団体信用生命保険に加入すると相続対策(債務控除)にならない?
相続税対策で賃貸住宅を建てる際、「融資を受ける時に団信をつけると、相続税対策にならない」と銀行の人から言われます。
借金が無くなってしまうからだという言い分だとは思いますが、実際はどうなのでしょうか?
相続が発生して団信の保険がおりて、借金を返済した場合、この生命保険はどのような扱いになるのでしょうか?
契約者 : 被相続人(融資を受けた人)
被保険者 : 同上
受取者 : 相続人
となって、保険金の扱いになるのでしょうか。
団体信用生命保険がついている借入金は、相続税の計算上、財産から控除できないことになっています。
団体信用生命保険とは、借入金の返済途中で、債務者が死亡または所定の状態になってしまった場合に、生命保険会社が代わりに借入金を弁済してくれることで、相続人などに債務が承継されなくなる仕組みです。
生命保険としての契約形態は以下の通りになります。
被保険者 : 同上
受取者 : 金融機関など
よって、相続税の課税対象となる保険金を受け取るわけではなく、借入れが消滅するということになります。
そのため、団体信用生命保険をつけている場合には、相続税が高くなる可能性があります。
では、相続税のために団体信用生命保険に入らない方がよいのでしょうか?
賃貸経営は相続後も続きます。借り入れがあることで経営に大きな負担になることもあります。
残された家族に借入金の負担を残さないために、加入しておくことは悪くないと考えます。
相続税の負担を減らした方がよいのか、借入金の負担を減らした方がよいのかを、よく検討するということです。
団体信用生命保険の代わりに一般の生命保険に加入した上で、同時に相続税対策を行えばよいと考えます。
生前贈与を行うなど、相続までに少しずつ対策を進めることで、相続税も借入金も心配がない状態にすることが可能です。
2018/10/09
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士