不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

賃貸ビルを売却した資金で別のビルを購入したら買い換え特例は適用される?

10年以上所有した法人所有の賃貸ビルを売却し、その資金を投入して、賃貸ビルを再度購入した場合、買い換え特例が適用できるのでしょうか?

事業用資産の買い換え特例が使える可能性があります。

法人が10年超所有していた賃貸ビルを買い換えた場合には、事業用資産の買い換え特例が使える可能性があります。

この制度を使うと、本来、売却益に対して法人税等(約40%)課税されますが、この売却益を最大80%圧縮することができる制度です。

例1
譲渡益が5,000万円の場合買い換えない場合

5,000万円×約40%=2,000万円の税金になります。

例2
買い換え特例を使う場合

5,000万円×80%=4,000万円(圧縮額)
(5,000万円-4,000万円)×約40%=400万円の税金になることになります。

ただし、この制度は税金を免除するということではありません。
買い替えた物件を売却するときには、取得費も圧縮されてしまうため(購入代金が取得費とならない)、多額の売却益が出る可能性があります。

つまり、この制度は、売却したときに課税を抑えて、将来に課税を先送りする制度になります。

なお、買換資産の金額が譲渡資産の譲渡代金よりも低い場合には、繰り延べの金額が縮小されます。
また、買い替えた建物の取得費も圧縮されるため、買い替え物件の減価償却費が小さくなりますのでご注意ください。

《買い換え資産の要件》
買い換え資産は、どんなものでもよいというわけではありません。
特に、土地の面積の要件が厳しいので、買換資産は慎重に選ばなければなりません。

買換資産の土地については面積が300㎡以上のものに限定されています。
さらに、買換資産の土地は、譲渡した土地の面積の5倍以内という要件があります。

2019/11/07

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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