不動産投資コラム

更新手続き・家賃値上げ/大家が知るべきポイントは

更新手続き・家賃値上げ/大家が知るべきポイントは

大家として契約更新の際に気になるのが、家賃の値上げです。

最近は、アベノミクスや2020年東京オリンピック効果もあり、都内を中心に不動産価格が値上がりしているため、更新にあたって家賃の値上げをしたいという大家さんからのご相談を多くいただいています。

そこで、契約更新第2回目となる今回は、更新手続きの基本的な流れと、家賃の値上げ、値下げのポイントについて解説します。

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更新手続きにおける大家のタスク・手順

更新手続きについては、管理会社によって違いがありますが、今回は最も丁寧なケースを想定して、基本的な流れについてイメージできるよう解説します。

基本的な流れを想定
更新手続きの流れ

ステップ1:管理会社から大家に更新確認書が届く

管理会社から契約期間満了の2~3ヵ月前を目処に、更新確認書が届きます。
更新確認書には、更新後の家賃をいくらで設定したいのか希望を記入し、管理会社に返送します。

更新にあたっての家賃の値上げや値下げについては、後ほど解説します。

ステップ2:管理会社が賃借人に更新確認書を送付

大家から提示された更新後の賃貸条件を記載した更新確認書を、管理会社から賃借人に発送します。

ステップ3:管理会社が更新契約書と更新料等の請求書を発送する

賃借人から更新する旨の更新確認書が返送されたら、管理会社から更新契約書と請求書を送付します。

ステップ4:更新契約書の返送と更新料の着金

賃借人から更新契約書が返送され、更新料についても管理会社に着金します。

ステップ5:管理会社から大家に送金

管理会社から更新契約書の控えが郵送されてきます。それと同時に、更新料から更新手続き費用が差し引かれた残金が大家の口座に入金されます。

これで更新手続きは完了です。

ここまでの手続きを、既存の契約期間が満了するまでに行なう必要があります。

更新手続きの遅れに注意

更新の手続きについては、通常、郵送で行うため、賃借人が郵送物に気がつくのが遅れると、手続き自体も遅くなってしまうことがあります。

賃借人が更新をする場合は、多少遅くなってもきちんと更新契約書を回収して更新料が支払われれば問題ありませんが、更新せずに退去する場合については注意が必要です。

更新しなくても更新料が発生する?

更新

賃貸借契約書には「退去予告期間」というものが規定されています。
関東圏であれば、「退去の1ヶ月前までに申し出ること」と規定しているケースが一般的です。

更新の場合、賃借人がうっかりしていると、退去予告期間が更新のタイミングをまたいでしまうことがあります。

例えば、2017年4月1日から2019年3月31日までの2年契約で、賃借人が更新確認書の返送を忘れていて、2019年3月1日を過ぎてしまったとします。

それでも、賃借人が更新するのであれば良いのですが、更新しない場合は、退去予告期間である1ヵ月が現状の契約期間をまたいでしまい、更新状態になってしまうのです。

そうなると、更新しないのに更新料が発生してしまい、賃借人とトラブルになることもありますので、退去予告期間をまたいでしまう前までに賃借人から更新確認書の返送がなければ、電話をして更新するのかどうか確認するようにしましょう。

更新時に家賃の値上げはできるのか?

契約更新の際には、家賃の値上げを検討する大家さんも多いことと思います。

実際、最近では都内の不動産価格が値上がり傾向ですので、更新と同時に家賃を値上げしたいと考える大家さんが多く、ただ一方で、値上げに応じない賃借人ばかりで間に挟まれた管理会社が苦労するというケースがあるようです。

では、更新のタイミングで家賃を値上げすることは法的に可能なのでしょうか?

更新でも家賃の値上げは賃借人の同意が必要

家賃値上げ

大家からしてみれば、2年契約の期間が終わるのだから、大家が希望すれば家賃の値上げは可能と考える傾向がありますが、法的にはそう簡単ではありません。

家賃の値上げについては、賃借人にとっても非常に大きな問題なので、必ず賃借人本人の同意が必要となります。

ただし、極端な経済事情によって家賃相場が大幅に変わるようなことがあれば、例外的に認められる場合もありますが、少なくとも現状はそのような状況とは言えないでしょう。

賃借人に家賃の値上げに応じてもらうことは非常に難しいので、どうしても値上げしたい場合は、値上げの根拠となる資料(周辺相場のわかるものなど)を賃借人に見せて説得する必要があります。

更新で家賃を値上げする方法

どうしても更新時に家賃の値上げをしたい場合は、当初の賃貸借契約を結ぶ段階で、2年後に家賃を改定する旨を特約などで規定しておくという方法があります。

例えば、入居時に大幅に家賃を値下げしたため、2年後に更新する場合はもともとの家賃に戻します、というような場合は、その旨を賃貸借契約書に記載しておくことで、更新時のもめ事を回避することが可能です。

まとめ

賃貸借契約の更新料については、管理会社が回収して大家の口座に送金されるため、普段はあまり深く意識しないものです。
相場や仕組みについて知らなかった大家さんは、これを機会に一度ご自身の物件の賃貸借契約書を見直してみることをおすすめします。

また、更新時の家賃の値上げなどを考えている場合については、賃借人の同意なしに一方的に値上げすることはできない点について、覚えておきましょう。

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棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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