コラム

年収別/投資に回してもよい金額と物件選び

2018/08/24
年収別/投資に回してもよい金額と物件選び

不動産投資をするにあたり、年収のどれだけを投資に回すか、その割合を決めるのは大事なステップです。
連載3回目となる今回は、年収別に投資金額と、購入できる物件について見てみましょう。
これまでの連載記事とあわせて、参考にしてみてください。

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年収別・投資金額と購入可能な投資物件

年収700万円の方の場合

年収700万円ですと、社会保険料、所得税などを計算して控除すると、手取り額がその82%程度の約570万円と計算されました。

前回の記事で紹介した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、年間手取り額に対する預貯金割合の平均は年収が500~750万円未満で11%。
ということは、89%が貯蓄以外の生活費となります。
生活防衛資金を3カ月と仮定すると…
生活防衛資金:570万円(手取り年額)×89%(生活費)÷12か月×3か月≒127万円

同調査では、年収700万円程度なら預貯金額はざっくり550万円程度と考えられますので、550万円から127万円を引いた423万円が投資に回してもよい余剰資金となります。

購入可能金額をXとすると
0.1X(自己資金)+0.07X(諸費用)=423万円
X≒2,488万円

買える物件は「区分ワンルームマンション・J-REIT・クラウドファンディング」


2,500万円程度で買える物件ということは、一棟ものの物件はやや難しいと思われますので、中古の区分所有のワンルームマンションがよいのではないでしょうか。
築年数などにもよりますが、都内中心部でも1,000~1,500万円程度のものがあります。金額的に投資がしやすく、売却する時の流動性も高いことから、中古マンションから始めてはいかがでしょう。
区分所有の場合、複数戸所有することで、空室時のリスクを分散できたり、必要に応じて、そのいくつかを機動的に売却できたりするのが特長です。
ただ、中古の区分所有マンションの場合、一戸では収入はさほど期待できないと思いますので、徐々に戸数を増やし、複数戸所有することで収入を積み重ねていくことがポイントになると思います。

また、現物の不動産ではないですが、不動産投資のひとつとして、J-REITやクラウドファンディングというものがあります。
どちらも、不動産を個人で直接購入するわけではなく、小額からでも投資できるというのが人気の理由となっています。
ここでは詳細には触れませんが、J-REITは、投資家から集めた資金を複数の不動産に投資し、その賃料収入などから得られた利益を投資家に分配する投資信託で、10万円程度から購入できるというものです。
一方、クラウドファンディングは、より投資額の下限が低く、1口1万円程度から始められます。投資家から集めた資金を1つの不動産に投資し、収益から分配金を得るというものです。
不動産投資に興味があるけど、多くの自己資金を用意できない、という方には、お手軽でよいかもしれません。

年収1,000万円の方の場合

年収1,000万円の場合、モデルケースでは手取り額がその80%程度の約800万円と計算されました。

上記調査では、年間手取り額に対する預貯金割合の平均は1,000~1,200万円未満で15%。85%が生活費となります。
生活防衛資金を3か月と仮定すると…
生活防衛資金:800万円(手取り年額)×85%(生活費)÷12か月×3か月≒170万円

同調査では、年収1,000万円程度では、預貯金額はざっくり1,000万円程度と考えられますので、1,000万円から170万円を引いた830万円が余剰資金となります。

同様に計算すると、購入可能金額は4,882万円

となりました。

買える物件は「一棟アパート」


購入可能金額が5,000万円程度ということは、中古の区分所有のマンションを複数戸という手段もありますが、木造アパートの一棟ものという選択肢もでてきます。
5,000万円程度であれば、低層で10戸以下のものが都内でもあります。

一棟もののメリットとしては、まとめて複数の部屋を所有できるので、一戸ずつ個別にローンを組んだり、手続きをばらばらに進めたりしなくてよいという効率の良さが挙げられます。また、物件全体のリスクはありますが、複数部屋があるので、空室のリスクが比較的軽減されるといったこともメリットの1つとなるでしょう。

一棟ものの場合は区分所有と違い、建物全体の所有者となるので、自由に建物全体の修繕・更新工事をすることができたり、リノベーションを行うことによってバリューアップを図りやすくなるといった醍醐味があります。

年収1,500万円の方の場合

年収1,500万円に設定したモデルケースでは、社会保険料、所得税を計算して控除すると、手取りがその72%程度の約1,090万円と計算されました。

上記調査では、年間手取り額に対する預貯金割合の平均は1,200万円以上で19%なので、81%が貯蓄以外の生活費となります。
生活防衛資金を3か月と仮定すると…
生活防衛資金:1,090万円(手取り年額)×81%(生活費)÷12か月×3か月≒220万円

同調査では、年収1,500万円程度では預貯金額はざっくり2,100万円程度と考えられますので、2,100万円から220万円を引いた1,880万円が余剰資金となります。

同様に計算すると、購入可能金額は11,059万円となりました。

買える物件は「一棟マンション」


1.2億円程度を投資できると、選択肢はかなり広がります。
年収700万円と1,000万円の場合の選択肢に加え、RC(鉄筋コンクリート)造の一棟マンションなども検討できます。部屋数は10戸以上で、やや小規模な中層のマンションというイメージです。RC造の一棟もののマンションは、木造アパートの場合のメリットに加え、構造がしっかりしており建物の耐用年数が長いため、長期間のローンを組みやすいということがいえます。

まとめ

いずれの年収のケースでも、自己資金は、あくまでデータから推定して設定しています。
もし自己資金が十分にある場合、上記以上の物件を購入することはもちろん可能です。自分なりに年収に対するの借入上限を意識しつつ、購入する物件の種類を検討してみましょう

投資物件の場合、買い入れまでのスピードが命です。
まず、ご自身だったらどのくらいの物件を購入できそうか、前もって予算の目安をもってから物件選びをすることが大事だと思います。

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堀田 直紀
堀田 直紀

堀田 直紀

不動産鑑定士

堀田 直紀

不動産鑑定士

立命館大学法学部卒業後、住友不動産販売株式会社にてタワーマンション等を販売。 不動産鑑定士試験合格後は、民間最大手の大和不動産鑑定株式会社にて約11年間、収益物件をはじめとした鑑定評価業務に従事。平成29年10月、ミッドポイント不動産鑑定株式会社を設立。

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