手付金を放棄し売買契約を解除した場合、違約金は発生する?
気に入った物件が見つかったので、これから売買契約を結ぶ予定です。
そこで質問ですが、万が一契約した後にキャンセルしたくなった場合は、手付金が戻らないと聞いたのですが、別途違約金などは請求されるのでしょうか?
手付解除の期限が過ぎた後に売買契約を解除する場合は「違約金」が発生します。
売買契約を締結する際に支払う「手付金」については、契約内容によって性質が異なりますが、特段の取り決めがなければ「解約手付」という扱いになります。
解約手付けについては、買主、売主それぞれ次のようにして売買契約を解除することができます。
売主:既に受け取った手付金の倍額を買主に支払うこと(手付け倍返し)
このように、手付金によって売買契約を解除することを「手付解除」といいます。
手付解除ができる期限
手付解除によって契約を解除できるのは「相手方が履行に着手するまで」という期限が規定されています。
履行に着手するまでとは、具体的にいうと、中間金を支払ったり、引き渡しに向けてリフォーム工事に着手したり、といったことです。
ただ、実際に手付解除しなければならないような状況が発生すると、多くの場合で「履行に着手しているのかどうか」という点について相手方と争いになる可能性があります。
そこで、不動産会社によっては売買契約書に手付解除ができる期日である「手付解除期日」を設定し、手付解除ができる日付を限定していることがあります。
期間としては、売買契約の締結から1~2週間程度とするのが一般的ですが、あくまで双方合意の上で日付を設定するのが原則です。
期限を過ぎると違約金が発生する
手付解除の期限が過ぎた後に、何らかの事情で売買契約を解除する場合は、売買契約書に記載されている「違約金」が発生します。
違約金の金額については、あらかじめ売買契約書で「売買代金の20%相当額」といった形で取り決めしておくケースが一般的です。
売主・買主は、その相手方が本契約にかかる債務の履行を怠ったとき、その相手方に対し、書面により債務の履行を催告した上で、本契約を解除して売買代金の20%相当額の違約金の支払を請求することができます。
なお、違約金に関し、現に生じた損害額の多寡を問わず、相手方に違約金の増減を請求することはできません。
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回答者棚田 健大郎
行政書士・マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・敷金診断士・ファイナンシャルプランナー