不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

増資をすることのデメリットは?

会社で賃貸物件を所有して運営しています。
今後、銀行融資を受けて規模を増やしていきたいと思っています。

銀行評価を良くするために、自己資本比率を上げようと、増資を考えています。
何か注意するべき点はありますか?

銀行評価の一つに、自己資本比率があります。

「自己資本比率=自己資本(純資産)/総資本」

で表しますので、資本金を増やせば(増資)、自己資本比率が上がります。

この増資については、注意点があります。

(1)増資時のコスト

登録免許税が、「増資額×0.7%(最低3万円)」がかかります。

(2)増資後のコスト

資本金が一定額以上になると、法人住民税の均等割が上がります。

(例)東京都23区の場合(従業員50人以下)

資本金1,000万円以下     7万円
資本金1,000万円超1億円以下  18万円
資本金1億円超10億円以下   29万円

(3)優遇税制

資本金1億円を超えると、税務上の中小企業ではなくなります。

所得800万円以下の軽減税率(法人税15%)や、交際費の全額損金算入、欠損金の全額繰り越し控除の対象、などの優遇税制が受けられなくなります。

上記デメリットを考慮した上で、増資をした方がよいか判断してください。

2021/01/20

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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