不動産投資コラム

賃貸併用住宅の魅力と選択肢を広げるペアローンとは?

賃貸併用住宅の魅力と選択肢を広げるペアローンとは?

最終回となる今回は、ついに賃貸併用住宅のメリットに迫ります。
第1回目と2回目で、住宅ローンと投資用ローン、それぞれのメリットについてはお分かりいただけたかと思います。

では、両方のメリットを一度に受けられる「賃貸併用住宅」とは、どのような仕組みなのでしょうか。

今回は、住宅ローンを使った不動産投資法である「賃貸併用住宅」のメリットについて詳しく解説します。

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賃貸併用住宅とは

賃貸併用住宅とは、マイホームの一部に他人に貸し出す「賃貸スペース」を組み込んだ住宅のことで、1階や2階のワンフロアを賃貸仕様にする「横型」や、マイホームとアパートをくっつけた感じの「縦型」などがあります。

似たようなものに「店舗併用住宅」というものがありますが、これは飲食店などのお店の経営を考えている人が、自宅部分と店舗部分を一緒に設計する住宅のことで、当初から他人に貸し出すことを前提に建てる賃貸併用住宅とは異なります。

つまり、賃貸併用住宅とは、マイホームである自宅と、不動産投資となる賃貸物件を同時に取得できる画期的な手法なのです。

賃貸併用住宅なら住宅ローンが使える

賃貸併用住宅の最大のメリットは、マイホームでしか使えない「住宅ローン」が使えることです。

賃貸併用住宅のうち、建物の自己居住スペースの床面積の割合が50%以上あることが条件となりますが、ハードルとしては決して高くありません。
要するに、賃貸部分を半分以下に抑えればいいだけです。

ここで住宅ローンと、賃貸併用住宅のメリットを思い出してみましょう。

種類 メリット
住宅ローン
  • 低金利で長期借入が可能
  • フラット35が使える※
  • 審査のハードルが低い
  • 住宅ローン減税が使える
投資用ローン
  • ローンを組んで投資ができる
  • ローンの金利部分が節税になる

※フラット35は居住部分のみの融資となるため、賃貸併用には向いていません。

住宅ローンを不動産投資に利用できれば、通常の投資用ローンを使うよりもはるかにメリットが大きいことはお分かりいただけるでしょう。

また、賃貸併用住宅が投資でもある以上、投資用ローンのメリットについても同時に受けられるのです。

もともと住宅ローンについては、先ほどの店舗併用住宅のように、自宅の一部を店舗にしたいという場合に配慮して、半分以上が自己居住用であれば、住宅ローンを利用可能にしているのです。

一戸建てよりも賃貸併用住宅の方がお得?

通常、住宅ローンを組んで一戸建てを建てた場合、毎月のローン返済については自分自身の給与から支払っていくことになります。

一方で、住宅ローンを組んで賃貸併用住宅を建てた場合は、賃貸部分から得られる「家賃収入」で住宅ローンを返済することができるため、自分自身の給与はそのまま残せるのです。

場合によっては、多少給与からも手出しになることはありますが、それでも普通に一戸建てを建てるよりも、大幅に住宅ローンの返済負担を軽減することができます。

賃貸併用住宅の2つのパターンについて

賃貸併用住宅の2つのパターンについて
賃貸併用住宅なら、住宅ローンを使って不動産投資ができます。
実際に賃貸併用住宅を検討する場合、次のどちらのパターンかによって、それぞれ注意すべき点があります。

土地を所有している場合

すでにマイホームを建てるための土地を所有している方が、賃貸併用住宅を検討する場合については、近隣の「賃貸需要」について入念な調査をする必要があります。

すでに土地を所有している方の多くは、実家の土地に家を建てるようなケースのため、もともと賃貸用に仕入れた土地ではありません。

自分が住む分には土地勘や愛着があるでしょうから、大して問題はありませんが、賃貸となると一定の需要が見込めなければ、建てる意味がありません

そのため、まずは近隣の賃貸不動産会社を回って、需要の有無や人気の間取り、およその家賃相場などについて細かくリサーチすることが重要です。

多少需要が低いエリアだとしても、土地の調達資金がかからないため、家賃を相場より安く設定しても、それなりの利回りが期待できるでしょう。

土地から調達する場合

土地から仕入れて賃貸併用住宅をしたいという場合については、場所に縛られることはないため、賃貸需要がありそうな場所の土地を選ベばいいでしょう。

ただ、都心部については土地の仕入れ値が高くなるため、その分毎月の返済額が上がることを想定しておく必要があります。
ローン金額が高額になる場合については、次に解説する「ペアローン」も含めて検討するといいでしょう。

ペアローンで選択肢を広げよう

非常にメリットが大きい賃貸併用住宅ですが、通常の一戸建てを建てるよりも建築コストがかかるため、物件の規模や本人の収入によっては、借り入れが難しいケースも出てきます。

そんな場合にオススメなのが「ペアローン」です。

ペアローンとは夫婦の収入を合算して融資を受けるための1つの手法で、夫婦それぞれが自分の名義で住宅ローンを借り入れて、互いに連帯保証人になります。

そこで、夫婦のペアローンで住宅ローンを2つにすることで、足りない部分の住宅ローンを配偶者に補ってもらうことができるのです。

ペアローンで組んだ家は誰のもの?

住宅の名義人については、通常、住宅ローンの名義人と同一です。
一方、ペアローンの場合については、それぞれが負担した住宅ローンの割合に応じて、持分を共有することになります。

例えば、夫が3,000万円、妻が1,000万円でペアローンを組んでいる場合については夫が3/4、妻が1/4の持分で所有権の登記をするのです。

住宅ローン減税はどうなるの?

住宅ローン控除

ペアローンを組んだ場合についても、住宅ローン減税はそれぞれに対して適用することが可能です。また、状況によっては単独で住宅ローンを組むよりも、さらに節税効果がアップする可能性があります。

住宅ローン減税はあくまで所得税や住民税の減税制度なので、いくら税額控除が高くても、控除しきれなければそれ以上は無駄になってしまいます。

例えば、3,000万円の住宅ローンを組んでも、本人の納税額によっては税額控除が使い切れずに余ってしまう可能性があるのです。

そんな場合、ペアローンで住宅を購入していれば、配偶者の所得税や住民税から還付を受けることができるため、住宅ローン減税を余すことなく使い切ることができるのです。

このように、ペアローンを使えば借入金額の幅が広がるため、賃貸併用住宅を検討しやすくなるでしょう。

まとめ

住宅ローンは、本来マイホームでしか利用できないため、不動産投資に応用できないことは当たり前とされてきました。

ですが、賃貸併用住宅という画期的な選択肢ができてから、この常識はくつがえされ、今やマイホームを検討している人、不動産投資をしたい人、双方の視点から大きな注目を集めています。

賃貸併用住宅なら、住宅ローンが使えるだけでなく、毎月の家賃でローンが返済できるなど、非常に大きなメリットがありますので、マイホーム、または、不動産投資先の1つの選択肢としてぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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