不動産投資コラム

[大家さんの確定申告] ⑤手続き方法

2018/06/18
行政書士棚田 健大郎
[大家さんの確定申告] ⑤手続き方法

[大家さんの確定申告]で概要や流れを説明してきましたが、今回は実際に確定申告の方法について解説いたします。

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具体的な確定申告の流れを把握して、自身の確定申告に役立ててください。
確定申告の準備は直前にするものではなく、1年を通じて行っていくことがとても大切です。それでは始めましょう。

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1.まずは必要書類を揃えよう

確定申告を始める前に必要書類を揃えていく必要があります。
まずは、書類の入手先を再度確認していきます。

1-1. 必要書類一覧と入手方法

確定申告で必要な書類を確認していきます。
4回目でも紹介していますが、おさらいしていきたいと思います。

大家さんとして家賃収入を得るようになると、不動産所得が発生します。
下記で必要な書類と入手先を説明していきます。

▼税務署または国税庁のHPから入手する書類

  • 確定申告書B
  • 不動産所得用の青色申告決算書

自分で作成する書類ですが、国税庁のHPの確定申告作成コーナーや会計ソフトを使って印刷した書類でも大丈夫です。

▼勤務先から入手する書類

  • 源泉徴収票(12月または1月の給与明細と一緒に発行)

▼不動産会社から入手する書類

  • 土地建物売買契約書(投資物件を購入した際の書類)
  • 不動産売買精算書(不動産の売買契約においての費用明細)
  • 譲渡対価証明書(土地と建物の按分を記載したもの)
  • 売買契約の仲介手数料領収書(物件を購入時に不動産会社に支払った仲介手数料)
  • 固定資産税精算書または領収書(売買契約時に売主から貰う)
  • 登記費用明細または領収書(売買契約時に依頼している司法書士から発行)
  • 家賃送金明細(管理会社に委託している場合のみ、自主管理の場合はありません)
  • 賃貸借契約書(売買契約時に引継ぎまたは賃貸契約をした不動産会社)

▼銀行から入手する書類

  • ローン返済予定表

▼リフォーム会社または賃貸委託した会社から入手する書類

  • リフォームの見積書、請求書、領収書

部材をネットなどで購入して工事の依頼をしている場合は、ネットの注文明細などになります。不動産事業につかっているものは印刷しておくようにしましょう。

▼都道府県や市区町村などの自治体から入手する書類

  • 不動産取得税の通知書および納付書(購入してから数か月で届きます)
  • 固定資産税の通知書および納付書(毎年5月前後に届きます)

▼保険会社から入手する書類

  • 火災保険および地震保険の証券

以上が不動産所得を算出するための基礎となる書類です。
他にも不動産事業に関連する支払いや、備品の購入などのレシートを保管し、整理しておくようにします。

確定申告の時期になってから準備するとなると、大変な労力となります。
普段から不動産事業に関係がある書類は別にしておくようにしましょう。

2.決算書(青色)について

大家の確定申告で決裁書(青色)について

不動産所得があれば青色申告を選択することができます。
青色申告のメリットは第2回目で説明していますが、青色申告の場合、65万円の控除や家族など身内に対する専従者給与が認められるためには、不動産賃貸業を事業的規模で行う必要があります。

また、翌年の確定申告で青色申告をするためには、3月15日まで所轄の税務署長に「所得税の青色申告の承認申請書」を提出しなければなりません。
サラリーマンの場合、不動産投資を始めてから2ヶ月以内に所轄の税務署長に青色申告の承認申請書を提出することで、翌年の確定申告で青色申告をすることができます。
青色申告をするためには忘れずに申請しておきましょう。

不動産投資での青色申告で提出する決算書類は貸借対照表と損益計算書となります。
貸借対照表と損益計算書を作成するためには、簿記による仕分けをして総勘定元帳を作成し、毎月の試算表を作成しておく必要があります。会計ソフトを利用してもよいでしょう。

白色申告であっても帳簿付けや保管の義務が出来ていることで手間が増えていますが、貸借対照表や損益計算書などの決算書類の提出は必要ありません
ただ、支払経費の簡易帳簿を作成し、領収書やレシートなどの保管が義務付けられています。

次回は確定申告のフォーマットと記入方法を説明いたします。

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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