不動産投資コラム

不動産屋に優先的に紹介されやすい物件の条件とは

宅地建物取引士廣田 裕司
不動産屋に優先的に紹介されやすい物件の条件とは

今年の繁忙期は終わりましたが、物件の稼働状況はいかがでしょうか。空室はありませんか?

繁忙期が終わったこの時期、空室の営業のため不動産屋さんを訪問すると、「この時期はお客さんがいないから(客付けは)難しいね」というような話を不動産屋さんから聞くことがあると思います。
たしかに、不動産屋さんの来客は少なく、静かな感じがするかもしれません。本当に部屋を探している人(お客さん)がいないのでしょうか?

決してそんなことはないと思います。

不動産屋さんのその一言には、「あなたの物件に紹介するお客さんがいない」という意味も含まれているのではないでしょうか。
つまり、「部屋を探している人はいるけど、あなたの物件は紹介しない」ということになります。

そこで今回は、不動産屋さんに紹介してもらえる物件について考えてみたいと思います。

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インターネットの情報だけでなく、不動産屋さんの対応も重要

不動産屋さんに紹介してもらえる物件を考える前に、まずは部屋を探そうとする人の行動から考えてみましょう。

部屋を探す人はまず、インターネット上の広告から情報収集するのが一般的です。ある程度目当ての物件を絞り込んだ上で、不動産屋さんを訪問するケースが多くなっています。

しかし、不動産屋さんを訪問した時点で、目当ての物件が既に他の人に入居申込みをされていて、入居申込みができない、ということもあります。
このようなケースでは、不動産屋さんに他の物件の紹介をお願いすることも多いです。

不動産屋の対応

また、部屋を探す人の目当ての物件は1つとは限らず、複数の物件を候補として選定し不動産屋さんを訪問するケースもあります。
このようなときは、不動産屋さんの物件の紹介の仕方が、その人の物件の決定に影響してきます。

部屋を探す人は物件の募集情報を認知するまでは、インターネット上の広告から物件の情報を集めます。
しかしその後、問合せ、内見といった、入居申込みをするまでの段階では、不動産屋さんとのやり取りが多くなるため、入居申込みをする物件の選定に、不動産屋さんの影響はかなりあるのです。

不動産屋さんに紹介されやすい物件とは

不動産屋さんがお客さんに紹介する物件には、優先順位があると思います。
不動産屋さんもビジネスなので、自社の売上に繋がる物件の優先順位が当然高くなります。
具体的には、自社所有や自社で管理を受託している物件の優先順位が最も高く、その次に広告料などの報酬が高い物件、といった具合です。

それでは、高額な広告料を約束して募集すれば、物件を紹介してもらえるのでしょうか?
広告料は、優先順位を上げる効果はあると思います。
しかし、優先順位を決めるのは広告料だけではありません

優先順位

仲介手数料や広告料は、紹介した物件を探している人が気に入り、契約を締結して初めて発生する成功報酬です。
つまり、契約を締結できないと不動産屋さんの売上に繋がらないので、高額な広告料が約束されていても、部屋を探している人に気に入ってもらえるような物件でないと、紹介されやすいとは言えません。
成約する可能性が高いことも、不動産屋さんが紹介する物件を決める重要な要素です。

部屋探しの要望に物件がマッチするかがポイント

それでは、部屋を探している人に気に入ってもらえる(成約の可能性が高い)物件とはどんな部屋なのでしょうか。

気に入って貰える物件は、その人の要望にその物件がどれだけマッチしているか、ということが重要なポイントです。

また、どんなによい部屋でも、その物件の情報が部屋を探している人に伝わらないと要望にマッチしているか判断できません

気に入ってもらえる物件を考える時は、物件自体がどうなっているかという問題と、その情報がうまく伝わるようになっているかという問題の2つを考える必要があります。

「募集情報」で紹介しやすさが変わる?

