不動産投資コラム

投資目線で見た「コンテナハウス」のデメリットとは

行政書士棚田 健大郎
投資目線で見た「コンテナハウス」のデメリットとは

「コンテナハウス」について、前回 はメリット中心にご紹介しました。
2回目の連載記事となる今回はコンテナハウス投資のデメリットやメンテナンスなどのコストについて詳しく見ていきましょう。

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投資として考えたときのコンテナハウスのデメリット

コンテナハウス投資はまだ前例の少ない投資法なので、今後検討したいという方はデメリットについてもよく理解しておくことが大切です。

立地の制約

現場で作り上げていく賃貸物件とは違い、コンテナハウスについては工場で組み上げたものを現場に設置します。
工期が短縮できるというメリットがある一方で、完成した大型コンテナを輸送、設置するために大型トレーラーが乗り入れできる道路状況が必須です。

コンテナ運搬

そのため、たとえ土地があったとしても設置が難しいケースもあるため、ある程度立地に制約があります。

建設コストは木造よりは高く、RCよりは低い

コンテナとはいえ、賃貸物件仕様に鉄製のコンテナを製作する必要があるため、鉄筋コンクリートマンションよりはコストが抑えられるものの、木造アパートよりは若干割高になります。

ただ、防音性などについては木造よりも性能がよいなどメリットとなる部分もあるため、一概にデメリットと考えなくてもよいでしょう。

建築基準法の許可がおりない

中古のコンテナを安く仕入れてコンテナハウスを組み上げたいという方もいるかもしれませんが、残念ながらそのやり方では建築確認申請がおりません

そもそも貨物輸送用のコンテナは「ISO海上輸送コンテナ」といい、JIS鋼材が使用されていないためコンテナハウスとして流用すると建築基準法違反になってしまうのです。

また、コンテナをコンテナハウスにする際にネックとなるのが窓などの開口部です。

もともと貨物輸送用のコンテナに窓はついておらず、コンテナという箱をそれぞれの壁で支える構造になっています。
そのため窓をつけようとすると壁の強度が落ちてしまい、耐久性が一気に低くなってしまうのです。

結論として、コンテナハウスで建築確認申請を通すためには、中古のコンテナを使用するのではなく、コンテナハウスのためのコンテナを新しく製作しなければなりません

ローンを利用しにくい

不動産投資といえばレバレッジ効果を発揮するために、不動産投資ローンを使って投資をするのが一般的ですが、コンテナハウス投資についてはローンが利用しにくいというデメリットがあります。

不動産投資ローンの審査は主に「本人の属性」「物件の担保評価」ですが、コンテナハウスについては投資物件としてまだ歴史が浅く未知数な部分が多いので、金融機関からの評価が出にくく結果としてローン審査が通らないというケースがあるのです。

コンテナハウスでローン審査を通すためには、コンテナハウス投資に実績のある業者経由でローンを組んだほうがよいでしょう。

雨漏り・サビ・断熱効果はさほど心配ナシ

コンテナハウスのメンテナンス費用については、基本的に木造アパートなどとほとんど変わりません

むしろ、コンテナハウスはどうしても簡易的なイメージがあるためメンテナンス費用がかかると思われがちですが、実際のところ以下の点についてはそこまで心配する必要はありません

雨漏りのリスクについて

コンテナハウスというと通常は天井が波板一枚なので雨漏りするリスクを心配する方もいるようですが、実際はアパートなどとリスクはほとんど変わりません

排水経路さえ確保されていれば、強度自体は強いので雨漏りすることはほとんどありませんし、万が一雨漏りをしたとしても構造が単純なので雨漏り箇所を特定しやすく、復旧工事が簡単な場合もあります。

コンテナのサビについて

コンテナのサビ

コンテナハウスの素材は鉄製なのでサビを気にする方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、コンテナハウスで鉄部がむき出しになっているものについては、どうしても雨などによってサビることはあるようです。

ただ、最近ではデザイン性や機能性を重視して、コンテナハウスの外壁をサイディングボードなどで加工するケースも増えてきており、鉄製の外壁がサビて見た目や強度が落ちる心配がなくなってきました。

断熱効果について

コンテナは鉄製なので断熱効果が低いと思われがちですが、コンテナハウスについては断熱材などを使用するケースが多いので、基本的には一般的な賃貸マンションとさほど変わらない断熱効果があります。

また、結露によるカビや水滴などのメンテナンスリスクについても、基本的にはほかの賃貸物件と同等と考えて問題ないでしょう。

このようにコンテナハウスには、一定のデメリットはあるものの、メンテナンス費用については通常の賃貸経営と大きく変わらないことがお分かりいただけたでしょうか。

コンテナハウスについての最終回となる次回は、コンテナハウス投資にかかる初期費用や、同時に検討する方が多いトレーラーハウス投資について解説したいと思います。

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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