不動産投資コラム

不動産鑑定士、投資用の戸建てを買う~リフォーム下見編

不動産鑑定士堀田 直紀
不動産鑑定士、投資用の戸建てを買う~リフォーム下見編

「戸建て投資」シリーズ、第4話。
先日、物件の鍵を無事入手したので、次はリフォーム工事の準備に移ろうと思います。

中古の戸建住宅を借りていただくためには、ある程度のリフォームが必要になります。

その内容によって、得られる賃料も左右されますので、リフォームは不動産賃貸経営では重要な要素のひとつといえます。
いかにコストを抑えつつ、見栄えよく仕上げるかが勝負の分かれ目になってきます。

そこで、この物件のどこをリフォームするのかという具体的な内容と、リフォームを行うときのポイントについて、お話していきたいと思います。

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1.リフォーム箇所の検討

和工房今回、リフォームをお願いするのは、以前から親交のある「和工房(なごみこうぼう)」さんです。リフォームや古家再生を得意とされ、東海地方を中心にこれまでに数多くの空き家を再生されている会社です。

購入した物件は古家にしては築年数が浅いほうで、新耐震基準を満たしている物件です。
ただ、築30年を超すと、経年劣化もみられますので、ある程度は手を加えていこうと思います。
まず、外回りについては、特に気になった箇所はなく、修繕の必要はないと判断しました。
本瓦の屋根については以前の家主さんが補修した形跡があり、漆喰などしっかりした状態が保たれてました。

次に建物内部ですが、ここは少し手を加える必要がありそうです。
戸建て投資リフォーム箇所

床や天井の木材が弱っている部分は、下地からしっかりと組み直してもらうことにしました。
内装に関しては、破れていたり、傷ついていたりと、まあまあ派手に痛んでいました。
クロスはほぼ全部貼り替え、1階和室の襖、障子、畳についてもすべて新調することにしました。
また、全体的に床にはクッションフロアを貼り、天井は塗装仕上げにしてもらう予定です。

クロスなど、中途半端な汚れや傷だと、貼り替えようかどうか悩みますが、今回は全体的にガラッと印象を変えたかったので、迷うことなくすべて貼り替えることにします。

設備機器については、比較的きれいな状態なので、洗面台の取り換えくらいで済みそうです。TVモニター付きインターホンも新しく設置されたようで十分使えそうです。
この物件は、都市ガスではなく、個別プロパンガスのエリアになります。
個別プロパンの場合、事業者を自由に選定できます。
今回は、24号の給湯器とガラストップのガスコンロをガス事業者の提供で設置してもらうことができました。月々のガス料金も比較的安い事業者なので、入居者にも喜ばれると思います。

今回の目玉は2階の和室です。
1階にも6畳の和室があるので、2階は洋室に変更する予定にしています。
この部屋については特にこだわりをもって、今後進めていきたいと思います。

工事項目

参考までに今回の工事項目(当初見積もり段階)を載せておきます。

戸建て投資リフォーム工事項目

気になるリフォーム費用です。
詳細な内訳は申し上げられませんが、総額で200万円(税別)程度になりそうです。

2.流行りのキーワード

今回、リフォーム業者の方に見積りの内容を丁寧に説明していただきました。その際に担当者から、いま流行りの「キーワード」を教えてもらいましたのでご紹介したいと思います。

それは、
①パントリー
②ランドリールーム
③リモートワーク部屋
の3つです。

パントリーというのは、食料品などを収納・保管していくための空間です。
また、ランドリールームというのは、洗って干す、畳む、収納するなど、洗濯まわりの作業を効率良く行うための空間のことです。
そして、リモートワーク部屋というのは、感染症対策のために在宅ワークをする方が急増し、仕事に集中できる空間を求める方が多いため、とても注目されています。
賃貸募集で他の物件との差別化するためには、これらの流行を取り入れてみるのも良いかもしれません。
 

3.細かいけれど…チェックしておきたいポイント

リフォームをするにあたって、細かいことですが、ぜひ知っておいて欲しいということもお聞きました。

POINT① 水栓の不良はクレームになりやすいので、なるべく取替えを!
POINT② 建具の調整・網戸の破れに注意!
POINT③ 瓦屋根の場合、ツヤと漆喰の状態をチェック!

 
入居者からのクレームになりやすい内容として、水栓の不良があります。
水漏れがあると影響が広範囲に及ぶので、ここは費用を惜しまず、なるべく取替えをしておくべきということでした。
 
そのほか、建具の調整や、網戸の破れにも注意が必要です。
入居後の発注になると割高になり、室内にも立ち入らなければならないので、リフォームのときに合わせて直しておきたいところです。
 
さらに、屋根は構造上重要な部分になります。
屋根にはいろいろな種類があり、チェックすべきポイントがちがいます。
瓦屋根の場合、ツヤはあるか、漆喰がボロボロになっていないかを確認することが大事だとおっしゃっていました。
今後も定期的なチェックとメンテナンスが必要になります。

今回は、リフォーム工事の内容と、リフォームのポイントについてご紹介しました。
これから工事に着手することになりますが、出来上がりがどんな感じになるのか、とても楽しみです。
今後はその経過をお届けできたらと思います。

【登場人物】
<リフォーム>和工房株式会社 森大地さん

不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは

堀田 直紀

不動産鑑定士・宅地建物取引士

堀田 直紀

不動産鑑定士・宅地建物取引士

不動産鑑定士試験合格後、民間最大手の大和不動産鑑定株式会社にて約11年間、収益物件をはじめとした鑑定評価業務に従事。平成29年10月、ミッドポイント不動産鑑定株式会社を設立。

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