不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

賃貸借契約書に署名捺印は完了。鍵の引き渡し前だと契約は成立しない?

先日、無事に入居者が決まって賃貸借契約書の署名捺印が終わりました。

あとは入居日を待つだけだったのですが、突然賃借人から契約をキャンセルしたいと連絡があり、すでに払った契約金を返金するよう言われて困っています。

こちらとしては、すでに賃貸借契約書を締結済みなので、キャンセルはできないと伝えているのですが、賃借人はまだ鍵の引き渡しを受けていないから、契約は成立していないと主張してきました。

どちらの主張が正しいのでしょうか?

契約は成立していますが、一部の金銭は返金が必要になります。

賃貸借契約を結んでから、実際に入居するまでの期間が空いていると、その間に発生した事情によって、賃借人から一方的にキャンセルしたいと連絡が入ることは決して珍しくありません。

契約書を結ぶ前の段階であれば、すでに要望通りの内装工事に着手しているといった特段の事情がある場合以外については、契約が成立していないため、基本的にはペナルティなしで話を白紙に戻しキャンセルすることが可能です。

一方で、今回の事例のようにすでに賃貸借契約書に署名捺印をもらってから、鍵を引き渡すまでの間に、何らかの事情で賃借人からキャンセルを申し出られると、トラブルに発展する可能性が高くなります。

このようなケースについて、過去の判例では、次のような事情があったとしても、それを以って賃貸借契約が不成立であるとは言えないと判断しています。

火災保険の契約をする前であった

入居日が確定していなかった

物件の掃除やリフォームがまだされていなかった

鍵の引き渡しを受けていなかった

よって、上記のような状態だったとしても、すでに賃貸借契約書に署名捺印をもらっているのであれば、契約は成立していると判断されるのです。

返金が必要になる金銭とは

契約成立後、入居前に賃貸借契約の解除を申し出られた場合は、キャンセルではなく、通常の解約手続きをとることになります。

過去の判例では次のような費用が、解約時に返還される金銭だと判断しています。

敷金

家賃

引落手数料

火災保険料

鍵交換費用

これらの費用については、契約が成立していたとしても、引き渡し前であれば返還が必要となりますので覚えておきましょう。

2019/11/09

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棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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