【名古屋】投資先としての魅力/立地・再開発ほか
今回は投資家目線で見た名古屋の魅力についてお伝えしたいと思います。
個人的な話になりますが、私は不動産鑑定士として全国的な不動産の評価はもちろんですが、過去に東京、大阪、京都に長いこと居住し、勤務したことがございます。
その中で、名古屋を含め愛知県の魅力を、最近、改めて感じることが多いので、少しご紹介させていただきたいと思います。
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愛知県(名古屋市)ってどんなところ?
愛知県(名古屋市)の人口は22年連続増加中
まずは、名古屋市の都市規模として、人口はどのくらいなのか見てみましょう。
平成30年10月1日現在の名古屋市の人口は、約232万人(前年比6,236人増)で、平成9年以降22年連続で増加しており、過去最高となっています。ちなみに愛知県全体では、約754万人(前年比12,274人増)でした。
ちなみに政令指定都市の中では、横浜市の約374万人、大阪市の約273万人に次ぎ、3番目に多い数字となっています。
モノづくりが盛んな地域
愛知県といえば、トヨタ自動車をはじめ、モノづくりが盛んな地域という印象があると思います。実際に県別に見てみますと、愛知県の製造品出荷額等は、全国シェアの14.9%を占めており、昭和52年以来40年連続の全国1位を誇っています。従業者数も圧倒的に多く、このことから、愛知県では名古屋市内だけでなく、工場の多い豊田市や岡崎市などの西三河地域においても、住宅を必要とする労働者がいるということがうかがえます。
愛知県の県民所得は全国2位
平成30年8月に内閣府が発表した平成27年度県民経済計算によりますと、愛知県の1人当たりの県民所得は約368万円で、第1位の東京都(約538万円)に次いで、全国第2位となっています。
内閣府「平成27年度県民経済計算について」
首都圏と関西圏の中間という立地の良さ
名古屋の魅力はなんといっても立地の良さにあると思います。その理由は、首都圏と関西圏という巨大な経済圏の中間に位置しているということです。
名古屋駅から東京(品川駅)までは、東海道新幹線で約1時間30分、新大阪駅までは約50分という利便性の高さです。
さらに、2027年の開業を目指しているリニア中央新幹線では、名古屋-東京(品川駅)間は約40分という予定になっています。リニア開業後は5,000万人規模の大交流圏が誕生することになり、日本の中枢である首都圏がますます身近になっていくものと考えられます。
将来的には、地価が比較的安く、住宅の広さも確保された名古屋に住みつつ、東京などに通勤するという姿も珍しくなくなるかもしれません。
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人口が増加しているエリア
人口の増減を示すデータに国勢調査があります。平成27年の国勢調査によると、愛知県内では、長久手市が5年前と比べ10.7%増という高い増加率でトップになっています。
長久手市には、この人口増加を背景に大型ショッピング「イオンモール長久手」や北欧家具の「IKEA長久手」が相次いでオープンしています。
また、2022年度には、愛・地球博記念公園に「ジブリパーク」が誕生すると発表され、注目を集めています。ますますこのエリアの人気が高まっていくものと予想されます。
そのほか、人口増加率の上位には、名古屋市の周辺部(大府市、日進市等)や西三河地域(高浜市、安城市、知立市等)が入っています。やはり、トヨタ自動車関連の企業が集積するエリアでは従業員が多く、住宅需要が高いことが背景にあるものと考えられます。
また、東洋経済新報社が発表した「住みよさランキング2018」の全国総合においても、長久手や大府など、愛知県の市が上位に複数ランクインしています。
このような人口増加が堅調で、住宅需要が旺盛な市については、地価にも影響が表れています。平成30年の地価調査では、県全体の平均変動率にくらべ、高い上昇幅を示しています。
「市区町村別平均変動率」愛知県地価情報(地価調査・地価公示) – 愛知県
