不動産投資コラム

副業解禁元年となった2018年。何が変わったのか

副業解禁元年となった2018年。何が変わったのか

政府の進める働き方改革の実行計画の1つとして、「副業解禁」を推進する動きがあり、ついに「副業解禁元年」となった2018年。

2014年に行った中小企業庁の調査によれば、企業の85.3%が副業を認めていないという状況の中、今回の改革はサラリーマンや公務員にどのような影響があるのでしょうか。

また、不動産投資をする上でのメリットはあるのでしょうか。

そこで今回は、全3回に分けて副業解禁がもたらす影響やメリットなどについて詳しく解説します。

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なにを以て「副業解禁」なの?

巷では、法改正によって副業が解禁になったと認識している人も多いようですが、そもそもなにを以て副業解禁なのでしょうか。

「モデル就業規則」改訂の詳細に迫る

今回改訂されたのは、厚生労働省が発表している「モデル就業規則」です。

そもそも就業規則とは、常時10人以上の従業員を雇用する事業者については、労働基準法の定めるところにより、就業規則を作成して所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないと規定されています。

就業規則は会社の内規を定めた、会社内部の法律のようなもので、主な記載事項については次のとおりです。

  • 服務規律
  • 労働時間や休憩について
  • 勤務管理
  • 採用
  • 異動
  • 解雇、退職
  • 休職、復職
  • 懲戒
  • 給与規定

モデル就業規則には、これらの中の1つの要素として「副業」に関する規定についてこれまで次のように定めていました。

「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」

要するに厚生労働省としては、これまで許可なく副業をすることを原則として禁止する姿勢だったのです。

ところが、この度の働き方改革の一環として、この原則論をひっくり返して次のような主旨に改訂がされました。

「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」

このように原則として、勤務時間外であれば副業をしてもいいですよ、という副業推進姿勢に方向転換したのです。

副業をする場合の条件について

副業の条件
今回改訂されたモデル就業規則については、副業を無条件に許可したわけではなく、以下のような制限を設けています。

「労働者は、副業するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行う」

また、以下のような場合については、会社は従業員が副業することを禁止したり制限することができるとしています。

① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業に当たる場合

このように、あくまで本業の支障にならない範囲ということが、副業をする際の条件となるのです。

モデル就業規則の改訂で、大手企業はどう対応した?

モデル就業規則については、あくまで就業規則を作成する際のいわば「見本」のような位置づけなので、必ずしもモデル就業規則の定め通りに規定する必要はありません。

ですから、今回のモデル就業規則の改訂によって、就業規則の策定が必要な全ての企業において、副業が解禁になったわけではないため注意が必要です。

副業が解禁となるのは、あくまでモデル就業規則に従って、自社の就業規則を改訂した企業に限られます。

ただ、政府の方針が転換したことで、ソフトバンクやヤフーといった大手企業についても、モデル就業規則の改訂に先立って副業を許可しているため、今後も自主的に副業解禁となる企業は増えてくるでしょう。

副業解禁する企業側のメリットとは

副業解禁メリット
大手企業がモデル就業規則の改訂にともなって、副業解禁に踏み切っているのには、一定のメリットを見出しているからです。

例えば、モデル就業規則が改訂されるかなり以前から副業解禁に踏み切っているサイボウズでは「採用コストや社員の教育コストを考えると、副業解禁によって社員が定着してくれるため、膨大なコスト削減につながる」と社長がコメントしています。

ほかにも、副業を通じてビジネスセンスを学べるなど、社員のスキルアップの1つの手段として副業を許可している会社もあるなど、副業をポジティブに捉えている企業が増えているようです。

就業規則に副業禁止と書かれていたら、副業はだめなのか

このように、副業解禁の風潮が強くなってきてはいますが、現状でモデル就業規則とは違い、副業禁止の就業規則を運用している企業については、依然として副業はできません

副業禁止の規則を破って会社にバレた場合については、懲戒扱いとなる可能性もあるため注意が必要です。

また、副業に関する規定については、就業規則に必ず記載しなければならない事項ではないため、会社によっては副業についての規定がないこともあります。

そのような場合については、副業をしても問題ない可能性がありますが、会社側とのトラブルを避けるためにも、事前に会社に対して確認した方がよいでしょう。

副業は会社にバレるのか

副業バレる
ちなみに、「会社に言わなければ副業をしていることをバレずにすむのではないか」と考える方もいるかと思いますが、結論から言うと最終的には会社に対して副業はバレます

副業をするということは、その分だけ個人の所得が増えることになります。

会社員の場合、住民税が給与から天引きされているかと思いますが、副業をして所得が増えると、翌年の住民税が値上がりするため、会社側が「副業をしているのでは」と気が付くのです。

また、会社に隠れて自分で法人を設立したような場合については、2箇所以上から給与を受け取ることになるため、社会保険料が按分計算されることとなり、健康保険組合や年金事務所から会社に通知が届いてバレてしまいます

このように、副業については所得を申告しなければならないため、個人事業であっても法人であっても、どちらの場合についても会社に対してはいずれバレる可能性が高いため気をつけましょう。

ここまでは、2018年「副業解禁」に関する正しい情報や、就業規則に関する基本的な知識などについて解説してきました。

次回は、実際にサラリーマンがやっている副業や、不動産投資の副業としての可能性について迫っていきたいと思います。

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棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。行政書士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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