不動産売却の際に権利書を紛失していた場合、どのような手続きが必要?
所有する賃貸物件を売却することになりました。
所有権移転登記を仲介不動産会社専属の司法書士にやってもらおうと思っているのですが、権利書を紛失してしまったようで見当たりません。
権利書がない場合には、別途、本人確認情報として10数万円払わないといけないようです。
10数万円よりも安価に手続き出来る方法はありますか?
本人確認情報作成以外の場合、「事前通知制度」と「公証人による本人認証制度」があります。
不動産売却の売主が権利証を紛失している場合、不動産売却を原因とする所有権移転登記を申請するには3つの方法があります。
①本人確認情報の作成を司法書士に依頼する場合
一般的に、登記申請代理人である司法書士が売主と面談し、権利証の代わりとなる「本人確認情報」を作成します。
本人確認情報の作成を司法書士に依頼する場合、通常、10万円前後の費用が発生します。
②事前通知制度
本人確認情報作成以外の場合、「事前通知制度」と「公証人による本人認証制度」があります。
前者は、一旦法務局で登記申請の受付をしてから、法務局が売主に対してこの登記申請が間違いないかどうかの通知を郵送し、売主が2週間以内に回答することで売主であることを確認する制度です。
ただ、この制度は2週間以内に回答しないと却下されてしまう危険性があるため、通常、不動産売却の時にはこの制度は利用いたしません。
したがって、本人確認情報を利用しないとなると公証人による本人認証制度を利用することになります。
③公証人による本人認証制度
公証人による本人認証制度は、売主本人が公証役場に出向き、公証人に本人確認をしてもらう制度です。
この制度であれば、費用は数千円で足ります(具体的な金額は公証役場にご確認ください)。
その際、印鑑証明書、実印、運転免許証等の身分証明書および認証してもらう登記用委任状を持参する必要があります。
そのため、担当する司法書士から登記用委任状を事前に入手してから公証役場に持参する必要がありますので、ご注意ください。
また、この本人認証制度を利用する場合、決済日までに行えば良いのですが、遅くとも決済が開始する時間までに行う必要があります。
一度、仲介不動産の担当者を通じて、登記を担当する司法書士に対して、公証人による本人認証制度を利用したい旨を伝え、事前に打ち合わせをしておくことをお薦めいたします。
2019/04/25
今の日本の人口動向に沿って設計「新築一棟投資法」とは?解説本無料プレゼント
回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士