空室を埋める![前編]…入居者分析と物件力アップ
こんにちは。廣田裕司です。
2018年も残り1ヵ月となりました。
12月は、大家さんとしては、入退去も少ない時期なので、それほど忙しくないと思います。
しかし、年が明けるとすぐ確定申告や、入退去が多い繁忙期に入り、忙しくなります。
さて、今回は、空室対策の基本的な考え方について書いていきます。
最近の賃貸住宅市場は、人口の減少により需要が減少していくなか、相続税の増税の影響か、新築物件が増えて供給過剰の状態になり、空室が増加しています。
このようなマーケットの中で賃貸経営を進める上では、特に空室対策が重要になってきます。
空室対策で最初に考えることは、対象となるお部屋の入居者さんを想定することです。
次に、想定された入居者さんの目線で、対策を立案します。
対策を具体的に立案する時は、
・物件力
・家賃の設定
・客付けを行う不動産会社
・広告宣伝
の4つに分けて考えて実行していきます。
前編では、入居者さんの想定と物件力アップについてご紹介します。
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入居者の想定
お部屋を探している人に選ばれるお部屋を作ることが大切なのは、言うまでもありません。
人の好みはさまざまなので、誰にでも好まれる部屋を作ろうとすると平均的な部屋になってしまいます。
その結果、ライバル物件の中に埋もれてしまい、決まりにくい部屋になってしまいます。
その部屋にあった入居者さんを想定し、想定した入居者さんに合わせて部屋を作るほうが効果的な空室対策になると思います。
入居者の傾向と人物像をつかむ
入居者さんを想定する前に、募集をする部屋と同じ物件内のほかの部屋にどんな人が住んでいるか(いたか)、性別、年齢、職業、家族構成などを調べ、傾向を把握します。
たとえば、女性が多い、近所に大学があり学生が多い、都心に通勤するサラリーマンが多いなどです。
現在の入居者さんは、その部屋を選んで入居しているので、入居者さんを想定するヒントになります。また、あわせて周辺の環境も把握します。
現状を把握した上で「どんな入居者さんに住んでもらいたいか」、「どんな入居者さんがふさわしいお部屋なのか」という観点で入居者さんの人物像を想定します。
たとえば、
「25歳、女性、独身、会社員、日本橋勤務、料理が趣味」
というように、より具体的に、年齢、性別、家族構成、職業、趣味などを想定します。
お部屋の広さや間取りである程度、家族構成は決まってきますが、入居される方の人物像によって魅力に感じるポイントが違うため、あらかじめ入居者さんの人物像を想定しておくことで効果的な対策が立案できます。
次に空室対策の考え方の4つのうち、一番基本となる物件力について書きます。
物件力(物件の魅力アップ)
物件力とは、お部屋を探している方に、ここに住みたいと感じさせる力です。
単純に、最新の設備や魅力的な間取りの部屋なら物件力が高いという訳ではなく、常に家賃とのバランスで決まってきます。
設備や間取りは新築時には最新のものであっても、時間の経過で陳腐化していきます。
想定した入居者さんの目線で現状の問題点を把握した上で、改善のポイントをリストアップしておき、原状回復工事と同時に、費用対効果を考えながら、計画的に改善していくようにします。
設備の更新や間取り変更などの工事は、高額な費用が必要なので、資金の準備なども含め長期的な視点で計画する必要があります。
また、個々のお部屋だけでなく、共用部の整備、外壁の塗り替え、防水工事などの建物全体の修繕も計画的に実施したいポイントです。
ソフト面・ローコストで実施できる空室対策
物件力というと、リフォーム工事などのハード面での対策を思い浮かべる方が多いと思いますが、入居条件の緩和などのソフト面の対策やローコストで実施できる対策もあるので、ここでいくつか紹介します。
ルームシェアや外国人の入居をNGとしている物件が多いため、ルームシェアや外国人の入居をOKにすると物件の差別化につながります。
実施する場合は、契約方法や保証会社を使うなどの工夫が必要です。
孤独死などのリスクを嫌い、高齢者入居NGの物件が多いようです。今後、高齢化が進み、高齢者の入居希望者が増えると考えられます。
空室対策上、高齢者の受け入れは重要になってきます。そのため高齢者入居のリスクへの対応策の検討が必要です。
高齢者の入居に関して、管理会社さんと認識を共有することも大切です。
自宅のリフォームや改築のために、1~6ヵ月程度の短期間の入居を希望する需要も結構あります。
ペット飼育可能な物件はまだ少ないようで、ペット飼育可能なお部屋は比較的入居期間が長くなるようです。
既存の物件をペット飼育可能とするには、既存の入居者さんの協力が不可欠です。
最近は、いろいろな調理家電やタブレットPC、スマートフォンなどの充電器を使用する機器が増えているため、古い物件ではコンセントが不足するようです。
居室だけでなく、キッチン周りにもコンセントの増設を検討しましょう。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は、家賃の設定、客付けをする不動産会社、広告宣伝について書いていきます。
次回記事
不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは