不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

親から借りた借入金の利子は、経費計上できる?

アパートを購入するにあたり、親から1,000万円を借り入れました。
利息を年1%支払うことにしています。この利息は経費計上できますでしょうか。

同一生計親族か別生計親族かによって異なります。

別生計親族 利息を経費に計上することが可能
同一生計親族 利息を経費に計上できない

別生計親族の場合

利息を経費に計上することが可能です。

ただし、利息を受け取った親御さんは、利息金額を雑所得として確定申告しなければなりません。
年末調整されている給与所得者、もしくは年金のみ400万円以下の方の場合には、利息が20万円未満であれば確定申告は不要になります(住民税の申告は必要な場合がありますのでご注意ください)。

同一生計親族の場合

利息を経費に計上することはできません。

利息を受け取った親御さんの方でも、利息金額を所得に計上する必要はありません。

読みにくい条文ですが、所得税法56条に規定されています。

居住者と生計を一にする配偶者その他の親族がその居住者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業に従事したことその他の事由により当該事業から対価の支払を受ける場合には、その対価に相当する金額は、その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入しないものとし、かつ、その親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。

この場合において、その親族が支払を受けた対価の額及びその親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、当該各種所得の金額の計算上ないものとみなす。

第五十六条(事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例)

2019/04/28

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

記事一覧