不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

更新料のもらい方による税金の違いはある?

賃貸契約の更新にあたり、0.5ヵ月分を入居者さんからもらい、管理会社に0.5ヵ月分を更新事務手数料として払う場合に、入居者さんから直接管理会社に払ってもらう場合と、大家から管理会社に払う場合では、大家から払う場合のほうが経費計上できるから得になると、管理会社からアドバイスされました。本当でしょうか?

どちらのもらい方でも変わりません。

(1)入居者さんから直接管理会社に払う場合

収入:0
経費:0
差引:0

(2)大家さんから管理会社に払う場合

収入:更新料0.5月
経費:更新事務手数料0.5月
差引:0

大家さんから管理会社に払う事務手数料は経費になりますが、入居者さんから受け取る更新料は収入に計上しなければなりません。差引すると、どちらも変わらないのです。

なお、更新事務手数料に消費税がかかる場合があります(手数料は課税対象)。その場合には、(2)の場合には、入居者さんからもらう更新料には消費税がなく(住居にかかる家賃や更新料は非課税)、結局大家さんが消費税を余分に負担することになるため、不利になることがあります。

収入:更新料0.5月(消費税なし)
経費:更新事務手数料0.5月(消費税+8%)
差引:マイナス消費税分

2018/08/30

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

記事一覧