福岡がアツイ3つの理由…天神の再開発/地価上昇
皆さんは、不動産投資の投資先はどのように選んでいますか?
首都圏への投資もよいのですが、価格が高騰する前の地方都市に投資するのもオススメです。
そこで本コラムでは、地方で人気の都市や、人口増加している都市の魅力について探っていきたいと思います。
第1回目の今回は「福岡」です。
観光地としても人気ですが、近年移住先としても注目されています。
比較的地震も少ないことでも人気がある福岡が、不動産投資においても注目すべき理由を見ていきましょう。
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理由1:地価上昇と期待できるインバウンド需要
投資先を選定する場合、その地域の「地価」は真っ先に気になるところです。
つい先日発表された「基準地価」によると、福岡県全体の平均基準地価が2013年から6年連続で上昇しています。
2013年といえば、ちょうど東京オリンピックが決まった年でもあるため、福岡のみならず、東京や大阪の地価についても、揃って上昇を始めた時期でもありますが、注目すべきは近年の上昇率です。
2018年の基準地価を前年比で比べてみると、東京都が6.55%、大阪府が6.82%の上昇だったのに対し、福岡県については前年比でなんと9.78%も上昇しており、オリンピック開催予定都市である東京都を前年比で上回っているのです。
福岡で地価を争う2大都市、天神と博多に注目
福岡の中でも、最も地価が高い場所は、9月に発表された基準地価によると「福岡市中央区天神」にある「天神町木村家ビル」というスポットで、1平米あたり620万円でした。この価格は東京都でみても非常に高額な部類に入り、中央区の東銀座の平均地価をも凌ぐ高い水準となっています。
そして、天神としのぎを削るライバルが「福岡市博多区博多駅東」で、1平米あたり388万円でした。この水準は、東京都で例えると、中央区の日本橋の平均単価とほぼ同じです。
天神といえば、19世紀のヨーロッパをイメージした、南北590メートルの天神地下街や、福岡パルコ、イベントホールのアクロス福岡、そしてデートの定番でもあるお洒落なセレクトショップが軒を連ねる天神西通りなど、魅力的な商業施設がたくさんあります。
またライバルの博多は、何と言っても約2,500軒のお店があると言われている、中洲の屋台や、博多の観光スポットの中心でもあるキャナルシティ博多などが有名です。
アジアからのインバウンド需要の拡大
福岡の地価が上昇しているのは、国内からの影響だけではありません。
福岡は福岡空港や博多港、北九州空港、関門門司港、関門戸畑港、三池港などアジア方面からの入国ルートが多く、インバウンド外国人による需要拡大が今なお期待されている地域でもあります。
中でも多くのシェアを占めているのが、訪日韓国人です。
福岡から韓国の釜山までは、JR九州高速船のビートルを使えば、約3時間で行き来ができるとあって、気軽に訪日することが可能な環境が整っています。
福岡県の訪日外国人の56%が韓国人であり、ついで台湾、中国、香港とアジアだけで大半を占めているのです。
政府観光局の統計データによると、訪日外国人を訪問した都道府県別にカウントすると、東京都、大阪府、千葉県、京都府と続いて第5位に福岡県がランクインしており、名古屋を要する愛知県や横浜を要する神奈川県よりも多くの訪日外国人の需要があることがわかります。
理由2:不動産価格に好影響を与えそうな3つの再開発
次の投資先を選定する上で、チェックすべきなのが「再開発情報」です。
再開発が行われる予定の地域は、開発の前後で地価が上昇する可能性が高いため、大きなキャピタルゲインや安定したインカムゲインを狙いたい場合は、いち早く再開発情報を察知する必要があります。
福岡県の場合、不動産価格に影響を与えそうな再開発情報が3つもあるのです。
天神ビッグバン
先ほどもお話した通り、福岡のインバウンド需要は非常に好調ですが、天神ではこれを最大限活用しようと、福岡市では大規模な再開発構想を打ち出しました。
天神地区をアジアの拠点都市とすることを目的に、都市機能やインフラ整備を行い、車という移動手段に依存せず、歩いて移動したくなるコンパクトな街作りを掲げています。
該当エリアはこれまで制限されていた高さと容積率も緩和されたうえで、2024年までに約30棟の民間ビルを新しく建て替える計画が進められており、これにより雇用数は2015年の2.4倍となる97.100人、経済波及効果は年間で8,500億円にものぼると試算されているそうです。
天神ビッグバンプロジェクトの対象エリアは、天神交差点から半径約500メートルの範囲で、面積にすると約80ヘクタールです。
