ローンのメリット/デメリット

団信の基本的な仕組みについては、お分かりいただけたかと思います。
では、不動産投資で物件を購入する場合、団信には加入した方がよいのでしょうか。

ここでは、団信に加入した場合のメリット、デメリットについて比較してみたいと思います。

不動産投資で団信に加入した場合のメリット

不動産投資ローンの返済中に死亡した場合、団信に加入していればローンが完済されるため、ローンがないアパートなど収益物件を家族に残すことができます

また、アパートなどから生じる家賃については、今後の家族の生活費などとしても役立てることができますし、アパートを売却して得た現金を死亡保険金代わりに受け取るということも可能です。

不動産投資で団信に加入した場合のデメリット

本人が死亡して相続が発生した場合、注意しなければならないのが「相続税」です。

相続税の課税対象となるのは、簡単にいうと「プラスの財産」から「マイナスの財産」を差し引いた残りであるため、資産が多い人については、マイナスの財産を使って相続税を節税することが重要になってきます。

団信に加入していると、通常はマイナスの財産として控除できるローン残高が、団信の適用によってゼロになってしまうため、相続税が割高になってしまう恐れがあるのです。

具体例で考えよう

評価額1億円のアパートで、ローン残高8,000万円の時に死亡した場合、ほかの財産を無視すると、相続税の課税対象となる金額は次のように変化します。

団信に加入している場合:1億円(8,000万円のローン残高が消えるため)
団信に加入していない場合:1億円-8,000万円=2,000万円

このように、団信に加入している場合、ローン残高はマイナスの財産として控除できないため、ローン残高次第では相続税にかなりの影響が出る可能性があります。

そのため、資産が多く、多額の相続税が課税される可能性がある方や、アパートの収益性がよく、団信がなくても賃料収入でローン完済ができそうな場合については、不動産投資で団信に加入する前に、一度税理士などの専門家に相談して、生前贈与なども含めて検討することをおすすめします

不動産投資ローンには団体信用生命保険つけたほうがいい?

不動産投資ローンには団体信用生命保険つけたほうがいい
団信に加入することで、金融機関の貸倒れが防止できるのはもちろんですが、加入者やその家族についても、ローン残債の返済を免れるため、先ほどの相続税の部分で心配がなければ、できる限り加入したほうがよいでしょう。

では、団信ではなく、通常の生命保険に加入して、団信を外すという選択肢はどうなのでしょうか。

団信の代わりに、通常の生命保険に加入するメリット

団信ではなく、通常の生命保険に加入した場合、団信とは違い、保険金の受取人や保険金の金額などについても自由に設定ができるため、団信の保険料と同等程度で、ローン残高以上の保険金額で加入できるのであれば、団信よりもメリットがある可能性があります。

また、通常の生命保険であれば、解約した場合の「解約返戻金」や「満期保険金」などの払い戻しが受けられますが、団信の場合は自力でローンを完済したとしても、なんの払い戻しもありません(繰り上げ完済した場合は、未経過分に相当する保険料が払い戻される場合があります)。

よって、貯蓄性という部分については、通常の生命保険のほうが有利といえるでしょう。

団信の代わりに、通常の生命保険に加入するデメリット

団信に加入した場合、団信の保険料については金利に含まれるため、不動産投資の「経費」として計上することで、不動産所得を引き下げて「節税」に役立てることができます。

ところが、団信の代わりに生命保険に加入した場合については、生命保険料が不動産投資の経費として認められない可能性があるため注意が必要です。

生命保険の保険料が不動産投資の経費として認められるためには、次の要件を満たさなければなりません。

1.生命保険契約が、ローンの条件である
2.生命保険の保険金の受取人が、ローンを組んでいる金融機関に指定されていること

不動産投資において、経費にできるかどうかは、節税に影響してくる非常に大きな問題ですので、団信の代わりに生命保険に加入する場合は、上記要件について十分注意しましょう。

おわりに

今回は、ローンを組む際の団体信用生命保険について解説してみました。

団信はいざという時に債務者と金融機関を救済してくれる、非常に重要な保険ですが、条件によっては、通常の生命保険に加入したほうが、メリットが大きいケースもあります。

ローンを組んで不動産投資をしている場合は、自分に万が一のことがあった時を想定して、家族のためにも、団信か生命保険には加入を検討しましょう。

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棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。行政書士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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