銀座以外もバブル超え?大幅に地価が上昇した街3つ
毎年3月に国土交通省により公開される地価公示。
平成最後なった「平成31年地価公示」では、全国、三大都市圏のほか、地方圏においても全用途平均・住宅地が27年ぶりに上昇(地方圏商業地は2年連続の上昇)となり、全国的に上昇基調が続いています。
しかし、バブル期を超える地価上昇となっている土地は滅多にありません。
そんななか今回は、地価がバブル期よりも上昇している街を3つ探してみました。
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全国的な地価推移
国土交通省「土地・建設産業:平成31年地価公示」を加工して作成
上記は昭和62年(1987年)から平成31年(2019年)の主な都市における住宅地の「平均」価格の推移です。
バブル景気により昭和の終わりから平成のはじめにかけて全国的に高騰した住宅地の価格は、平成3年のバブル景気終了を境に急落しました。
その後、平成18年頃より上昇したものの、平成20年のリーマンショックで地価は再び下落。平成25年頃から東京を中心に徐々に回復してきている、というのが現況となっています。
バブル期よりも地価が上昇している街
上記のような地価推移は全国で見られますが、なかにはバブル期よりも地価が高騰している街もあるのです。
銀座
平成3年(1991年)…3150万(円/㎡)
平成31年(2019年)…3765万円(円/㎡)
東京都中央区銀座4-5-6 山野楽器銀座本店の【5720万円/㎡】が13年連続で全国最高額となったことでも話題の銀座は、平均額もバブル期を超え最高額となっています。
武蔵小杉
平成3年(1991年)…70万(円/㎡)
平成31年(2019年)…99万2333(円/㎡)
2008年頃からはじまった工場跡地の再開発により、それまで住宅地としてあまりメジャーとは言えなかった武蔵小杉は大きく変わりました。
複数のタワーマンションや、2014年に開業したグランツリー武蔵小杉がなどの大型商業施設の開業により、街全体の勢いが増し、いまやバブル期を超えるまでに地価が高騰しています。
また、東急東横線・目黒線、JR南武線・湘南新宿ライン・横須賀線の5路線が乗り入れ、新宿や渋谷方面へも出やすいことから、都心のベッドタウンとしても定着しています。
倶知安
平成6年(1994年)…2万3250(円/㎡)
平成31年(2019年)…4万9250(円/㎡)
※倶知安町はバブル期に地価公示の標準地がなく、平成6年(1994年)との比較になります。
北海道虻田郡の倶知安町は、平成31年地価公示では住宅地・商業地ともに変動率全国1位となった街です。
変動率は、住宅地(虻田郡倶知安町字山田83番29)が前年度プラス50.0%、商業地(虻田郡倶知安町南1条西1丁目40番1外)が前年度プラス58.8%となっています。
いまや世界的なスキーリゾート地としてインバウンド客が増え続けている倶知安町。外国人富裕層と在住する外国人労働者の増加など、インバウンド特需により地価はどこまで上昇するのでしょうか。
人気の「住みたい街」の地価推移
上記のようなバブル期よりも地価が上昇している街は珍しいようです。
最後に、住みたい街ランキングの上位にランクインしている、人気の街の地価を平成3年と比較してみましょう。
横浜…平成3年の約20%に
平成3年(1991年)…905万(円/㎡)
平成31年(2019年)…185万(円/㎡)
恵比寿…平成3年の約39%に
平成3年(1991年)…1390万(円/㎡)
平成31年(2019年)…542万(円/㎡)
吉祥寺…平成3年の約40%に
平成3年(1991年)…149万(円/㎡)
平成31年(2019年)…59万2千円(円/㎡)
地価上昇・下落は二極化が顕著に
人気の街の地価推移を見るとわかるように、都市圏の地価が上昇している土地であってもバブル期ほどの高騰ではないことがわかり、それと比べると、先に述べた銀座・武蔵小杉・倶知安の地価上昇の勢いを感じます。
また、平成31年地価公示では47都道府県のうち18都道府県が上昇、長崎県のみが変動なし、その他28県で地価は下落しており、地価二極化が進んでいるようです。
銀座・武蔵小杉・俱知安のバブル期超えの地価高騰の要因として「再開発」や「インバウンド需要」が考えられますが、来年に迫っている東京オリンピック・パラリンピック終了後、全国の地価はどう推移していくのでしょうか。今後も注目していきます。
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