名駅、栄エリアでは再開発が活発
名古屋市内に目を移してみますと、市内二大商業エリアである「名駅エリア」と「栄エリア」の再開発の動きが活発です。
名駅エリア
名古屋駅周辺の「名駅エリア」では、リニア中央新幹線の整備をはじめ、名鉄の「名古屋駅地区再開発」や三井不動産の「(仮称)名古屋三井ビルディング北館」、三菱倉庫・名鉄のオフィスビル「(仮称)名駅一丁目計画」などが予定されています。
栄エリア
近年、超高層ビルの建設ラッシュを要因とする名駅エリアの勢いに押されていた印象のある「栄エリア」ですが、ここへきて、大型再開発のニュースが続々と発表されています。
約50年も塩漬けになっていた栄の一等地、栄交差点北東角の「栄広場」とその隣接地について、名古屋市と大丸松坂屋百貨店は、来年度中に開発事業者を公募で決定し、2024年度開業を目指すことで基本合意したと発表されました。詳細はこれからですが、高級ブランドやアミューズメント施設が入居するシンボル性の高い商業施設が誕生する予定です。
さらには、久屋大通公園(北エリア、テレビ塔エリア)の整備事業について、三井不動産を代表とするグループが事業者として選定され、2020年の完成に向け本格始動しました。
テレビ塔をメインに、北エリアでは都会の安らぎ、テレビ塔エリアでは観光・交流をテーマとした空間が創出されることになっています。
そのほか、中日ビルの建替計画、栄交差点北西角の「(仮称)日本生命栄町ビル新築工事」、NTT都市開発の「(仮称)名古屋東ビル新築工事」など、栄の景色や人の流れを変えていくような大きな計画があり、今後、さらなる地域の発展が期待されています。
名古屋圏で投資/自動車・外国人労働者に注目
自動車普及率が高い
愛知県は自動車産業が盛んな地域で、移動手段としては電車よりも自動車というのが一般的です。
実際に都道府県別にみた場合、乗用車の保有台数は約420万台(平成30年10月末現在)で、全国のトップとなっています。
また、1世帯当たりの保有台数で見ても1.295台(平成27年3月末現在)となっていて、福岡県の1.083台、大阪府の0.657台、東京都の0.456台と他の大都市と比較しても、普及率がかなり高いことが特徴として挙げられます。
一般財団法人自動車登録情報協会「都道府県別・車種別保有台数表」
不動産の世界では、駅から遠い物件は利便性が低く敬遠されがちというのが、一般的に言われることです。
しかし、愛知県の場合、名古屋市中心部である場合を除き、近郊では多少駅から遠くても、駐車場が十分にあるというのが、重要なポイントとなってきます。
戸建住宅では1世帯に3台というのも見かけます。豊田市やその周辺部の自動車関連工場に車通勤していて、駐車場が複数台必要という世帯にとっては、駅から遠くても大きなデメリットにならない場合もあるということです。反対に駐車場が確保できている物件はアピールポイントなります。
外国人労働者が多い
厚生労働省愛知労働局が発表した、愛知県の外国人労働者数(平成30年10月末現在)は約15.1万人と、届出制度が始まって以来、過去最高を記録しています。これは東京都の約43.9万人に次いで、2番目に多い数字となっています。
外国人労働者が多いということは、当然住まいも必要になってきますので、アパートなどに投資する場合、ややハードルが高いですが、外国人向けに賃貸するといったことも空室改善の一助になる可能性があります。
厚生労働省愛知労働局/平成30年10月末日現在における愛知県の「外国人雇用状況」の届出状況について
まとめ
不動産投資を行うにあたっては、その投資エリアのことを調査しなければなりません。
名古屋圏における特徴としては、説明しましたように首都圏と関西圏の間に位置し交通利便性が高いこと、自動車産業を中心に産業基盤があること、再開発が盛んで人口が比較的安定していることなどが挙げられます。
その一方で、東京などに比べ地価が安いことから、投資対象としてみた場合、まだまだ成長の伸びしろがあり、比較的おすすめできるのではないかと思います。
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