不動産投資コラム

月極駐車場 VS コインパーキングを徹底比較!

行政書士棚田 健大郎
月極駐車場 VS コインパーキングを徹底比較!

不動産投資においては、アパートやマンションを購入して賃貸経営をするというかたちが一般的ですが、初期投資をおさえたいという場合は「駐車場・コインランドリー・トランクルーム」という不動産投資についても検討してみてはいかがでしょうか。

そこで今回は、駐車場投資について、月極駐車場とコインパーキング、それぞれについてメリット・デメリット、投資する上でのポイントをご紹介します。

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駐車場投資とは

土地を駐車場として賃貸することで収益を得るのが「駐車場投資」です。

駐車場投資は、アパートの家賃のように、利用者との間で駐車場使用契約を結んで、毎月決まった駐車場代を支払ってもらう「月極駐車場」と、時間貸しの「コインパーキング」として運用する方法の2通りがあります。

月極駐車場の特徴:初期費用は安いが、利回りは低め

初期費用
収益率
ランニングコスト
出口のとりやすさ

※★が多いほどおすすめ

月極駐車場は、土地を所有している場合、区画分けして貸し出すだけなので、初期投資はほとんどない状態でも始めることができます

メリット

  • 砂利地でも問題なく、アスファルト舗装する費用が不要
  • 専用機器を購入したり、リースする必要がない
  • 満車になれば、毎月一定の収入が見込める
  • ランニングコストがほとんどかからない

デメリット

  • 収益に上限があり、コインパーキングに比べ利益が低い傾向にある
  • 空車スペースや滞納が発生した場合は、利益が大幅に落ち込む
  • 不法投棄や違法駐車に注意が必要
  • もともと土地を所有していない場合、利益率が低い
月極駐車場成功のポイント
月極駐車場は、更地を所有している場合、特段の初期投資がなくても簡単に始められる点が、最も大きなメリットです。ただ、コインパーキングに比べると、毎月得られる利益に限界があるため、そこまで高い利回りは見込めない点には注意しなければなりません。

月極駐車場投資で成功するためには、以下の点がポイントとなります。

ポイント1:土地持ちではない場合は、利回りに注意

月極駐車場投資は、土地持ちの状態で始めるのであれば、デメリットはほとんどありません。やってみて、あまり収益が上がらなければ、いつでも撤退することができます。

ただ、ローンを組んで土地を購入したり、土地を借りて月極駐車場投資をしようとすると、実質的利回りが非常に低くなるため、あまりおすすめできません。
土地を所有していない状態で駐車場投資をしたい場合は、次にご紹介するコインパーキング投資の方が、利回りが高くおすすめです。

ポイント2:焦らないこと

月極駐車場投資は、短期間で大きな収益を出すタイプではなく、長期にわたってローリスクローリターンとなる投資です。そのため、多少稼働率が落ちたとしても、あまり慌てず、長い目で見て経営していくことがとても重要になります。

月極駐車場に向いている人

月極駐車場は、あまりリスクを抱えず、手っ取り早く土地活用をしたい人に向いています。コインパーキングやアパート経営に比べると、得られる収益は低くなりますが、その分初期投資がほとんど必要ないため、稼働率が上がらなければいつでもローリスクで撤退することが可能です。

こんな人におすすめ

  • 古くなった空家を取り壊す予定で、そのあとの活用方法を検討している
  • 生前贈与や相続で土地を取得したが、使う予定がない

コインパーキング投資の特徴:立地次第で高利回りも

コインパーキングの特徴
初期費用
収益率
ランニングコスト
出口のとりやすさ

月単位で貸し出す月極駐車場に対して、コインパーキング投資は時間単位で駐車スペースを貸し出す投資方法です。都内であれば、1時間あたり1,000円以上の収益を上げられる可能性もあるため、月極駐車場に比べて利益が高いという特徴があります。

メリット

  • 立地次第では高収益が見込める
  • 多少の不整形地でも経営が可能

デメリット

  • 専用の機器を導入する必要があるため、一定の初期投資が必要
  • 土地が舗装されていない場合は、舗装費用が必要
  • 管理運営にも一定のコストがかかる
コインパーキング成功のポイント