「部屋探しの要望」について考えるために、まずは「募集情報」について考えみます。
不動産屋の担当者さんが、部屋を探している人に物件を紹介する時は、その人の要望をヒアリングし、要望にマッチした物件をピックアップして紹介します。
人それぞれの様々な要望を、すべて満足させる物件を見つけることはかなり難しいと思われますが、要望にマッチしている度合いが高ければ、当然成約する可能性も高くなります

不動産屋さんが物件を探す上で、物件の情報が多いほうがいいのは言うまでもありません。
不動産屋さんは自社所有や管理している物件の情報は豊富に持っています。
また、以前に仲介したことのある物件や内見したことがある物件も、ある程度情報を持っているでしょう。
これらの物件は、不動産屋さんが情報を把握しているという点でも紹介の優先順位が高くなります。

インターネット掲載情報には詳細を、常に最新情報で

しかし、必ずしも情報を把握している物件の中に、要望にマッチした物件があるとはかぎりません。
そこで不動産屋さんは、レインズやその他のインターネット上の広告からも紹介する物件を探すことになります。

インターネット上で探した物件は、見たことのない物件も多く、掲載されている情報だけで判断することになります。

このようにインターネット上の広告は、部屋を探す人のためだけでなく、不動産屋さんにとっても重要な情報源なので、普段から掲載されている内容を確認しておくことが重要です。
広告の中で、写真の量や質も重要ですが、家賃、入居可能日、入居条件など文字による情報も最新になっているかをチェックしておきましょう。

問合せには即答することが重要

不動産屋さんは、お客さんの要望を管理会社さんや大家さんへ直接問合せをすることがあります。
このような問合せに対しは、即答することが重要です。
回答が遅くなってしまうと、紹介される物件の候補から外れてしまう可能性もあります。

また、回答が遅くなることが多いと、「あの物件は、問合せをしても回答が遅いから」というような印象を持たれ、紹介され難い物件になりかねません。
すべて先方の要求どおりの回答をするということではなく、問合せに対しいかに早く回答するかがポイントです。

入居条件の検討

問合せに対し即答するために、問合せ事項を事前に想定し、回答を準備しておくことが重要です。

問合せの内容は、下記3つに大別されると思います。

1.入居可能日などの日程に関すること

入居可能日などの日程に関することは、原状回復工事の日程を把握し、いつから入居が可能なのかを明確にしておきましょう。

また、申込みをした日から1ヵ月以上先に入居日設定したいというケースなど、契約開始日(家賃が発生する日)の先延ばしとを希望されるケースもあります。
このようなケースに備え、どのぐらいまで先延ばしを許容するかの決めておくといいと思います。

2.入居条件に関すること

入居条件

高齢者や子供の入居、外国人の入居、ルームシェア、バイクの駐車、ペット飼育、事務所利用などの入居条件に関する問合せは、多種多様ですべての問合せを想定することは難しいですが、できるだけ事前に検討して可否を決めておきましょう。
可否を決めた入居条件に関しては、募集広告に明記することにより、問合せを減らすことができます。

3.家賃や初期費用に関すること

家賃や初期費用の交渉に対しては、あらかじめ許容する値引き額を決めておくといいと思います。
「敷金・礼金などの初期費用の値引きをする代わりに、家賃を2,000円アップでどうでしょうか?」というような交換条件を出すのも有効です。
また、信頼できる不動産屋さんには、事前に家賃の値引き幅を伝えておき、その範囲内で値引き対応をしてもらうよう依頼してもいいでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。次回も引き続き不動産屋さんに紹介してもらえる物件について考えていきます。

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廣田 裕司

宅地建物取引士

廣田 裕司

宅地建物取引士

賃貸経営での経験をベースにセミナー講師としても活動。2014年大家仲間と一緒に、管理会社「みまもルーム」設立に参加。大家さんの賃貸経営をサポートする会社 合同会社アップを設立。大家さんのサポート活動を展開中。

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