不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

不動産の売却がある場合のふるさと納税の上限額は?

今年、賃貸物件の売買をして売却の利益1,000万円が出ました。

ふるさと納税の上限額が増えると思います。
ふるさと納税の上限額は、住民税の20%を目安と聞きました。

長期譲渡なので、1,000万円×5%=50万円が住民税になりますが、50万円×20%=10万円が上限額として増えるという理解でよいでしょうか?

ふるさと納税の上限額は、住民税の20%を目安ですが、正確な計算式は、次の通りになります。

上限額=「住民税所得割額×20%÷(90%-所得税の税率×1.021)+2,000円」

総合課税(給与)と分離課税(不動産の譲渡)の所得の両方がある場合には、総合課税(給与)の所得税の税率を使用するルールになっています。

したがって、総合課税の所得税率によって、上限額が変わるのです。

不動産の譲渡による所得税率は、短期譲渡で30%、長期譲渡で15%。
総合課税による所得税率は5%~45%の7段階。

総合課税による所得税率を、上限額の算式に当てはめると次の通りになります。

所得税率

不動産所得や給与所得の金額によって、譲渡のふるさと納税の上限の計算も変わってくるということです。

売却益以外の課税所得3パターンで、売却によってどのくらいふるさと納税の上限が追加されるかを表してみます。

◯課税所得400万円の場合:500,000円(売却益の住民税)×28.473%=約14万円

◯課税所得800万円の場合:500,000円(売却益の住民税)×30.067%=約15万円

◯課税所得1,200万円の場合:500,000円(売却益の住民税)×35.519%=約17万円

不動産所得や給与所得の金額によって、譲渡のふるさと納税の上限の計算も変わってくるということです。

売却だけでなく、全体の所得でシミュレーションしてみましょう。

2024/09/27

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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