ローリスクローリターンの月極駐車場に比べ、コインパーキングの場合はミドルリスクハイリターンの傾向があるため、次のような点が成功のポイントとなるでしょう。

ポイント1:大手業者が参入している地域は避ける

コインパーキングは月極駐車場に比べ、価格競争が激しく、利用者側も近隣で安いコインパーキングを探しています。大手業者が近隣で参入しているような場合は、値下げ合戦によって潰される可能性があるため注意が必要です。
こちらが撤退するまで大幅な値下げを実行し、撤退した途端に価格をもとに戻すといったケースも少なくありません。

駐車スペースが4~5台程度の小規模なコインパーキングであれば、そこまでマークされませんが、それ以上の中大規模のコインパーキング投資を検討している場合は、近隣に大手業者がすでに参入していないかどうか、事前に確認しておくことが成功のポイントです。

ポイント2:立地の選定方法

コインパーキングは、月極駐車場よりも高収益が見込めるため、土地持ちではなく、ローンを組んだり、土地を借りたりして投資を始めても、それなりの利回りが確保できる可能性があります。
その際、ポイントとなるのが「立地の選定」です。

一般的には、表通りや街道沿いなどが好立地と思われがちですが、それらの土地はすでに大手業者が参入している可能性が高いため、個人投資家にはあまりおすすめではありません。
それよりも、地域の人が定期的に使う可能性が高い、以下のような立地で見つけることが重要です。

抜け道として使用される道沿い

最近では、グーグルマップなどを使って抜け道を通る車が増えたため、従来のように大通り以外にも隠れた車の流れができつつあります
実際にグーグルマップなどで経路を検索してみると、意外な道路を推奨される可能性もあるため、立地を選定する際にはぜひ参考にしてみてください。

大型集合住宅が近く、宅配業者が集配拠点として使いそうな場所

駐車違反の取り締まりが民間に委託されて以降、宅配業者の路上駐車に対するコンプライアンスが強化されています。

そのため、大型集合住宅などについては、近所のコインパーキングにトラックを駐車し、そこを拠点としてパートの配送係などを使って一気に配送するケースも増えているのです。
大型集合住宅の近くで、コインパーキングがないエリアについては、隠れた需要がある可能性があるため、必ずチェックしましょう。

人気店舗の近隣

人気の店舗

行列ができるラーメン店など、人気の店舗やショップの近隣で、店舗専用の駐車場がない場合は、コインパーキングの需要が考えられます。特に、駅から離れている場所に人気店がある場合は、土地を安く仕入れられるというメリットもあるためおすすめです。

これらの土地は表通りよりも、むしろ裏通りや住宅街に多く、土地の仕入れ値自体も低くおえられます。また、大手業者からの値下げ交戦を受ける可能性も低いため、撤退を余儀なくされる可能性も低いでしょう。

コインパーキング投資に向いている人

コインパーキング投資は、アパート投資のような高額な投資でハイリスクを負いたくはないけれど、月極駐車場よりは高い収益を出したい、そんな考えの人に向いています。

こんな人におすすめ

  • 月極駐車場よりも高収益を望む人
  • 高額な融資を受けて投資をすることに不安がある人

コインパーキング投資の初期投資でかかる費用

コインパーキング投資をするためには、以下のような初期投資が必要になります。

【基本的な費用】

  • 土地仕入れ費用
  • アスファルト舗装費用
  • 建物解体費用

【専用機器に関する費用】

  • 精算機設置費用
  • ロック板設置費用
  • 照明器具設置費用

アスファルト舗装費用については、路盤工事や表層工事も含めて、100㎡あたり50~80万円程度を想定しておくとよいでしょう。

土地の仕入れ費用や解体費用については、個別の案件に応じて変わってくるため、できる限り低くおさえられるよう努力する必要があります。

一括借り上げを利用すれば、初期投資をおさえられる

これら初期投資のうち、専用機器に関する費用については、コインパーキング運営会社の「一括借り上げ」を利用すれば、すべて運営会社の負担で設置してもらえます。

不動産投資家は土地を用意するだけでよく、設備の設置や運営管理はすべて運営会社が行ってくれます
ただし、収益となる借り上げ金額については、1台あたり周辺の月極駐車場相場よりも少し高いくらいの金額で固定されるため、そこまでの高収益は見込めません。

ただ、近隣に大手業者が参入している場合など、競合する可能性が高いエリアについては、無理をして自主運営するよりも、一括借り上げを選択して初期投資をおさえて始めるほうが得策でしょう。

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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