不動産投資コラム

住宅ローンは低金利&長期返済+不動産投資も可能?

行政書士棚田 健大郎
住宅ローンは低金利&長期返済+不動産投資も可能?

消費税の増税が決まり、そろそろ自宅の購入も視野にいれようとお考えの方も増えてきています。

住宅の購入を検討する際に気になるのが「住宅ローン」です。

ほとんどの方がローンを組んで自宅を購入すると思いますが、その際に利用する住宅ローンはどんなメリットや特徴があるのでしょうか。

また、最近では住宅ローンを使って不動産投資ができる「賃貸併用住宅」という方法があるようですが、具体的にどのような仕組みになっているのでしょうか。

そこで今回は、全3回に分けて住宅ローン、投資用ローンそれぞれの特徴と、住宅ローンを利用した投資方法である賃貸併用住宅について解説いたします。

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住宅ローンと投資用ローンの違い

不動産に関連するローンを大きく分けると、「住宅ローン」「投資用ローン」の2種類があり、それぞれ特徴が大きく異なります。

住宅ローンの特徴

住宅ローンとは、不動産の中でも「マイホーム」を購入する際に使える融資で、非常に好条件で借入することができる魅力的なローンです。日本の住宅ローンは世界的に見ても非常に好条件と言われていますが、実際にどんなメリットがあるのでしょうか。

住宅ローンのメリット1:低金利で長期返済が可能

ローンというと、マイカーローンやカードローン、教育ローン、消費者金融のローンなどさまざまなものがありますが、住宅ローンについてはこれらと比較しても、圧倒的に低金利である点が大きなメリットになります。

住宅ローン金利については、金利が変動する変動金利を選択した場合、1%以下の金利で借入することが可能で、ネット銀行系であれば0.6%以下になることもあるくらい非常に低金利なのです。

また、住宅ローンは最長で35年の長期返済でローンが組めるため、低金利と相まって毎月の返済額が大幅に軽減できます。

具体例で考えよう
3,500万円のマイホームを購入

3500万円のMyホーム

頭金:500万円
借入金額:3,000万円
住宅ローン金利:0.6%
返済期間:35年

上記条件で住宅ローンを組んだ場合、毎月の返済額は約79,000円です。

東京都の郊外であれば、マイホームを購入できる金額ですが、毎月の返済額についてはワンルームマンションの家賃とほとんど変わらないことがお分かりいただけるでしょうか。

このように、住宅ローンは低金利、かつ、長期返済で高額な融資を受けられる点が、他のローンにはない大きな魅力なのです。

住宅ローンのメリット2:全期間固定金利フラット35が使える

変動金利だと不安という方については、全期間固定金利の住宅ローンである「フラット35」を利用することもできます。
フラット35とは、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している、最長35年の全期間固定金利のローンです。

35年という長期にわたってローン金利が一定のため、将来設計がしやすく、急な金利上昇にも影響を受けません

また、通常の住宅ローンで必要となる保証料や保証人が不要になる点も魅力的です。

変動金利よりも金利は割高にはなりますが、現状は超低金利時代の影響で、フラット35でも2%以下に金利を抑えることが可能なので、他のローン商品に比べれば十分低金利と言えるでしょう。

住宅ローンのメリット3:審査のハードルが低い

住宅ローンのメリット

金融機関から数千万円の融資を受けるとなると、かなりの担保がなければ審査が通りません。ですが、住宅ローンについては、一般的な会社員でも審査が通るほど審査のハードルが低いのです。

なぜなら、住宅ローンは購入する住宅の担保価値だけでなく、ローンを組む本人の「属性」が融資審査に大きく影響するのです。

  • 職業
  • 役職
  • 年収
  • 勤続年数

これらの情報から「毎月いくらまでなら返済可能なのか」という観点で審査されます。
審査基準については、金融機関によって異なりますが、一般的には次のとおりです。

【住宅ローンの一般的な審査基準】

  • 勤続年数1年以上の正社員
  • 年収300万円以上
  • 団体信用生命保険に加入できる健康状態

上記条件であれば、ほとんどの会社員であれば条件を満たせると言っても過言ではないでしょう。

住宅ローンのメリット4:住宅ローン減税が使える

住宅ローン減税が使える
住宅ローンを利用すると、ローンの条件以外でも「住宅ローン減税」という大きなメリットがついてきます。住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、年末の住宅ローン残高の1%が所得税や住民税から控除されるのです。

税金の控除には、課税対象となる所得が控除される「所得控除」と、税金そのものを控除する「税額控除」があり、当然、税額控除の方が節税効果は高くなります。
住宅ローン減税は「税額控除」なので、かなりの節税効果があるのです

例えば、年末のローン残高が3,000万円であれば、1%にあたる30万円が税額控除されるため、会社員の方の場合、源泉徴収されている所得税から最大で30万円が返還されます。

さらに、所得税で控除しきれなかった分については住民税からも控除されるため、非常に魅力的な制度なのです。

住宅ローン減税は、住宅ローンを使ってマイホームを購入してから、10年間にわたって適用できます。

MEMO
住宅ローン減税の適用要件について

このようにメリットの多い住宅ローン減税ですが、適用を受けるためには住宅ローンを使った上で、次の要件にあてはまる必要があります。

  • 本人のその年の所得が3,000万円以下
  • 新築または購入したマイホームの登記簿上の床面積が50㎡以上
  • 中古住宅は築20年以下、中古マンションは築25年以下
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上

また、住宅ローン減税を受けるためには、会社員であっても翌年に確定申告をする必要があります。ただし、一度確定申告をすれば、翌年からは確定申告をしなくても、勤務先に所定の書類を提出することで、年末調整で所得税の還付を受けることが可能です。

以上が住宅ローンの主な特徴です。住宅ローンはとても利用しやすく、また借入条件がいいことがお分かりいただけたかと思います。

次回は、もう1つの不動産関連のローンである「投資用ローン」について比較していきたいと思います。

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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