不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

共有不動産。1/2がインボイス登録事業者、1/2が免税事業者はあり?

私と父1/2ずつの共同で賃貸物件を所有しています。
1階が法人テナント、2~5階が居住用です。
現在、父は簡易課税事業者(個人)、私は免税事業者(個人)になっています。
今後、父がインボイスの登録事業者となり、私が免税事業者のままの場合、テナント借主は賃料の1/2を仕入税額控除の対象とできるのでしょうか?
父と私でインボイスの対応が異なる場合、何かデメリットはあるのでしょうか?

共有物件の場合、一方がインボイス登録事業者、一方が免税事業者ということもありえます。

この場合、テナント借主は、インボイス登録事業者であるお父様の賃料分だけを仕入税額控除ができることになります。

国税庁のQ&Aでも下記のように記載されています。

適格請求書発行事業者が適格請求書発行事業者以外の者と資産を共有している場合、その資産の譲渡や貸付けについては、所有者ごとに取引を合理的に区分し、相手方の求めがある場合には、適格請求書発行事業者の所有割合に応じた部分について、適格請求書を交付しなければなりません
(インボイス通達3-5)。

したがって、貴社は建物の売却代金のうち、貴社の所有割合(例えば持分など)に対応する部分を基礎として、適格請求書を交付することとなります。

つまり、請求書や契約書で、1/2の金額がインボイス登録の対象であることがわかるように区分した上で、インボイス要件を満たす記載事項(登録者名、登録番号、取引内容、年月日、金額、税率、消費税額、宛名)を記入する必要があります。

デメリットとしては、このように請求書や契約書の記載が煩雑になるのと、テナント借主の経理処理が複雑になってしまうことかと思います。

テナント借主に事前に、インボイス登録事業者と免税事業者が混在してしまう旨、請求書や契約書をどのように記載することになるかを、説明・話し合いをすることがよいと考えます。

2023/10/13

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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