コラム

[大家さんの確定申告] ① 必要性とメリット

行政書士棚田 健大郎
[大家さんの確定申告] ① 必要性とメリット

不動産投資を始めると、必ずしなければならないのが「確定申告」です。
たとえサラリーマンであっても、給与以外に「家賃」という収入が発生するため、その所得に応じた確定申告が必要となります。

この記事では「いつもの確定申告とどう違うの?」「手続き大変?」「どうやるの?」などの疑問に答えて、具体的に解説していきたいと思います。

1.白色ってなに?青色ってなに?

確定申告には白色申告と青色申告の2種類がありますが、それぞれ何が違うのかについて知らない人は多いのではないでしょうか。
意味や違いを知らないと、税金面で損をしてしまうかもしれませんので、まずは白色申告と青色申告の違いについて見ていきましょう。

1-1.白色と青色の違い

確定申告とは、個人では1月1日から12月31日までの1年間でどれだけの所得があったのかを申告するものです。
基本的には所轄の税務署において、翌年の2月16日から3月15日までの1ケ月間において手続きをすることになります。

確定申告は、白色申告と青色申告に分かれており、事業規模としての青色申告の承認申請書を税務署に提出することで青色申告とすることができます。

白色申告というものは特に取り決めはありませんが、一般的な確定申告は青色申告と分けるために白色申告といわれています。
つまり、青色申告の承認申請書を提出していない場合は、すべて白色申告となります。

青色申告の方が白色申告よりも手間がかかりますが、その分あとでご紹介するいくつかの節税できる特典が受けられます。
また、2014年分から白色申告であっても帳簿への記帳や保存が義務化されたため、白色と青色でほとんどかかる手間に差がなくなりました。

よって、青色申告の条件に該当している場合は、できる限り青色で申告したほうがメリットがあると言えます。

1-2.不動産所得は青色申告の条件に当てはまる

不動産所得は青色申告の条件に当てはまる
不動産所得は青色申告になると一般的に言われていますが、それは青色申告をするための条件に当てはまっているからです。

青色申告の制度を利用するためには、事業所得、山林所得、不動産所得のいずれかがある人です。
不動産投資をすることで、家賃収入という不動産所得が発生するため、不動産投資家は青色申告を利用することができます。

ただ不動産所得があれば、自然に青色申告となるわけではありません。
その年の3月15日までに、所轄の税務署長に「青色申告の承認申請書」を提出することで、翌年の確定申告において青色申告することができます。

また、青色申告申請書を提出したあとについても、青色申告に必要な帳簿付けなどは必要となります。青色申告に則った帳簿は必ず揃えるようにしましょう。

1-4.サラリーマンの副業としての家賃収入

サラリーマンがワンルームマンションなどを購入して、不動産投資として家賃収入を得ているケースは、最近では珍しくありません。

不動産所得を得ていてもワンルームマンション1室で小規模であれば、確定申告は必要ないと考いる人もいるようですが、そうではありません。
次の要件に当てはまる場合は、サラリーマンでも確定申告が必要です。

サラリーマンで確定申告が必要なケース

  • 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
  • 1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
  • 2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
  • 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
  • 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
  • 源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人
  • 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

注釈:給与所得の収入金額から、雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人は、申告の必要はありません。

国税庁HPより:http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm

例えば、不動産所得以外であっても、サラリーマンが給与以外で20万円以上の所得が発生した場合は、確定申告をしなければならないのです。
ワンルームマンション1室であれば条件によっては、家賃収入は20万円を超えても控除を差し引いた不動産所得が20万円未満であれば、確定申告をしなくても問題がない場合もあります。

ただ、不動産所得の場合は確定申告をすることにより多くのメリットを受けられますので、確定申告の知識は持っておいたほうがよいでしょう。

1-5.サラリーマンが確定申告するメリット

不動産所得は青色申告の条件に当てはまる
サラリーマンは給与から所得税などが源泉徴収されていますが、不動産所得が赤字となっている場合、確定申告をすることによって赤字分を給与所得と合算することができます。これを「損益通算」といいます。
不動産所得で赤字が出ていても、確定申告をしなければ給与所得と合算することはできません。

例えば不動産所得で30万円の赤字が発生した場合には、確定申告をして給与所得と合算することで、給与所得を30万円減らすことができます。
源給与所得が30万円減少することで、給与所得30万円にかかっていた所得税が減額されることになり、源泉徴収されていた所得税が還付され、さらに住民税も節税することができます。

次回は、青色申告のメリットについて解説していきたいと思います。

関連記事:[大家さんの確定申告] その2 青色のメリットとデメリット

棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

行政書士・マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・敷金診断士・ファイナンシャルプランナー。大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。行政書士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。