売買契約書を2通作成し1通をコピーにした場合、収入印紙は1通分?
不動産を売買するにあたり、売買契約書に収入印紙を貼らなくてはならないのですが、この契約書を売主・買主1通ずつ作成するのではなく、1通だけ作成して、もう1通をコピーにした場合には、収入印紙は1通だけ必要ということでよいのでしょうか?
写しとしてのコピーなら収入印紙は不要ですが、要件によっては必要になります。
印紙税は、作成された文書に対して課税されるものであり、同一内容の文書を2通作成しても、それぞれの文書が契約の成立を証明するものであれば、それぞれが課税文書として印紙税がかかります。
しかし、コピーした文書は、単なる写しにすぎないことから、課税文書には該当しないことになります。
したがって、契約書の正本1通のみに印紙を貼ればよいことになります。
ただし、契約書のコピーであっても、下記の要件を満たすものは課税文書として扱うため、印紙が必要になります。
(1)契約当事者の双方、または一方の署名、または押印があるもの
(2)正本等と相違ないこと、または写し、副本、謄本などであることの契約当事者の証明(正本などとの割印を含む)のあるもの
※ただし、文書の所持者のみが署名・押印、証明しているものは課税文書に該当しません。
印紙税の節税という観点からは、コピーは有効かと思います。
しかし、将来的なトラブルになった場合の裁判上などの証明力になると、コピーよりも原本の方がよりよいという観点も忘れてはならないと考えます。
2018/09/02
手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?
回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士