不動産投資コラム

地価上昇率トップの沖縄がアツイ理由とは?

2020/02/16
行政書士棚田 健大郎
地価上昇率トップの沖縄がアツイ理由とは?

近年、全国的に地価上昇傾向が続いていますが、沖縄は公示地価が2019年で6年連続上昇、また、2年連続で上昇率トップとなるなど、とくに上昇傾向が強まっている状況です。

そこで今回は、沖縄が今、不動産投資先としてもアツい理由について全2回に分けて解説していきたいと思います。

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沖縄がアツイ理由その1…観光客、インバウンドの増加

沖縄といえば、以前から「観光」を中心とするサービス業など第三次産業が盛んなことでも有名ですが、ここ数年でさらに追い風となる条件がそろい始めています。

クルーズ関連の観光客の増加

2020年東京オリンピック・パラリンピックを来年に控え、外国人観光客はまさにピークを迎えつつあります。
そんななか、密かに増えてきているのがクルーズ船関連の観光客です。

というのも、クルーズ船の寄港回数は全国的に増加傾向にあります。

・日本国港湾へのクルーズ船の寄港回数:2,930回
・日本船社が運航するクルーズ船の寄港回数:1,017回

2018年は前年比で6%増加しており、今後も寄港回数が増加する可能性が高いと考えられます。
クルーズ船で訪日する外国人入国者数も増加傾向で、2018年では245.1万人まで増えており、日本の観光産業に大きな影響を与えているのです。

沖縄クルーズ船

那覇港は全国2位の寄港回数

2018年の寄港回数を地域別にみてみると、2位に那覇港がランクインしています。

1位:博多港 279回
2位:那覇港 243回
3位:長崎港 220回

回数だけ見るとピンと来ないかもしれませんが、2013年から那覇港の寄港回数の推移を見てみると、うなぎ上りに上昇していることがお分かりいただけるかと思います。

2013年:56回
2014年:80回
2015年:115回
2016年:193回
2017年:224回
2018年:243回

クルーズ船が1回寄港すると、1,500~2,000人ほどの観光客が上陸すると言われており、もたらされる経済効果はかなりの規模となります。

那覇港のクルーズ船のほとんどはインバウンド

2018年に那覇港に寄港したクルーズ船243回のうち、なんと236回は外国船社が運航するクルーズ船、つまり外国人を乗せたクルーズ船なのです。

ここで重要になってくるのが、政府の方針です。

議長を内閣総理大臣とする「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議(2016年3月30日)」において、訪日クルーズ旅客を2020年に500万人にするという目標が立てられています。

つまり、現時点の約2倍に相当する外国人観光客を誘致しようと、国家レベルの施策として動いているのです。

日本人のクルーズ人口及びクルーズ船の寄港回数が過去最多/国土交通省

那覇空港大幅拡張で観光客大幅アップを狙う

観光客の取り込みは、クルーズ船の寄港回数増加だけではありません。
沖縄の空の玄関口である那覇空港も、2030年を目標に観光客が3,200万人まで増加すると予想されています。

那覇空港は、これまで第一滑走路のみで運用していましたが、2014年3月に第二滑走路の起工式が行われ、2019年12月に完成を予定しています。

第二滑走路の運用が開始すれば、クルーズ船効果と相まって、食事やショッピング、レジャー関連などの直接的な利益だけでなく、観光関連産業への生産の活性化、雇用の増加など間接的な効果も期待できるでしょう。

観光客の増加は、民泊との相性抜群

沖縄経済の活性化は、地価上昇という不動産投資への影響を与えますが、それよりももっと直接的に影響を与えるのが民泊需要の拡大です。

外国人旅行客は日本人旅行客に比べ、民泊を利用する傾向が強いため、今後沖縄での民泊投資はかなりの需要が見込めるといわれています。

沖縄民泊

民泊禁止からOKへ風向きが変わったわけ

かつては、一般の分譲マンションの一室を民泊として運用することは、ほかの住人から嫌がられて禁止されるなど、住民と投資家との間でかなりの摩擦があったことが、民泊投資にブレーキをかけていました。

それが最近では、あまりにもインバウンド需要が拡大してきたこと、そして民泊新法が施行されたことで、風向きが変わりつつあり、以前は民泊禁止を管理規約に謳っていたマンションも、一転して民泊OKの管理規約に変更するケースが出てきています。

理由は単純で、民泊営業が許可されているかどうかによって、マンション自体の市場価格が変わってくるほどの影響力が出てきたからです。

つまり、民泊OKにしたほうが高く売れるのです。

沖縄民泊投資で抑えておくべきエリア

沖縄で民泊投資をするなら、次の3つのエリアを抑えることをおすすめします。

需要が手堅い那覇市

沖縄観光の中心地である那覇市は、民泊投資として最も高い需要が見込めるエリアです。
那覇市は那覇空港へのアクセスも良く、また、観光地である首里城や国際通りへも行きやすいことから、外国人がairbnbなどで宿泊先を検索する際にも、ヒットする可能性が高くなります。

沖縄というと海沿いの物件が人気ですが、那覇市に関しては海というよりも、沖縄観光の中心である国際通り周辺へのアクセスがよいほうが人気のようです。

再開発で大注目の浦添市

浦添市
今沖縄で最もアツいと言っても過言ではないのが、浦添市です。
那覇市の北側に位置する海岸沿いの街で、2019年6月にグランドオープンした「サンエー浦添西海岸パルコシティ」という、湾岸道路に面したウォーターフロント複合施設が注目を集めています。

那覇市からもアクセスはよいのですが、浦添市の場合は海に近い場所での民泊投資の方が、人気が出そうです。

今後の沖縄観光の中心地となる可能性を考えると、投資先として非常におすすめです。

後半 は、沖縄の人口変動や今後の不動産投資先としての展望について、同じくアツい北海道とも比較しながら解説していきたいと思います。

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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