東京に人口集中ますます顕著に 17年人口移動報告
総務省はこのほど、平成29年住民基本台帳人口移動報告の詳細集計を公表しました。
住民基本台帳人口移動報告は、国内における人口の移動状況を明らかにする目的で、市区町村が作成する住民基本台帳に基づいてされるものです。
詳細をみると、地方の人口流出と都市圏への人口流入、とくに東京への一極集中はますます加速していることが見てとれます。
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都道府県別転入・転出超過率-2年ぶりに東京都の転入超過率上昇
下記は、2016年、2017年の都道府県別転入超過率です。
総務省統計局 住民基本台帳人口移動報告 平成29年(2017年)詳細集計結果
全都道府県のうち、転入超過となったのは7都県のみ。
転入超過率がもっとも高かったのはやはり東京都(0.57%)でした。また、東京都の転入超過率は2年ぶりに上昇しています。
東京都以外で転入超過となったのは、超過率の高い順に
【千葉県】【埼玉県】【神奈川県】【福岡県】【愛知県】【大阪府】の6府県でした。
それ以外の40道府県は転出超過という結果になっています。
最も転出超過率が高かった【青森県(0.48%)】をはじめ、【福島県】【秋田県】【長崎県】などは転出超過が目立っているようです。
また、福島県や山梨県など20府県で前年よりも転出超過率が上昇しており、いずれも都市圏への人口流入は加速しているという見方ができそうです。
三大都市圏の転入超過率―上昇は東京圏のみ
下記は、三大都市圏の転入超過率の流れです。
東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)
東京圏、東京都及び東京都特別区部(23区)の転入超過率の推移(1982~2017年)▼
住民基本台帳人口移動報告詳細集計結果(総務省統計局)を加工して作成
- 東京圏の転入超過率…0.34%【前年より0.01ポイント↑】
- 東京都の転入超過率…0.57%【前年より0.01ポイント↑ 】
- 東京都特別区部の転入超過率…0.68%【前年より0.03ポイント↑】
東京圏では東京圏全体、東京都、東京都特別区部のすべてが2015年以来2年ぶりの上昇となりました。
名古屋圏(愛知県・岐阜県・三重県)
名古屋圏、愛知県及び名古屋市の転入超過率の推移(1982~2017年)▼
住民基本台帳人口移動報告詳細集計結果(総務省統計局)を加工して作成
- 名古屋圏の転出超過率…0.05% 【前年より0.03ポイント↑】
- 愛知県の転入超過率…0.07% 【前年より0.02ポイント↓】
- 名古屋市の転入超過率…0.22% 【前年より0.05ポイント↓】
名古屋圏の転入超過率は下降傾向にあるようです。
大阪圏(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県)
大阪圏、大阪府及び大阪市の転入超過率の推移(1982~2017年)▼
住民基本台帳人口移動報告詳細集計結果(総務省統計局)を加工して作成
- 大阪圏の転出超過率…0.05% 【前年同率(3年連続)】
- 大阪府の転入超過率…0.03% 【前年より0.01ポイント↑】
- 大阪市の転入超過率…0.41% 【前年より0.04ポイント↑】
大阪圏では転出超過率は変わらないものの、大阪府、大阪市においては上昇が見られました。
2017年日本人の移動率
下記は2017年の市区町村間、都道府県間、都道府県内それぞれの移動率です。
- 市区町村間移動率…3.93% 【前年より0.03ポイント↑】
- 都道府県間移動率…1.84% 【前年より0.02ポイント↑】
- 都道府県内移動率…2.09% 【前年より0.01ポイント↑】
移動率はいずれも前年より上昇しており、多くが都市圏への流入と考えられます。
まとめ
いかがでしょうか。
移動率から見ても都市圏、特に東京の人口一極集中はますます加速しているといえそうです。
晩婚化が進みシングル世帯が増加している昨今、仕事を求めて東京へ移動する単身者が依然として増え続けていることなどが背景として考えられるでしょう。
物件選びや投資を考える際にも、こうした状況は視野にいれておきたいところです。
総務省統計局 住民基本台帳人口移動報告 平成29年(2017年)詳細集計結果
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