不動産投資コラム

融資金利の引き下げ交渉/銀行の売上を考える

融資金利の引き下げ交渉/銀行の売上を考える

前回 より、どうやったら金利の引き下げ交渉を上手くできるかどうかを解説していきました。
「金利を下げて下さい!」とストレートに言っても、「無理です!」と断られることが大半でしょう。

なぜ、断られるのか?
それを考えることがヒントに繋がります。

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金融機関にとって金利を下げることとは

金利を下げることは、金融機関にとって、収益が下がります。
売上が下がることを快く、OKはしないはずです。
ですから、相手方にとってメリットを出さないといけません。

今回は、金融機関にとってのメリットから考える金利交渉の方法を解説していきます。

金融機関にとってどのようなお客様になればメリットを感じてくれるのでしょう?

①今後融資を拡大してくれる可能性がある

売上を会計面から捉えると、一般的には「単価×販売個数」で計算されます。

100円の商品を1,000個売ると、売上は10万円
200円の商品を500個売っても、売上は10万円になります。

売上計算方法

単価を金利
販売個数を貸出金額

に置き換えると、金融機関の売上はイメージしやすいと思います。

単価である金利を下げただけでは、売上は減少します。
売上を減少させないためには、貸出金額を増やせばよいことになります。

投資家さんにとっては、むしろ貸して欲しいという思いでしょう。
しかし、金融機関は、貸し出すとリスクが増えるという考えになります。

金融機関は、貸し出しを多くして売上を上げたいと思いながら、貸倒れのリスクを極力無くしたいのです。
貸倒れのリスクが極力ないことを証明するには、業績を良くしなければなりません。

業績が良く(決算内容が良い)、事業を拡大する意欲があれば、金利を下げてくれる可能性があります。

②今後融資を継続してくれる

売上を「単価×販売個数」と捉えましたが、実は、これは瞬間的な売上です。

事業は継続するものです。
今月100万円売り上げたといっても、来月以降も同じ売り上げが発生しなければ事業継続が危うくなります。

売上は長く定期的に続くのが理想といえます。

そこで、売上に時間的要素を入れて考えるとわかりやすくなります。
売上=「単価×販売個数×回数」です。

単価が減っても、販売個数が増えなくても、回数が増えれば売上が上がることになります。

継続する売上回数

金融機関にとっての回数とは何でしょうか?

それは、融資を長期に継続してくれることです。

金融機関にとって、嫌なことは、(売却や借り換えなどによって)一括返済されること

売却は仕方がない部分はあったとしても、借り換えによって他の金融機関に替えられるのは、避けたいところです。

借りる側ができることは、できる限り長く借りていたいという想いを伝え、態度で示すことが大事になります。

③約束を守る

上記①の融資の拡大や②の長期継続は、将来の話です。

まだ実現できていない状況のなかで、この人だったら実現できそう、と思わせなければならないのです。

どうやってそう思わせられるのか?

これまでの信用の積み重ねではないでしょうか。

今まで金融機関との約束を守れなかったことはなかったか。

  • 返済金額の滞納
  • 確定申告書など提出書類の不提出
  • 虚偽の報告

信頼を失うことをしていると、約束が守れない人というレッテルが貼られてしまいます。
今からでも遅くないです。金融機関との約束は必ず守るようにしましょう。

④破綻の可能性が少ない

金融機関が一番恐れるのは、貸し倒れリスクです。
破綻して返済ができなくならないようにと、金融機関は融資時に審査しているのです。

この観点から見ると、金利の高さは、破綻懸念の度合いとも言えるのです。

破綻懸念が少ない優良企業は、低い金利で貸し出し、破綻懸念が強いところには、高い金利で貸し出す。金融機関は万一取りっぱぐれても、収益が上げられるようにしているのです。

破綻懸念が少ないということをアピールできれば、金利を下げてくれる可能性があります。

これは大きく利益が上がっていること以外でも、下記のような指標でチェックされます。

  • 自己資本比率(自己資本/総資産の割合)が高い

  資産と借入金を比べて借入金の占める割合が小さい。

  • 債務償還年数(※)が 20年~30年以内に収まっている

  キャシュフローが充分に出ている。
  (※)債務償還年数=(負債金額-現預金)÷(営業利益+減価償却費)

これらは一例です。金融機関によって様々な指標を使って分析しています。

⑤今後もお付き合いしたいと思うか

金融機関にとっての良いお客様は、良い会社、つまり、良い経営者とも言えます。
良い経営者とは何でしょうか?

究極を言うと、「会社を使っていかに利益をあげることができているか」になりますが、その資質について判断されると思います。

経営についてよくわかっている。

経営について問題点を理解し、その改善策を知っている。

これらを数字を使って説明できる。

このような経営者であれば、会社を良くすることができると思うのです。

金融機関の考え方がわかったところで、次回はいよいよどうやって金利を下げる交渉をするのか、実践をお話していきます。

まとめ

  • 金利交渉は、金融機関にとって良いお客様になることを考える。
  • 金利交渉しても金融機関の売上が下がらないようにすること。
  • 金融機関にとっての良いお客様=良い経営者であること。

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渡邊 浩滋
渡邊 浩滋

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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