不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

会社の目的に民泊事業が記載されていなくても、民泊経営できる?

新規法人を立ち上げ、不動産投資の他に、民泊事業もやっていきたいと考えています。

会社の事業目的に「不動産の賃貸」だけあれば、民泊事業もやって問題ないでしょうか?
不動産投資の銀行融資を受けるためには、「不動産の賃貸業」以外の目的を入れない方がよいと言われています。

民泊を行うには目的追加が必要。融資と届出、両面からの判断がポイント

1.不動産賃貸業以外の目的を入れない方がよい理由

不動産投資で銀行融資を受ける際には、事業目的が「不動産の賃貸業」に集中している方が好まれる場合があります。

銀行は、事業の安定性や収益性を重視するため、事業目的が多岐に渡る場合にリスクを懸念することがあります。

例えば、事業目的に「飲食業」を記載されていると、実際に事業をやっていなくても、将来的に事業を行うかもしれないと判断してしまうのです。

とくにオリックス銀行で借り入れをする場合には、事業目的が不動産賃貸業のみであることを条件に融資をすることになっています。
事業目的に民泊事業を入れてしまうことで、融資ができなくなってしまうことになります。

できれば、不動産賃貸業の目的に絞る方(民泊事業を入れない方)が融資の選択肢を広げるという意味ではよいと考えます。

2.民泊事業の目的を入れずに民泊ができるか?

不動産賃貸業の目的しか入っていない場合に、他事業をすることについては、税金上や会社法の観点からすると問題になることはありません。
(上場企業など利害関係者が多くなると、目的に記載された事業を行っていないと問題になりますが、利害関係者が家族のみの同族法人であれば、問題となることはありません)

しかし、民泊事業については、別のハードルがあるのです。

民泊事業は、住宅宿泊事業法(いわゆる「民泊新法」)に基づく届出が必要です。

この届け出をする際に、事業目的に、民泊がないと事業ができないのです。
事業目的に記載されていなくても、届け出自体はできるようですが、審査登録時に弾かれてしまうようです。

したがって、民泊事業をするためには、事業目的にその旨を記載しておく必要があるのです。

結論としては、次の2択を選択してもらうことになろうかと思います。

  • 融資銀行が絞られるリスクがあることを甘受して、事業目的に民泊も入れながら、不動産投資を行う。
  • 民泊事業は別人格(個人事業もしくは別法人を設立)して行うか。

2025/10/31

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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