埼玉県がアツい!人気の理由とメリット・デメリット
関東住みたい街ランキング2019ではトップ10にランクインし、映画「翔んで埼玉」のヒットがさらなる注目度アップの後押しとなった埼玉県。
2019年3月にはムーミンをテーマにした「ムーミンバレーパーク」もオープンするなど、ホットな話題が多い印象です。
今回は今アツい「埼玉県」について、不動産投資目線で分析してみたいと思います。
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なぜいま注目を集めている?埼玉県の特徴とメリット
不動産情報サイト「スーモ」が公開している「関東住みたい街ランキング2019」では、5位に「大宮」、8位に「浦和」と、東京都以外の街にも関わらず、トップ10に埼玉県の街が2つランクインしています。
住みたい街ランキング2019 関東 総合ランキング
「翔んで埼玉」や「ムーミンバレーパーク」のほかにも、観光地として人気が出始めている「小江戸川越(時の鐘と蔵の街)」、2017年4月にオープンした西武秩父駅前温泉「祭りの湯」など、エンターテイメントの分野でも埼玉県の注目度が高まっています。
そのほか、埼玉県には賃貸としてどのようなメリットがあるのでしょうか。
埼玉県は東京都よりも家賃が割安
埼玉県は以前から東京のベッドタウンとしても知られていて、東京よりも家賃が低く抑えられるとあり、さいたま市、川口市、戸田市など東京へのアクセスがよい地域については、賃貸でも人気があります。
埼玉県の家賃は東京都と比較すると、どの程度割安なのでしょうか。
不動産・住宅情報サイト「ライフルホームズ」の「埼玉県の家賃相場情報」によると、ワンルームの家賃相場が最も高いさいたま市大宮区で「6.69万円」となっています。
一方で、東京都の場合、最も高い港区で「12.8万円」と非常に高く、大宮との距離が比較的近い北区の家賃相場と比較しても「7.74万円」とおよそ1万円以上も家賃が割安になるのです。
間取りごとの家賃相場について比較すると、次のようになります。
さいたま市大宮区:6.69万円
東京都北区:7.74万円
東京都港区:12.8万円
【1LDK・2K・2DKの場合】
さいたま市大宮区:10.04万円
東京都北区:11.67万円
東京都港区:25.11万円
【2LDK・3K・3DKの場合】
さいたま市大宮区:10.91万円
東京都北区:15.37万円
東京都港区:34.38万円
都心へのアクセスがよく、通勤通学にも便利
東京と比較して家賃が割安であること、またベッドタウンとしての需要があることはわかりましたが、実際の通勤・通学時間にはどの程度の差があるのでしょうか。
例えば、さいたま市のJR大宮駅から新宿駅や東京駅まで通勤するとした場合、次のような経路になります。
大宮駅→湘南新宿ライン快速→新宿駅 32分
大宮駅→上野東京ライン→東京駅 34分
このように、およそ30分強で、しかも乗り換えなしで都心にアクセスできる駅が埼玉県には多く、交通の便としては、東京都下の物件よりも通勤がしやすい街も多数あるのです。
人口増加している都市である
人口減少が続く日本において、地方都市については人口が減っていく傾向があり、都市としての将来性があまり期待できない地域もあります。ですが、埼玉県については人口減少どころか、東京都に次いで人口が増加しているのです。
総務省統計局の「都道府県別人口増減率」の平成29年度のデータによると、埼玉県は東京都に次いで2番目にわずかですが人口が増加していることがわかります。
1位:東京都0.73%
2位:埼玉県0.28%
3位:沖縄県0.26%
統計局ホームページ
ちなみに、人口の増加要因には、死亡数と出生数の差による「自然増加」と、人口流入と流出の差による「社会増加」の2つの要因がありますが、埼玉県については「自然減少・社会増加」の傾向があり、他の都道府県からの人口流入により人口が増えています。
不動産投資目線で見た場合、社会増加がある地域については賃貸需要が見込めるため、不動産投資をする地域としても向いているといえるでしょう。
東京にはない、規模が大きい大型商業施設が多い
東京都の場合は土地が高く狭いため、とくに都心部では大型の商業施設が少ないですが、埼玉県であれば、次のような大型商業施設があります。
- 三井ショッピングパーク ららぽーと富士見(富士見市)
- 三井ショッピングパーク ららぽーと新三郷(三郷市)
- ピアラシティみさと(三郷市)
- イオンレイクタウン(越谷市)
- モラージュ菖蒲(久喜市)
- イオンモール羽生(羽生市)
- イオンモール川口前川(川口市)
- イオンモール与野(さいたま市中央区)
- ピオニウォーク東松山(東松山市)
- コストコ入間(入間市)
- コストコ新三郷(三郷市)
- コクーンシティ(さいたま市大宮区)
こういった商業施設があると、生活に必要なものがほとんどが揃うのでとても便利です。
デメリット
住む上でのメリットや注目度が高い埼玉県ですが、次のようなデメリットもあるため、不動産投資先として検討する際には知っておく必要があります。
通勤電車が混む・遅れる
通勤時間については、先ほども触れたように30~45分程度で都心にアクセスできますが、多くの人が通勤するため電車は非常に混み合います。
下記は国土交通省が行った都市鉄道の混雑率調査で、混雑率が180%を超えている個別路線11路線です。
国土交通省「東京圏で混雑率180%超の路線が12路線から11路線へ」を加工して作成
埼玉県と東京都をつなぐ埼京線と京浜東北線はいずれも混雑率180%を超えています。
東京圏の平均混雑率が163%と比較すると、非常に混雑することがわかります。
また、遅延状況についてもあまり好ましくありません。
同じく国土交通省の「東京圏の鉄道路線の遅延見える化」(平成29年度)のデータによると、1ヵ月のうちの平日20日間当たりの遅延証明書発行日数は次の通りです。
JR埼京線・川越線:18.2回
JR京浜東北線・根岸線:17.7回
「東京圏の鉄道路線の遅延見える化」(平成29年度)
このように、ほぼ毎日のように電車が遅延しているため、通勤する場合は時間に余裕をもって出発する必要があります。
夏の暑さ/フェーン現象とヒートアイランド現象
2018年には熊谷市で観測史上最高を5年ぶりに更新する41.1度を記録するなど、埼玉は夏が非常に暑いのです。
埼玉県の平野部は、北や西に山が多く上空の空気が吹きおろしてくるため、空気が圧縮されて温度が上がるフェーン現象が起こりやすい傾向にあります。
また、南からの海風については都心のヒートアイランド現象により一気に暖められるため、フェーン現象と相まって非常に暑くなるのです。
投資目線で見た埼玉県のメリット・デメリットをご紹介しました。
次回 はそんな埼玉県の、狙い目の街についてご紹介したいと思います。
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