日本橋の再開発、続々と/首都高地下化で空が開ける
次々と発表される八重洲・日本橋地区の再開発。
いずれも東京オリンピック後の着工が予定されており、すべての開発地区が整備され、計画されている建物が完成すると、今までとは街の印象がガラリと変わりそうです。
今回は、日本橋川沿いの開発地区に注目します。
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日本橋一丁目中地区
この開発地区には、歴史的建造物である野村證券日本橋ビルも含まれています。
本館と新館は解体されるようですが、昭和5年に建てられた旧館は外壁保存や免震化され、その姿を留めたまま生まれ変わる予定です。こうした、日本橋界隈ならではの風格ある街並みの保全計画も盛り込まれています。
また、合計約17,200㎡の大規模カンファレンス施設が組み込まれる予定で、「大規模国際カンファレンス等の開催に必要な都市機能を整備する」のが目的とされています。
日本橋川沿いのオープンスペースやプロムナードが整備され、連続的なにぎわいが生まれます。
パース画像:内閣府/「都市再生特別地区(日本橋一丁目中地区) 都市計画(素案)の概要」より
八重洲一丁目北地区
東京駅周辺は、世界有数の地下歩行者ネットワークが形成されていますが、日本橋駅周辺の地下歩行者ネットワークとの接続が課題となっています。
そこで、駅・まち・川をつなぐ地上・地下・デッキの歩行者ネットワークが整備される予定ですが、この動線が完成すれば、地下鉄から地上へストレスなく移動できることから日本橋地域の活性化を後押ししそうです。
日本橋川交流拠点の象徴となる広場空間の整備も計画されており、2・3Fからも水辺を楽しめる重層的な広場空間(立体広場・合計約2,400㎡)日本橋川沿いの水辺空間の入口となるゲート広場(約1,000㎡)が誕生する予定です。
パース画像:内閣府/「都市再生特別地区(八重洲一丁目北地区) 都市計画(素案)の概要」より
日本橋室町一丁目地区
江戸時代から薬問屋が多いエリアで、今も製薬会社などのライフサイエンス企業が集まるエリアです。先に取り上げた2地区とは川を挟んだ反対側に位置します。
ライフサイエンス産業を支える拠点づくりがこの開発地区の特徴といえるでしょう。
金融・ライフサイエンスビジネスの拠点が集中しているエリアですが、住環境としては充実しているとはいえません。
そこで、国際的なビジネス活動を支える外国人など多様な人々のニーズに対応した居住施設も計画に盛り込まれています。
パース画像:内閣府/「都市再生特別地区(日本橋室町一丁目地区) 都市計画(素案)の概要」より
日本橋川周辺では、このほかに日本橋一丁目1・2番街区、日本橋一丁目東地区で開発が計画されています。
首都高地下化で日本橋が空を取り戻す
昭和39年の東京オリンピック開催をきっかけに、日本橋の上空を覆うように首都高速都心環状線が建設されました。
建築されてから55年以上が経過し、今ではあちこちにひび割れや亀裂などの劣化による損傷が目立っています。
造り変えの必要に迫られているタイミングで八重洲・日本橋の土地再生プロジェクトが続々と立ち上がったこともあり、街づくりと連携して、首都高地下化に向けての取り組みが行われています。
首都高の地下化が完了すれば、景観が大きく変わるだけでなく、江戸橋ジャンクション周辺の渋滞緩和も期待されています。
首都高日本橋区間の地下化は、自治体や首都高速会社、都市再開発の民間事業者も費用負担をし、約3,200億円の総事業費をかけて行われるビッグプロジェクトだけに、完成後の新たな街の姿が楽しみです。
東京都/「首都高速都心環状線の地下化(神田橋JCT~江戸橋JCT)都市計画変更素案について」より
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