天神ビッグバンは2024年を目処にプロジェクトを進行させているため、周辺地域に不動産投資するのであれば、今がチャンスでしょう。
2016年に公開された府億岡市政PR「天神ビッグバン」▼
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地下鉄七隈線延伸事業
地下鉄七隈線とは、天神南駅から橋本駅間をつないでいる12キロの路線です。
現在のところ、七隈線沿線から博多駅や福岡空港に行きたい場合は、終点の天神南駅から地下鉄空港線に乗り換える必要があります。
そこで、地下鉄七隈線の天神南駅から博多駅までのおよそ1.4キロを延伸する事業が立ち上がり、2022年を目処に開業を予定しています。また、延伸にともない、人気スポットでもあるキャナルシティ博多付近に新駅が開設される予定です。
開通すると、七隈線から博多駅までの所要時間が、乗り換え時間も含めると約14分も短縮できます。また、博多駅構内での空港線やJR線との乗り換えもスムーズになるため、今後福岡空港を利用する訪日外国人などの観光客が、七隈線沿いの施設を利用する機会が増える可能性が考えられます。
現状のところ、七隈線沿いの不動産価格は、博多や天神の中心部に比べると落ち着いていますので、七隈線延伸開業に向けて、今のうちから投資をしておくと良いかもしれません。
福岡空港の改修
日本国内のみならず、海外からも多くの観光客を運んできているのが、九州の玄関口でもある「福岡空港」です。
福岡空港の年間発着回数は、16.7万回と羽田空港、成田空港に着いで国内第3位という大きな需要を抱えながら、なんと福岡空港には現在のところ滑走路は1本しかありません。
この事態を解消すべく、現在の滑走路の西側に2本目の滑走路を増設することが事業計画で正式決定しており、2024年に運用開始を目指す方針で進められています。
新滑走路が増設されることで、年間の発着回数は18.8万回まで増やせるそうで、滑走路の過密状態の緩和と、インバウンド需要の拡大に期待が持てるでしょう。
空港のインフラが整備されることは、近隣地域の経済効果に確実に良い影響をもたらすはずなので、今後の福岡の発展においては確実にプラスとなるでしょう。
理由3:福岡の住みやすさ
不動産投資における賃貸需要を考える場合、その地域の住みやすさは無視できません。
住みやすさというものは、指標には現れにくいものですが、人口変動が一つの目安になります。
日本全体が人口減少をしている中、福岡県の人口は増加傾向にあります。
47都道府県中、2016年から2017年にかけて人口が増加しているのは、首都圏近郊である東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、そして、愛知県と沖縄県で、九州地方では唯一福岡県だけが増加しているのです。
人口増加の1つの要因が、県内の外国人登録者数の増加です。
福岡県内の外国人登録者数は、徐々に増加してきており、2014年から2015年にかけては2,700人ほど増えており、そのうちの約900人を外国人留学生が占めています。
今後、天神ビッグバンや福岡空港の改修などによって、さらなる外国人増加が予想されるため、しばらくの間は人口増加が続くとみても良さそうです。
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福岡独特の地域性
福岡県は東京都の2倍以上の面積がある割には、人口自体は半分以下のため、人口密度が低く、公共交通機関の混雑も東京よりは緩和されています。
そして、福岡県は人口が一点に集中しない独自の地域性がある場所でもあります。
例えば、福岡市であれば天神や博多が有名ですが、北九州市や久留米市などにも、独立した都市機能があるため、人が一定の地域に集中しすぎない傾向があるのです。
不動産投資をする上で、地域の住みやすさは居住年数の長さにも影響してくるため、とても重要な要素であるといえるでしょう。
また、福岡市はコンパクトシティとも言われており、市内の移動が徒歩でも容易であるため、車を持たなくても、十分に生活が可能です。
おわりに
今回は、今後より一層注目度が高まりそうな、福岡県の不動産投資における魅力について解説してみました。
地価上昇、インバウンド需要、魅力的な再開発など、今後不動産価格が上昇する要素が揃っていると言っても過言ではないでしょう。
ただ、すでに地価やインバウンド外国人数は上昇中で、どの再開発事業も2024年頃には完成しそうですので、投資をするのならば、できる限り早い方がよいかもしれません。
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