不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

複数ある合同会社をまとめたい。合併の手続きと費用は?

合同会社で3法人作って、それぞれ1棟ずつ賃貸不動産を保有しております。
これら3法人を1法人にまとめられないでしょうか?

代表社員は一人で3社とも同じです。
借り入れをしている銀行はすべて同じです。決算期もすべて同じです。

合併となるとどのような手続きとどのくらいの費用がかかるのでしょうか?
また、合併以外に方法があったら教えてください。

合同会社同士を合併することは可能です。
具体的な手続きは、必ず税理士や司法書士に相談して行ってください。

ここではざっくりと手続きと費用について解説します。

(1)合併の登記

合併契約を作成し、債権者への公告、個別の債権者への催告の手続きが必要です。
⇒形式的な手続きです。1ヵ月以上の官報等への公告が必要となるため、多少時間はかかります。

登録免許税は、

合併により消滅する会社 1社につき 3万円
合併により存続する会社 増加する資本金×0.15%(最低3万円)

その他、商号変更や目的変更が必要であれば、追加で登録免許税が必要になります。
また、司法書士に依頼すれば報酬がかかります。

(2)不動産の移転登記

合併により存続会社する会社が、消滅する会社が持っていた不動産を所有することになります。不動産の名義を変更する登記が必要となります。

登録免許税は、課税標準額(固定資産税評価額)×0.4%

司法書士に依頼すれば報酬がかかります。
なお、不動産取得税はかかりません。

(3)税務署への申告・届出

合併により消滅する会社の(最後の)申告が必要となります。
また、合併したことの届出を税務署にする必要があります。

(4)その他

その他、銀行口座の変更や諸々の名義変更手続きが必要となります。

合併以外にも、合併と同じ効果を得られるものがありますが、合併が手続き的にも、費用的にも一番ではないかと考えます。

2021/07/23

不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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