庭つき物件で入居者が勝手に木を切った。弁償してもらえる?
庭つきの戸建て物件を賃貸したのですが、もともとあった木を賃借人が勝手に切ってしまいました。
弁償してもらえるのでしょうか?
伐採した理由や程度によって結論が異なる可能性があります。
庭付き一戸建ての賃貸物件の場合、賃貸借契約で特段の取り決めがなければ庭やその植栽等も建物と一体として賃貸借の目的物に含まれると考えるのが一般的です。
その場合、賃借人は賃貸物件の敷地・庭の植栽について、信義則上、一体の善管注意義務を負うこととなります。
つまり、賃借人は庭にある木などの植栽について定期的な草取りや剪定などの義務が発生するのです。
ただ、通常はこれらにかかる費用については賃貸人負担としたり、賃貸人が手配した業者が定期的に行うことが多いです。
今回のケースの場合、賃借人が木をなぜ切ったのか、どの程度切ったのかがポイントになります。
例えば剪定目的で枝の一部を伐採しただけであれば損害賠償請求は難しいでしょう。
対して、木を根元から切ったとなると、よほどの合理的な理由がなければ賃借人に損害賠償責任が生じる可能性は否定できません。
庭付き一戸建て賃貸物件の庭に手を加える際には、事前に賃貸人や管理会社に確認することがトラブル防止につながります。
また、賃貸人や管理会社としては、賃貸借契約書上や別紙などにおいて庭の使用方法や管理方法について契約時に賃借人に説明して書面を交付しておくことをおすすめします。
2021/10/08
手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?
回答者棚田 健大郎
行政書士・マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・敷金診断士・ファイナンシャルプランナー